3日付 秋田魁新報 経済面に「20店舗増「オーパ」に新装/フォーラス 来年10月オープン」が掲載された。
秋田駅前(西口)にあるファッションビル「秋田フォーラス」が、来年(2017年)2月末頃から全面休業して、耐震補強と内外装の一新を行い、来年10月下旬に「OPA(オーパ)」としてリニューアルオープンするという。【5日追記】5日付秋田魁新報によれば、2月27日・月曜日から休業。
まず、魁では詳しく触れていないが、運営会社について。
OPAは、元はダイエー系列のファッションビルの企業名であり店舗ブランド名。ダイエー本体とともにイオン傘下に入った。
魁にはOPAは関西と首都圏を中心に「9店舗」とあるが、大宮OPA(ダイエーに入居?)が来年正月で閉店、一方で首都圏で新たな出店予定もある。
2016年春からは、これまでイオンリテール株式会社(旧・ジャスコ、サティと同じ運営会社)が運営していた各地のフォーラスとビブレの運営が(企業としての)株式会社OPAへ移管された。
店舗ブランドとしてのOPAは東北初進出だが、企業としてのOPAは既に秋田フォーラスを経営しているのだ。
また、魁には「仙台、金沢、大分のフォーラス3店は順次オーパに業態変更する方針」とあり、フォーラスというブランドが消滅することになってる。
つまり、本件は「経営企業はそのまま、ビルの名前を替えて、建物内外とテナントのリニューアルを行う」のが本質で、「それは今後、他のフォーラスでも行われる」のであろう。
総合スーパー「ジャスコ」「サティ」「ダイエー」だったものが、「イオン」に統一された(されつつある)ことの、ファッションビル版。
「秋田フォーラスが“撤退”する」とか、「秋田フォーラスの業績が特に悪くて看板を替える」というものではないと思われる。ツイッターなどで「フォーラス閉店で秋田駅前の衰退がさらに進む!」といった投稿があるが、それは早とちりです。(フォーラスというブランド名や、現在の内外装や店舗構成がなくなるのは事実なので、それを惜しむのは分かるし、工事中の半年超の空白を心配するのは分かるけど)
【3日追記】「フォーラスが潰れる」という投稿もある。一般にこの文脈で「潰れる」とは「倒産する」という意味、拡大解釈してもせいぜい「業績不振で撤退する」の意味だと思う。だからこれも早とちり。だけど、ひょっとしたら若い人(の一部)は、単に「(企業は存続するが、店舗が)なくなる」という意味で「潰れる」を使うのかも、と思ったりも… サティ→イオンの時も「サティが潰れてイオンになった」という投稿が見られた(当初の運営企業だったマイカルは経営破綻しているから「潰れた」は正しいけれど、店舗ブランド変更よりずっと前のこと)。
(再掲)秋田フォーラス
また、この建物は、1974年5月31日にジャスコ秋田店としてオープンし、その後ファッションビルに転換している。
魁では「87年に現在の若者向けファッションビルとなった」とあるが、正確には間にもう1つあって、1985年12月20日から1987年までは「パレドゥー」という名前のファッションビル(?)だった。
秋田フォーラスとしての開店は1987年12月4日。ジャスコ、パレドゥーそれぞれの閉店日は不明。
リニューアルについて新聞記事より。
・テナントは現在は「56店舗」、リニューアル後は「20店ほど多い約80店舗とな」る。※河北新報ホームページでは「テナント数などは未定」としている。
・改装により「全面建て替えするよりも3割ほどコストを削減できる」。
・8階建てのうち「改装後は1~4階部分が吹き抜けとな」る。
・完成予想図によれば、正面の壁面デザインが大きく変わるが、シースルーエレベーターはそのまま残る。
【5日追記】4日アップの秋田建設工業新聞サイトによれば、この工事の設計は大分にある「青木茂建築工房」の東京事務所。同社が商標登録する「リファイニング建築」という手法で、単なる耐震補強とは違うそうだ。
・「店舗の詳細については来年3月に公表する予定」
・「8階の映画館「シネマパレ」はなくなる見込み。」
【5日追記】5日付秋田魁新報によれば、シネマパレは「リニューアル後も営業再開しない。」ことが明言された。
シネマパレは1985年開業。デジタルでないフイルム作品のみを上映する、今では全国でも数少ない映画館で、映写機・フイルムの老朽化・劣化と、客足の減少も閉館を決めた一因とのこと。
・「本県初出店のブランドなど(略)イオンモール秋田とのすみ分けも図る」。
・「学生や仕事帰りのサラリーマンが気軽に立ち寄れるような飲食店などのテナントも検討」
・ジュンク堂書店やタワーレコードの存続については、新聞記事では不明。
・地元商店会は歓迎の意向。
ちなみに、既存店にならえば、リニューアル後は「秋田OPA」という名称になると思われる。
以前から、秋田フォーラスが今後どうなるか、気がかりだった。
スクラップアンドビルドのイオングループの運営、衰退著しい秋田駅前という場所、なんといっても築40年超の古いビル。県外では撤退したフォーラスもある。いつ閉店となってもおかしくないと思っていた。男性用トイレなんで、ジャスコ時代のままであろう昭和のトイレだし…
しかし、2014年春に一部外壁がきれいにされていた。
「外壁のリニューアルがされたということは、閉店や建物のこれ以上の改装の計画は当分なく、フォーラスは営業を続けるということなのだろう。」と当時書いたけれど、こんなに手が入って残ることになるとは!
