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広く浅く

今後はhttps://taic02.hatenablog.jp/で更新します

キジとキジトラ

2011-02-09 19:49:31 | 動物・植物
秋田市南西部の新屋地区は海が近く松林が多い。住宅地から少し外れると松林に入り込む。
そんな新屋の住宅街の道を歩いていると、宅地化から残った小さな松林の中を動くものがいた。
雪の中を歩くのは…

オスのキジ!

今まで秋田市内で見られる鳥類を何種類か紹介してきたが、キジもまた身近な鳥。
林や草原・畑を好む鳥なので、さすがに千秋公園など中心部では見たことがないが、北部の飯島地区の田んぼや南東部の仁井田地区の住宅街で、見かけたり「ケーン」という鳴き声を聞いたことがある。弘前市のリンゴ畑を歩いていたこともあった。
特によく見かけるのが、新屋地区近辺で、何年か前は新屋の隣の茨島地区の新国道の渋滞気味の車道を横断していた。(キジは飛ばずに走ることが多く、道路を渡ることがある)

この時はゆっくりと歩きながら、奥にある垣根の先の畑へ向かっていった。
キジのお尻
僕のことを警戒しているだろうから、もう逃げてしまうかと思いながらも、様子を伺っていると、
向こう側を垣根沿いに移動中
それほど警戒していないようだ。ゆっくりとお散歩しているかのよう。

しばらく進むと、家があって畑は途切れる。どうする?
桃太郎のキジみたいな顔
少し方向転換して、再びこちらに来てくれた! さっきよりも距離が近くなった(10メートル強)。
ニワトリとかハトみたいに立ち止まって首をかしげたりはあまりせず、まっすぐに歩くので、意外にスピードが速くて撮影しにくい。

でも、山の中でこんな警戒心の薄い歩き方をしていたら、鉄砲で撃たれてしまう。ここでは撃たれないことを知っているのだろう。

右奥に注目
雪の中を悠々と歩くキジを見つめるのは、僕だけではなかった。
奥にあるお宅の庭にネコが座り(たぶんそこの飼い猫でオスかな)、通るキジへ視線を送っていた。キジとネコの距離も10メートルくらいか。
ネコを見るキジ
以前、泳ぐカルガモに興味を示すネコを紹介したが、そのネコとは違い、どっしりと座って姿勢を変えずに見ていた。見慣れていてあまり興味はなく「ああ、またキジさんが歩いている」くらいの気分だったのかも。

キジさんにしてみれば、両側から見つめられていたことになる。
人気者はつらいぜ
ネコにピントを合わせると、
「キジさん行っちゃった…」
これ以上進むと、道路。キジは一瞬立ち止まったかと思うと、ダッシュして飛んでいった。

上の写真のネコを拡大してみると、若干カメラ目線のような気も。
「キジよりお前の方が気になるよ!」
ヒゲがだらんと下がっているから、警戒しているわけでも、興味があるわけでもなさそう。
そういえば、このネコさんのような毛の柄を「キジトラ」と言いますね。

※別のキジの写真はこちら(リンク先後半)
コメント (4)
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川沿いの道の鳥

2011-02-03 22:19:42 | 動物・植物
秋田市中心部を流れる旭川沿いで、2つの鳥を見かけた。

車道も歩道もすっかり雪がなくなり、その境目に雪山ができて、まるで「雪のガードレール」状態の通り。
その歩道部分に鳥がいた。
ハトか?

公園などにいる「ドバト」ではなく、
茶色い「キジバト(別名ヤマバト)」だ
本来は山の鳥だが、最近は街で巣作りする場合もあるそうだが、秋田市内では、特に冬場にエサを探しているのを見かける。我が家の庭にも来ていた(今年はつがいで来ていた)。
この旭川沿いの道でも、今年、複数のキジバトを見かけた。どの鳥も人をそれほど恐れないし、車が通らない隙に車道に降りる個体もいた。
後ろの黒いのは雪の塊
草の種でも探しているんだろうけど、ここにそんなにあるのかな。


少し離れた別の場所。
【4日追記】後日、キジバトもこの場所に来ていた。
正面の顔
ハトよりは小さくスマートな鳥がちょこちょこと歩道や川の護岸付近を跳ねていた。
シャーベット状になった雪に足を突っ込んで
この鳥も、以前我が家周辺に来ていた。冬の渡り鳥、「ツグミ」だ。
草の実もミミズや虫も食べるそうで、ここは土が多い場所だから、多少は腹の足しになったかな。

