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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

棒バス停

2012-09-19 23:42:25 | 秋田市営バス
そういえば明日は「バスの日」なので、久々に秋田市営バスの話題。バス停についてです。
旧秋田市交通局のバス停は、この記事などで紹介した通り「ダルマ型」のポールが圧倒的に多く、あとはバスロケーションシステム(バス接近表示)対応のものなどがあった。


では、冒頭の写真のようなタイプのバス停があったのはご存知だろうか。
※この記事の写真は、すべて2002年夏~秋に撮影しました。バス停名が分からなかったり間違っているかもしれないものがあります。また、画質が悪いです。

7センチ角くらいの「棒」に色を塗ってバス停名を書いたもの。(ダルマ型と同じような台座にささっている)
上から、赤・黄色・水色という、秋田市営バスのバス停らしい色が塗られている。
赤い部分には白で市章と「市営バス」、黄色い部分に黒でバス停名がそれぞれ縦書き。
※ここでは、このバス停を指して「棒バス停」と呼ぶことにします。
ただし、写真のように老朽化したものが多く、色や文字が剥げ落ちたり、バス停名をワープロ書きしていることがある。
てっぺんはとがっているのだが、朽ちて平らになったものもあった
末期には、ダルマ型と同じ、A4サイズの時刻表を掲示できる枠が付いていたが、昔は、棒の幅と同じ縦長の時刻表を掲示するようになっていたはず。
矢印の部分はバス停名表示用かと思うが、元々は時刻表スペースだったかも


全国的に、このような棒状のバス停が閑散路線に置かれることがあるようだ。秋田市営バスで棒バス停が設置されたのも、運行本数が極めて少ない路線。
この記事のコメント欄で書いたように、昭和末期には、秋田市中心部の「鱗勝院前」「聖園短大前」「千代田町」などにも設置されていた。
これは、1日1本だけ、旭野団地と県庁市役所~交通局前(現・臨海営業所)を結ぶ、神田線の系統「千代田町経由神田交通局線」が使ったもの。
しかし、平成に入って間もなく、「泉秋操線(現・泉ハイタウン線)」が毎時1本以上の頻度で運行を開始したため、その経路と重複することになった聖園短大前や千代田町はダルマ型に交換され、また千代田町経由神田線自体が経路変更で別の道を通るようになったため鱗勝院前は廃止されて、市街地の棒バス停は短期間で姿を消した。(以後、新設されるバス停は本数が少なくてもダルマ型が置かれる)

ということで、市営バスの棒バス停といえば、どうしても「郊外・山村部のバス停」のイメージが強い。
市営バス仕様の棒バス停が最後まで残っていたのが、この記事で写真を紹介している「中北手線」沿線。
1日2~3本小型バスが走る路線で、秋田駅西口から築地、楢山大元町を経て横森地区に入るまでは、築地経由の桜ガ丘線や経法大線(現・ノースアジア大学線)と同じ。
「横森三丁目」公園風の場所に置かれていた
「横森三丁目」から単独区間に入り、一つ森公園北側のくねくねした道を走る。そこから先は棒バス停が連続する区間となる。
「大戸」。信号機の左右が横金線
「大戸」で県道横山金足線を越え、大平台と山手台の間の谷間の平地の田んぼの中を東へ進み、秋田自動車道をくぐった「上小山田」まで行く路線。地名としては「上北手小山田」であり、「中北手」という地名はないようだ。
「大戸公民館前」かな。奥の丘の上が新興住宅地・大平台。桜ガ丘線の折り返し停留所でもある
中北手線は2003年春に中央交通へ移管され、2010年春に廃止されて、秋田市が運行する「マイ・タウンバス東部線中北手コース」として、日赤病院を起点に運行されている。
つまり、横金線より東側での運行であり、駅~横森付近は通らない。その代わり、従来は通っていなかった「大平台三丁目」を通るようになり、桜ガ丘線への乗り継ぎに配慮されているようだ。


新興住宅地や幹線道路が近いにも関わらず、それらが眼中にないかのごとく、風景に溶け込んで立ち続ける棒バス停たち。
緑の中

「はさ掛け(稲の自然乾燥)」と

「火の用心」

朽ちてただの木の棒と化す

移管後は興味がないので、これらの棒バス停がどうなっているか知らないが、残っているとしても塗り替えられていることだろう。
一方、他路線の折り返し場などで、駐車禁止の看板の支えなどとして、使い古しの棒バス停が市営バスの塗装のままで残っている場所もある。今も残る秋田市営バスの面影の1つと言えそうだ。

この記事後半も参照。かつては秋田中央交通にも存在したとのこと。
【2018年1月28日追記】テレビ朝日「帰れまサンデー」によれば、2018年初め時点で、静岡県伊豆半島の先のほうを走る東海バス・石廊崎線において、ほぼ同じ形状のバス停が現役で使われており、出演者は「杭みたい」と驚き、「乗降客が少ないバス停だからこんな形なのか」と話していたが、「風で倒れないように」この形状になったとの説明が入った。棒バス停は、秋田市営バスもしくは秋田県内独特のものではないようだ。
コメント
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