ジャスコ→パレドゥー→フォーラス→OPAと、4つ名前を変えながらも、イオンが関わり続ける。今春のイオン土崎港店のリニューアルに続き、イオングループも秋田にそれなりに投資してくれ、古いものも大事に使うようになっているのかな。
古い建物に新たに吹き抜けを設けるというのは珍しいかも。1970年代らしい低い天井の建物だから、吹き抜けにより開放感を演出するのだろうか。予想図だと、けっこう広そうな吹き抜けで、売り場面積は減ることになりそう(ただし吹き抜けは1~4階)だけど、そこに20店舗を新たにどう入れるのだろうか。
「気軽に立ち寄れるような飲食店などのテナントも検討」とあるが、前から言っているけれど、ここに食品スーパーがあれば便利。
既存のOPAでは、聖蹟桜ヶ丘や藤沢では、地階に地元スーパー(イオンやダイエー系列ではない)が入って生鮮食品を売っている。じゃあ、秋田にあってもいいのでは?
それから、秋田とは関係ないけれど、イオングループ内で同業異ブランドである「ビブレ」はしぶとく残る。同じ旧マイカルの「サティ」はあっさり吸収されたのに。それに、元ダイエーグループのOPAが存続して、フォーラスを実質吸収することになるのも意外。企業の方針なんて、部外者には分からないもんだ。
あと、「フォーラス」は、来店しない高齢者などにも、それなりに名前が認知され浸透していると思う。この建物を今どき「ジャスコ」と呼ぶ人など皆無だろう。ヨーカドー、ダイエー、ステーション(ステーションデパート)などは使い続ける人がけっこういるけど。
30年近い時間のせいか、比較的覚えやすく・言いやすいのか、あるいはアトリオン、アルス、アルヴェ等、秋田市内で乱発される「ア」で始まる名称でないからか。その意味ではいい名前だった。「オーパ」は覚えてもらえるでしょうか。
それから、ササキノゾミさんが勤務していたのが、秋田フォーラスのテナント。店内でスカウトされたのかな。その場所も姿を変える。
ということで、秋田フォーラスで昭和の総合スーパーの雰囲気を味わいたいのなら、あとわずかです。
【3日追記】大分フォーラスがOPAになることも明らかにされていた。
大分は1973年にジャスコとしてオープン、1993年にフォーラス化。こちらはいったん解体して建て直すもので、2017年2月閉店・2019年春オープン予定。
【11月19日追記】秋田フォーラスでは11月19日から「大改装 売りつくしSALE」が開催。テレビCMなどでは「大改装のため、2017年2月26日をもって一旦閉店 」と告知している。
【12月21日追記】
12月21日付秋田魁新報 経済面に「秋田フォーラスのCD店 タワレコ2月閉店」が掲載。
地下1階の「タワーレコード秋田店」が2月26日で閉店し、「(フォーラがOPAになって)改装後も同じ場所で再開するかは未定」。1997年3月オープン、約500平方メートル、在庫数約6万点。
6・7階の「ジュンク堂書店秋田店」も「改装後の再開は未定としている。」。
オーパによれば、改装後のテナントについて「正式に概要を示すのは来年夏ごろとの見通し」。
【2017年2月22日追記】
2月22日付秋田魁新報 経済面「「フォーラス」26日閉館・10月下旬「オーパ」に/入居店舗 移転営業も」より。
現在のテナントは、工事中によそへ移転したりしなかったり、OPAオープン後も入るかどうかは決まっていたり未定だったり、という内容。
タワレコとジュンク堂は、揃って工事中の移転営業はせず、OPAに入るかどうかは未定とのこと。
ナガハマコーヒーは、まだ正式契約には至らないものの、OPAでも現在と同じ場所で再開する合意ができているとのこと。
【2017年3月7日追記】
3月7日付秋田魁新報 経済面に「ジュンク堂 営業再開へ 秋田オーパ」が掲載。
「再開の日時や売り場面積などはまだ決まっていない。」ながらOPAでもジュンク堂が存続することが明らかになった。
タワレコについては、「再開は未定」。
※閉店後の様子
秋田駅前(西口)にあるファッションビル「秋田フォーラス」が、来年(2017年)2月末頃から全面休業して、耐震補強と内外装の一新を行い、来年10月下旬に「OPA(オーパ)」としてリニューアルオープンするという。【5日追記】5日付秋田魁新報によれば、2月27日・月曜日から休業。
まず、魁では詳しく触れていないが、運営会社について。
OPAは、元はダイエー系列のファッションビルの企業名であり店舗ブランド名。ダイエー本体とともにイオン傘下に入った。
魁にはOPAは関西と首都圏を中心に「9店舗」とあるが、大宮OPA(ダイエーに入居?)が来年正月で閉店、一方で首都圏で新たな出店予定もある。