毎年冬にこの場所でツグミを見るが、同じ個体だろうか。
ほかにも公園やスーパーの駐車場でも見たことがある。この鳥もそれほど人を恐れない。

どちらも「冬の鳥」であり、彼らは人が通る道に来てまでエサ探さなければならず必死なのかもしれないけれど、少し雪が融けて日が差した中、元気に活動する姿を見ると、何となく春の気配を感じてほほえましく思える。
明日は立春。

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キツツキが来た

2011-01-23 19:55:13 | 動物・植物
我が家の窓から見える、ご近所の庭。
柿の木の幹でちょこまか動くものがいた。
キツツキ!
※この記事の写真は、あまり明るくない時に汚れたガラス越しに暗いレンズで撮影したため、写りがよくありません。
※「キツツキ」は総称であり、「キツツキ」という名のキツツキはいません。日本には10種が分布。

一昨年秋に千秋公園で見たキツツキは「コゲラ」という種だったが、これはそれよりも大きくてカラフル。
アオゲラ」という種のキツツキのようだ。
日本固有種で、体長29センチ(コゲラやスズメの倍くらい)ほど。
山林にもいるが街中にもわりといる鳥だそうで、前にも秋田市中心部で見たことがあるが、我が家で見たのは初めて。
2階の窓のカーテンのすき間から覗くと、すぐ目の前の木に止まっている。
こっちを見てるような目線?
逃げる気配はなく、柿の幹を気にしている。
たまにくちばしで叩いてトントンと音を出す。あまり大きな音ではない。
トントントントン
千秋公園のコゲラがやっていたような、縄張り主張や求愛のドラミングではなく、エサの虫を探しているような気配。
「この辺に絶対に」

「虫がいるんだよなー」
アオゲラは雑食性で、地面に下りてアリや果実を食べることもあるそうだが、この雪では、こうやって探すしかないのだろう。

背中が緑色(緑灰色)なのでアオゲラという名なのだろうが、
頭には赤い線

ほっぺも赤くてくちばしの一部は黄色い
メスよりオスの方が赤い部分が多いそうで、おそらくこの個体はオス。

人が通ったタイミングで飛んでいってしまったが、数時間後にまたやって来た。
今度は別の木に逆さまに止まった
やっぱりエサ探し?
日が当たって、いっそうきれいに見えた
コメント (2)
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猿田川の鳥

2010-12-01 22:47:19 | 動物・植物
今まで何度も紹介してきたが、秋田市内では、アオサギなどのサギの姿を見かけることは珍しくない。
猿田川という小さな川
猿田川は雄物川水系の河川。雄物川>旭川>太平川>猿田川という位置づけなのかな?
あまりきれいな川というイメージがなかったが、それほどでもなさそう。そして、白いサギが降りていた(写真左)。
ダイサギだと思われる(亜種チュウダイサギか?)
初夏に田んぼで見たのと同じ種だが、アオサギに比べて警戒心が強く、旭川には来ないし、田んぼでもすぐに飛んでいってしまう。

でも、この個体は、僕が立ち止まっても、カメラを構えても、やや気にしてはいたが逃げなかった。
これほど近くでダイサギを見たのは初めて。

初夏に見たのは、くちばしや脚が黒く、きれいな飾り羽があったが、それらは繁殖期の姿。
現在は、黄色いくちばしと脚で、飾り羽はないけれど、真っ白できれい。

目を凝らすと、川のあちこちにダイサギやアオサギがたたずんでいた。
左下にアオサギがいる
流れが穏やかで、人や車があまり通らない猿田川も、いい餌場なのかもしれない。

この近くの仁井田地区は、大根の産地。
この時期は、漬物用に収穫した大根を干す光景が見られるのだが、猿田川流域の農家のお宅でも、大根を干していた。


再び猿田川に目を向けると、何かが流れているように見えた。
白と黒
まるで白いビニール袋を黒っぽいヌートリアか何かの動物が押しながら泳いでいるように見えてびっくりしたが、

アヒルさんでした!
白い方は典型的なアヒルだが、もう1羽が珍しい。
ほぼ真っ黒
アヒルはマガモを家畜化したもの。アヒルは白いものだけでなく、品種によってはマガモに近い、茶色っぽい羽のアヒルもいるのは知っていた。
この黒い鳥も、白いアヒルと同じ大きさだし、仲良く泳いでいたので、アヒルの一品種だと思われる。
夫婦かな?
何という品種なんだろう? 初めて見た。

近くをつかず離れず、カルガモが1羽泳いでいた。カモさんたちって、種が違ってもわりと仲良く一緒にいるのが多い。
カルガモはアヒルより少し小さい

身近な小さな川にも、いろんな生き物がいるものだ。

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市役所の彼岸花

2010-09-30 23:25:21 | 動物・植物
先日、NHK秋田放送局のローカルニュースで、ある場所にある花が咲いているという映像が流れていたので、その場所に行ってみた。
秋田市役所前
秋田市役所の前庭の芝生には、花時計がある。冬期間は積雪対策で針が撤去されるものの、四季を通じて花が植えられている。
現在は鐘や秋田蘭画のオブジェなども前庭にあるが、花時計は噴水と並んで古くからあるものらしく、秋田市役所のシンボル的存在と言えそうだ。
秋田市の広報番組(秋田市広報課が取材・編集し、民放各局が放送する)のうち、秋田テレビでの放送分が、かつては「花時計からのたより」という番組名だった。

今はマリーゴールドが植えられているが、“文字盤”部分には
青いパンジーが
春に植えられていたパンジーのこぼれ種が咲いたのだろう。


さて、花時計の外側、右に注目。
赤い花が咲いている

花時計の裏側にも

この植物は…
花時計の周囲の、低い柵で囲まれた立ち入れない部分に、なんとヒガンバナが咲いている!

ヒガンバナは、どちらかといえば湿り気のある場所を好むので、芝生に咲いているのも珍しいと思うが、秋田ではヒガンバナの花自体、とても珍しい。
小学校で習う、「ごんぎつね」や童謡「まっかな秋」にも登場し、さも知っているかのような気がしているヒガンバナだが、僕は生まれてこの方5回くらいしか実際の植物を見たことはない。

なぜなら、ヒガンバナは、秋田県辺りが生育できる北限だとも言われており、秋田ではなかなか見る機会がない。
青森では、弘前市のお寺の住職が、10年以上試行錯誤してやっと咲かせたというニュースがあったし、秋田市内でも民家のお庭にごくたまに数本咲いている程度(昨年見たもの)。田んぼの畦や川原などに一面に咲いているようなシーンは見たことがない。
まさか市役所前に堂々と、ある程度まとまって咲いていたとは。
花と葉が同時に出ないのが特徴
僕が思っているヒガンバナより若干小ぶり(背がやや低く、花がやや小さい)な印象がするし、一般的には緑色の茎(花茎)がこれは赤い。
そういう品種なのかもしれないし、環境で変異してしまったのかもしれない。

日本のヒガンバナは、遺伝的に種ができず、球根で殖えることしかできない。そのため、中国から持ち込まれたものが、人為的に広まったと考えられている。
当然、秋田市役所のヒガンバナも誰かが持ち込んだか、土と一緒に運び込まれたのだろう。

咲き終わった株あったが、まだつぼみも少しあった。
ヒガンバナとマリーゴールド
ヒガンバナが咲くには場違いな場所にも思えたが、やっぱりヒガンバナは独特な雰囲気を持つ花だと思った。

【2015年9月26日追記】その後、秋田市役所新庁舎建設に伴い、花時計が撤去されて駐車場となり、ヒガンバナはなくなってしまった。花時計は新庁舎にも設置されるとのことだが、ヒガンバナはもう見られないだろう。
また、旭川の新中島橋付近の堤防で、ヒガンバナが咲いていた。ほぼ野生に近い(=人家など人手が加わらない)状態のヒガンバナを秋田で初めて見た。
【2018年9月27日追記】その後、旭川のほか草生津川でも、ちょっとした群落を見かけた。一面というより点在という感じ。旭北の鱗勝院前の植え込みや、民家の庭でも以前より見かけるようになった気もする。単に今まで気が付かなかったのか、以前より増えているのかは不明。
コメント (7)
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旭川の生態系

2010-09-27 20:39:16 | 動物・植物
何度もお伝えしている、秋田市のアオサギ。(興味のある方は「アオサギ」でブログ内を検索してください)
秋田市街地に近い勝平山に営巣し、繁華街・川反(かわばた)の旭川や千秋公園など、人の多い街中の水辺にもさりげなく姿を現す大きな鳥。