2016年春からは、これまでイオンリテール株式会社(旧・ジャスコ、サティと同じ運営会社)が運営していた各地のフォーラスとビブレの運営が(企業としての)株式会社OPAへ移管された。
店舗ブランドとしてのOPAは東北初進出だが、企業としてのOPAは既に秋田フォーラスを経営しているのだ。
また、魁には「仙台、金沢、大分のフォーラス3店は順次オーパに業態変更する方針」とあり、フォーラスというブランドが消滅することになってる。
つまり、本件は「経営企業はそのまま、ビルの名前を替えて、建物内外とテナントのリニューアルを行う」のが本質で、「それは今後、他のフォーラスでも行われる」のであろう。
総合スーパー「ジャスコ」「サティ」「ダイエー」だったものが、「イオン」に統一された(されつつある)ことの、ファッションビル版。
「秋田フォーラスが“撤退”する」とか、「秋田フォーラスの業績が特に悪くて看板を替える」というものではないと思われる。ツイッターなどで「フォーラス閉店で秋田駅前の衰退がさらに進む!」といった投稿があるが、それは早とちりです。(フォーラスというブランド名や、現在の内外装や店舗構成がなくなるのは事実なので、それを惜しむのは分かるし、工事中の半年超の空白を心配するのは分かるけど)
【3日追記】「フォーラスが潰れる」という投稿もある。一般にこの文脈で「潰れる」とは「倒産する」という意味、拡大解釈してもせいぜい「業績不振で撤退する」の意味だと思う。だからこれも早とちり。だけど、ひょっとしたら若い人(の一部)は、単に「(企業は存続するが、店舗が)なくなる」という意味で「潰れる」を使うのかも、と思ったりも… サティ→イオンの時も「サティが潰れてイオンになった」という投稿が見られた(当初の運営企業だったマイカルは経営破綻しているから「潰れた」は正しいけれど、店舗ブランド変更よりずっと前のこと)。

また、この建物は、1974年5月31日にジャスコ秋田店としてオープンし、その後ファッションビルに転換している。
魁では「87年に現在の若者向けファッションビルとなった」とあるが、正確には間にもう1つあって、1985年12月20日から1987年までは「パレドゥー」という名前のファッションビル(?)だった。
秋田フォーラスとしての開店は1987年12月4日。ジャスコ、パレドゥーそれぞれの閉店日は不明。
リニューアルについて新聞記事より。
・テナントは現在は「56店舗」、リニューアル後は「20店ほど多い約80店舗とな」る。※河北新報ホームページでは「テナント数などは未定」としている。
・改装により「全面建て替えするよりも3割ほどコストを削減できる」。
・8階建てのうち「改装後は1~4階部分が吹き抜けとな」る。
・完成予想図によれば、正面の壁面デザインが大きく変わるが、シースルーエレベーターはそのまま残る。
【5日追記】4日アップの秋田建設工業新聞サイトによれば、この工事の設計は大分にある「青木茂建築工房」の東京事務所。同社が商標登録する「リファイニング建築」という手法で、単なる耐震補強とは違うそうだ。
・「店舗の詳細については来年3月に公表する予定」
・「8階の映画館「シネマパレ」はなくなる見込み。」
【5日追記】5日付秋田魁新報によれば、シネマパレは「リニューアル後も営業再開しない。」ことが明言された。
シネマパレは1985年開業。デジタルでないフイルム作品のみを上映する、今では全国でも数少ない映画館で、映写機・フイルムの老朽化・劣化と、客足の減少も閉館を決めた一因とのこと。
・「本県初出店のブランドなど(略)イオンモール秋田とのすみ分けも図る」。
・「学生や仕事帰りのサラリーマンが気軽に立ち寄れるような飲食店などのテナントも検討」
・ジュンク堂書店やタワーレコードの存続については、新聞記事では不明。
・地元商店会は歓迎の意向。
ちなみに、既存店にならえば、リニューアル後は「秋田OPA」という名称になると思われる。
以前から、秋田フォーラスが今後どうなるか、気がかりだった。
スクラップアンドビルドのイオングループの運営、衰退著しい秋田駅前という場所、なんといっても築40年超の古いビル。県外では撤退したフォーラスもある。いつ閉店となってもおかしくないと思っていた。男性用トイレなんで、ジャスコ時代のままであろう昭和のトイレだし…
しかし、2014年春に一部外壁がきれいにされていた。
「外壁のリニューアルがされたということは、閉店や建物のこれ以上の改装の計画は当分なく、フォーラスは営業を続けるということなのだろう。」と当時書いたけれど、こんなに手が入って残ることになるとは!