このように(昨年7月)、秋田市中心部の旭川の岸や浅瀬にたたずむのを、特に雨上がりの増水時によく見かける。
この日もそうだった
増水しているから流れは比較的速く、水も澄んではいない。魚だってすばしっこい。
だから、いくらのぞき込んでも、魚など獲れっこないんじゃないかと今まで思っていたのだが…
(初夏に田んぼで獲物を獲るシーンは見たけれど)

このアオサギも暇を持て余していたのか、
空を見上げたり

脚で顔を掻いたりしていた。
すごい顔!
アオサギはこちらには気付いているが、僕が「だるまさんが転んだ」のように、じわじわと近づいたので安心してくれたようで、自然な姿を見せてくれた。
そして、首を曲げいっそう姿勢を低くし、
真剣な表情で一点を見つめ
その直後、
首を水中へ!
わずか一瞬の後、
魚を獲った!!
わずか数秒の出来事だったが、決定的瞬間を撮影できた。

それにしても、こんなに素早く魚を獲るとは、お見それしました!
上の写真で分かる通り、魚はくわえたのでなく、下くちばしに突き刺して獲っている。
カワセミなど、川で魚を獲る鳥はどれも同じようだが、状況によってくわえることもあれば、くちばしで突き刺すこともあるようだ。
なるほど。そう考えれば、刺すのにも適した、鋭くとがったくちばしだ。

この後、くちばしから外して飲み込むのには難儀したようで、10秒ほどは悪戦苦闘していた。
ただし、後ろ向きだったので写真はありません。
ごくり(のどがふくらんでいる)&カメラ目線

そして次の獲物を狙うべく、川面(正確には水中の魚か)を見ていた。
若干カメラ目線かな
この個体は、頭の後ろの黒い「冠羽」が短い。
単なる個体差かと思ったら、メスは冠羽や体の飾り羽が短いそうなので、たぶんメスなのだろう。

市街地の旭川でも、生き物の生と死が繰り広げられ、生態系が成り立っているのだ。
こういう環境、身近な自然を、いつまでも残さなければいけないと思った。

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カルガモデッキ

2010-08-28 23:57:00 | 動物・植物
以前からお伝えしている、千秋公園外堀「穴門の堀」の中途半端な「展望デッキ」。(この記事などをご参考に)
相変わらず、いつも誰もいない。
僕が入っていくと、手すりに数羽いたハトは逃げていったが、
柵の向こうにはカルガモ
以前のように逃げては行かず、そのまま堂々としている。
悠然としている

「羽を伸ばす」ってこういうこと?
浮きとデッキをつなぐロープの上では、
毛繕い中
水中をよく見ると、
ロープの上に“立って”いる
今回のカルガモたちは、近くでレンズをで向けても、ほとんど警戒していなかったので、もしかしたら今年生まれの若いカルガモたちだったのかもしれないが、このデッキは今まで以上にカルガモに“占領”されている。
その証拠に
デッキはフンだらけ

この暑い時に日除けがなく、人が滞在するには現実的でないこともあるが、これじゃあ「カルガモのために造ったデッキ」だ。
やっぱり何とかした方がいいんじゃないかねぇ…

【29日追記】
思い出したのだが、旭川・二丁目橋たもとの「那波家の水汲み場」にデッキを設置するという話があったが、あれはどうなったんだろう?
国土交通省(各地方整備局の河川事務所)が全国各地で行っている、住民と行政が一体となって、身近な川を活かした街づくりをする「かわまちづくり」という事業の1つで、秋田では旭川にデッキを設置することになったらしく、今年早春に試験設置を行ったことまでは記憶にある。(デッキというか京都・貴船の「川床」を粗末にしたような感じだったような)
その後、増水に対応した簡単に撤去・設置できるタイプとし、2010年(今年)の竿燈まつりの期間に設置したい、とか誰かが言っていたはずなのだが、今年のまつり中は何もやってなかったはず。
ケヤキの木陰と川のせせらぎがあり、穴門の堀よりは快適なデッキになりそうだけど、頓挫しちゃったのかしら…
コメント (4)
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観賞用稲

2010-08-23 23:08:36 | 動物・植物
今日は二十四節気の「処暑」だが、朝夕など多少は秋らしくなってきたとはいえ、秋田市はまだ暑い。
秋田市立の小中学校は間もなく夏休みが終わり、25日から授業が再開される(今は前期・後期の二期制なので、「2学期が始まる」とは言わない)。
僕の子どもの頃の経験では、夏休みが明けても、例年それなりに暑い日が続いていたから、今年もまだ暑さは続くだろう。


昨年は、田んぼにイネの花を見に行ったが、今年は(暑すぎて)行かなかったので、遅ればせながら行ってみた。
6月と同じ、外旭川(そとあさひかわ)地区。
まだ黄金色ではないが、既に“頭を垂れて”いる

そして、6月に気がついていた、いろんな色のイネが混植されていた水田。
こうなっていた
この田んぼ1枚だけ、鳥よけネットがかかっていたが、イネが生長し穂が出て、カラフルな光景になっていた。
イネで絵を描く「田んぼアート」などではなく、単に列ごとに異なる品種を植えていただけのようだ。6月は3種類しかないように見えたが、生長して穂が出ている今見ると、10品種以上はあった。

国や県の試験場や大学の農学部などでは、品種の保存や見本目的でこうして栽培していることはあると思う。でも、ここはそうした試験研究機関のものではないだろう。
一体、誰が何の目的で栽培しているんだ?

しかもその品種がかなり珍しいものばかり。
まずは背の高さと葉っぱの色
左端の黄色い葉っぱのはかなり背が低く、右の方は背が高め。
赤い葉(これは各地の田んぼアートで重宝されている)

とても背が高く、ネットを越えている
というか、日本の今のイネは世界的見れば、かなり背が低い。倒伏を防ぐため、低く品種改良されたのだ。

さらにいろんな色や形の籾のイネがあって楽しい。
真っ黒(右隣りは茶色い)

密集して麦みたい

柔らかくて白っぽい
色が薄いというより、籾の先にある針みたいな「芒(ぼう、のぎ)」という部分が長くて目立つため、白く見えるようだ。
赤くて芒が長い

芒だけが赤く、しかも鮮やかな赤
エビの触覚みたいだが、きれいだ。

参考までに
近くの田んぼの普通のイネ
あきたこまちか何かの品種だと思うが、芒はほとんどないか、あっても短い。上の品種がいかに芒が長いか分かる。

ところで、なぜ「芒」があるのかというと、動物や人の衣服に引っかかって種をよそへ運んでもらうため(いわゆる「ひっつき虫」)だとか、地面に突き刺さって固定し発芽を有利にするためとからしい。
ところが、(ここから先は大学の先生のお話)そのイネの種を米という農作物として利用する人間としては、収穫後の作業時、芒の部分が機械の中に引っかかってしまい面倒なのだそうだ。
そこで、芒を短くするもしくはなくす方向で品種改良が進められたという。
それを踏まえると、カラフルなイネの方が、イネ本来の原始的な形態といえる。


どれも食べたらおいしくなさそうだが、見る分にはきれいだ。フラワーアレンジメントなんかによさそう。

と思ったら、昨年、秋田県大仙市大曲にある、国の旧農業試験場(現在の名称は「独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター 大仙研究拠点」長い!)が、東北で栽培しやすい観賞用のイネを品種改良によって育成していたのを思い出した。
調べてみると、それは「祝い茜」「祝い紫」という2品種。いずれも切り花やドライフラワーとして、おめでたい飾りへの利用などを想定しているようだが、あの、青森県田舎館村の今年の「田んぼアート」にも使われているようだ。

上で紹介した芒がきれいな赤の品種がその「祝い茜」に酷似している。そして黒い籾のイネが「祝い紫」かもしれない。
ということは、これは(出荷するにしては量が少なそうだから)、フラワーアレンジメントをする人が自分で栽培でもしてるんだろうか。
いずれにせよ、観賞用のイネだと思う。


田んぼに水はほとんどなかった(今は水を入れたり抜いたり繰り返す時期かな?)。
水路はゆっくり静かに流れていた
が、その片隅でじっとしていたのは
ザリガニ
もっと水が少ない場所には、タニシらしき巻き貝もいた。
恥ずかしながら、どちらも(水槽の中でなく)野生の状態を初めて見ました。
 ※水田や畦は各農家の私有地であり、大事な財産です。公道上から見るようにし、無断で立ち入らないようにお願いします。