ジャスコ→パレドゥー→フォーラス→OPAと、4つ名前を変えながらも、イオンが関わり続ける。今春のイオン土崎港店のリニューアルに続き、イオングループも秋田にそれなりに投資してくれ、古いものも大事に使うようになっているのかな。
古い建物に新たに吹き抜けを設けるというのは珍しいかも。1970年代らしい低い天井の建物だから、吹き抜けにより開放感を演出するのだろうか。予想図だと、けっこう広そうな吹き抜けで、売り場面積は減ることになりそう(ただし吹き抜けは1~4階)だけど、そこに20店舗を新たにどう入れるのだろうか。
「気軽に立ち寄れるような飲食店などのテナントも検討」とあるが、前から言っているけれど、ここに食品スーパーがあれば便利。
既存のOPAでは、聖蹟桜ヶ丘や藤沢では、地階に地元スーパー(イオンやダイエー系列ではない)が入って生鮮食品を売っている。じゃあ、秋田にあってもいいのでは?
それから、秋田とは関係ないけれど、イオングループ内で同業異ブランドである「ビブレ」はしぶとく残る。同じ旧マイカルの「サティ」はあっさり吸収されたのに。それに、元ダイエーグループのOPAが存続して、フォーラスを実質吸収することになるのも意外。企業の方針なんて、部外者には分からないもんだ。
あと、「フォーラス」は、来店しない高齢者などにも、それなりに名前が認知され浸透していると思う。この建物を今どき「ジャスコ」と呼ぶ人など皆無だろう。ヨーカドー、ダイエー、ステーション(ステーションデパート)などは使い続ける人がけっこういるけど。
30年近い時間のせいか、比較的覚えやすく・言いやすいのか、あるいはアトリオン、アルス、アルヴェ等、秋田市内で乱発される「ア」で始まる名称でないからか。その意味ではいい名前だった。「オーパ」は覚えてもらえるでしょうか。
それから、ササキノゾミさんが勤務していたのが、秋田フォーラスのテナント。店内でスカウトされたのかな。その場所も姿を変える。
ということで、秋田フォーラスで昭和の総合スーパーの雰囲気を味わいたいのなら、あとわずかです。
【3日追記】大分フォーラスがOPAになることも明らかにされていた。
大分は1973年にジャスコとしてオープン、1993年にフォーラス化。こちらはいったん解体して建て直すもので、2017年2月閉店・2019年春オープン予定。
【11月19日追記】秋田フォーラスでは11月19日から「大改装 売りつくしSALE」が開催。テレビCMなどでは「大改装のため、2017年2月26日をもって一旦閉店 」と告知している。
【12月21日追記】
12月21日付秋田魁新報 経済面に「秋田フォーラスのCD店 タワレコ2月閉店」が掲載。
地下1階の「タワーレコード秋田店」が2月26日で閉店し、「(フォーラがOPAになって)改装後も同じ場所で再開するかは未定」。1997年3月オープン、約500平方メートル、在庫数約6万点。
6・7階の「ジュンク堂書店秋田店」も「改装後の再開は未定としている。」。
オーパによれば、改装後のテナントについて「正式に概要を示すのは来年夏ごろとの見通し」。
【2017年2月22日追記】
2月22日付秋田魁新報 経済面「「フォーラス」26日閉館・10月下旬「オーパ」に/入居店舗 移転営業も」より。
現在のテナントは、工事中によそへ移転したりしなかったり、OPAオープン後も入るかどうかは決まっていたり未定だったり、という内容。
タワレコとジュンク堂は、揃って工事中の移転営業はせず、OPAに入るかどうかは未定とのこと。
ナガハマコーヒーは、まだ正式契約には至らないものの、OPAでも現在と同じ場所で再開する合意ができているとのこと。
【2017年3月7日追記】
3月7日付秋田魁新報 経済面に「ジュンク堂 営業再開へ 秋田オーパ」が掲載。
「再開の日時や売り場面積などはまだ決まっていない。」ながらOPAでもジュンク堂が存続することが明らかになった。
タワレコについては、「再開は未定」。
※閉店後の様子