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ネジバナ

2010-07-19 12:27:08 | 動物・植物
前回のハスの花もそうだけど、今の時期、ピンク色の花がほかにも咲いてる。

まずはこちら。
ネムノキ
先月下旬、関東地方で咲いていて早いと思ったが、秋田でも7月に入ると咲き始めたようだ。
上の写真は、先月、芽吹きが遅い木として紹介した、秋田大橋たもとの小公園のネムノキ。
時期的には秋田市内のよそのネムノキよりも遅めのようだが、芽吹きからわずか1か月ほどで花を咲かせた。優しく涼しげな雰囲気と甘い香りを漂わせている。

ネムノキってしぼんだ花が茶色く汚れて、あまりきれいじゃない。それに夕方に開花するので、咲き始めの時期の夕刻が見頃だろうか。


さて、その公園の路面には、木材のブロックが埋め込まれている。
すき間からいろんな雑草が生えるのだが、春はきれいなスミレが咲いていた。今は、
このピンクの花
地際に葉っぱが数枚あり、高さ20センチくらいの花茎が伸びている。花茎にはピンク色の花がぐるりとらせん状に咲く。
ネジバナ」という植物
モジズリ、ねじれ花、ねじり花などと呼ぶこともあるとのこと。
日当たりのいい芝生などでよく見かける植物。スミレもそうだけど、草刈りされても、けなげに根や種を残して、毎年咲く。むしろ、他の植物が生い茂るよりも、適度に人手が入った明るい場所の方が生育に適する環境なのだろう。

3本のネジバナが写った上の写真で、右側のピントが合っている株は、花色が淡いピンク色。一方、中央の株は色が濃い。
さらに、左の株は、他の2株とらせんの方向が逆(上から見て反時計回り)になっているようだ。

このように、ネジバナは個体差が大きい。花色、花茎の高さ、らせんの状態が異なるものも少なくない。
たまに真っ白い花もあるが、この場所にはなく、むしろ濃いピンクのものが多い印象。

ネジバナをじっくり観察するとおもしろい。
まっすぐでなく曲がっている

まん中の花、ねじれていない!
ほぼ一直線に花が付いていて、突然反対側に方向転換している。ネジバナというより「“ブラシ”花」みたい。

10年前、僕が初めて買ったコンパクトデジカメで、ネジバナを撮影したことがあった。小さくて細い花にピントを合わせるのにものすごく苦労した思い出があるが、今のカメラは簡単にピントが合ってしまう。
真上から撮影。よく分かりませんな

実はネジバナは、ラン科の植物。
葉っぱはランっぽい感じもするが、
花をアップ
よく見ると、耳みたいな花びらがあって左右対称の、ランらしい形の花だ。

ランといえば、いわゆる洋ランをイメージしてしまうかもしれないが、こんなかわいらしくて身近なランもあります。
なお、ネジバナは他のラン類同様、特殊な菌と共生しているため、鉢で育てようとするとうまく育たないことが多いのだそうだ。

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花菖蒲と黄菖蒲

2010-06-21 20:43:16 | 動物・植物
先日お伝えしたばかりだが、広面近隣公園のハナショウブをまた見に行った。
おっ だいぶ咲いてる!
前回から1週間経っていないが、もう見頃と言っていい状態になっていた。
 
今の段階では、紫・白・水色系の花が中心。

一部、「絞り」柄の花も咲いていた。つぼみがまだまだあるので、他の色の花も咲くかもしれない。
薄い水色系の花。これが特に気に入った
今まであまりハナショウブを見たことがなかったが、びっしり咲いていてきれいだ。
やっぱりここのハナショウブ、
見応えあり!
秋田市公園課には、ぜひとも引き続き、維持管理をお願いしたい。(千秋公園のデッキなんかより、ずっといいよ!)


さて、前回写真がなかった、池に生えている
キショウブ
他のアヤメ類よりも少し早く咲くようで、既に終わりかけ。
キショウブは日本に自生する種ではなく、輸入されたものが野生化した「帰化植物」。
ところで、
秋田駅東口、中央道路トンネル出口そばのバス停
バス停の足元に植物が生えている。
なんとキショウブ。しかも側溝のフタから生えている!
ここでも終わりかけだったが、路面の点字ブロックと同じくらい鮮やかな黄色の花を咲かせていた。
水で流されてきた種が、たまたまここで芽を出して花を咲かせたのだろうか。生命力の強さを感じさせ、「ど根性キショウブ」と呼びたいところだが、これがやっかいな「要注意外来生物」に指定されてしまったゆえんだろう。
【2016年6月21日追記】「要注意外来生物」は2015年に発展的に解消され「生態系被害防止外来種」となりました。以下は古い情報です。この記事末尾の追記参照。
 ※「要注意外来生物」は、「特定外来生物」のような規制はないが、取扱いに注意が必要とされる生物。

要注意外来生物としてのキショウブは環境省のサイト(http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.html#12)によれば、
 「1987年頃に観賞用として導入された。現在では全国にみられる。
   →思ったより最近に広がったようだ
【2016年6月28日訂正】他の資料には「明治中頃に渡来」とあるものが多い。元の資料は削除されてしまったので確認できないが、1987年ではなく、1887年もしくは1897年の間違い(僕の見間違い??)か。
 「繁殖力が強く、海外では水路等の雑草になっており、日本でも水辺の在来種と競合・駆逐のおそれがある。
  近縁種に絶滅危惧種が含まれ、それらの遺伝的攪乱のおそれがある。
  美しい花が親しまれ、観賞用に栽培されることが多いため、分布を拡大するおそれが大きい。

   →植物自体の繁殖力のほか、花の美しさゆえ人為的にも広められ、それが在来種をおびやかしているわけだ。釣りを楽しむため広められたブラックバスのようなものか。

また、キショウブについての注意事項は、
 「栽培にあたっては、管理されている場所や施設以外に、逸出を起こさない適切な方法で行うことが重要である。
  関係業者や利用者は、責任を持って栽培し、栽培できなくなった場合は野外へ遺棄することなく、適切な処分を行うことが必要である。
  既に野生化している湖沼等があり、在来種との競合・駆逐等のおそれがある場所については、積極的な防除または分布拡大の抑制策の検討が望まれる。
  ビオトープ創出等を目的とした水草の利用には、在来種を利用することが望まれる。
」となっている。


キショウブはもともと丈夫な植物で、日本の環境にも適していたからこうなってしまったわけで、キショウブに罪はない。
帰化植物を作り、広めてしまったのは人間のしわざ。

一方、ハナショウブにしても、元は日本各地に自生する「ノハナショウブ(野花菖蒲)」を品種改良したもの。
これは人間が好き勝手に“改造”してもてはやしているともいえる。

キショウブにしてもハナショウブにしても、与えられた環境で生きているだけ。
それに対して人間は身勝手なものですな…

先日紹介した、秋田中央道路トンネル入口の遮断機・表示板が稼働していた。(工事中の看板はまだあった)表示板は平常時は何も表示されないようだ(隅で小さく「■」が定期的に点滅していた)。
コメント (2)
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芽吹きが遅い木

2010-06-11 20:08:02 | 動物・植物
千秋公園ではハナショウブ(?)が咲き始めた。
6日撮影
木々の緑も濃くなり、新緑から深緑へ変わった。


ところが…
雄物川にかかる秋田大橋たもとの植栽(5日撮影)
松の間に挟まれた木にご注目。
まだ葉っぱが出たばかり
今年は春が遅かったせいもあるが、北国秋田とはいえ海沿いの平地の秋田市において、6月に入ってもまだ葉が開ききっていない木がある。

この木なんの木?

その後、晴天と高温が続いたせいか、昨日(10日)にはだいぶ葉が出ていた。
まだ“若葉”といった感じ
葉っぱを見てお分かりの方もいらっしゃると思うが、この木は「ネムノキ」。

このように、ネムノキはかなり芽吹きが遅い。ほかにもムクゲ、サルスベリなど比較的遅く芽を出す木はいくつかあるが、今年の状況を見ると、ネムノキがとりわけ遅い。
「ネムノキ」の和名の由来は、暗くなると葉を閉じてたたむ姿を「眠っている」ことに例えたものだが、「冬眠からなかなか目覚めずお寝坊」という意味でも「ネムノキ」と言えるかもしれない。

※芽吹きが遅い他の木についてはこちら(リンク先後半)



大きなお世話だけど、早く葉っぱを出して光合成を始めた方が有利なのに、なんでネムノキはモタモタしてるんだろう。

ネムノキの仲間は150種ほどある(オジギソウもかな)そうだが、熱帯・亜熱帯地域に分布するものが多い。
「♪この木なんの木、気になる木」でおなじみの「日立の樹」(1975~1979年、1984年以降放送分)も、ハワイ・オアフ島にある「アメリカネム(モンキーポッド)」という類縁の種。大きさはかなわないが、葉っぱや花は日本のネムノキに似ている。

そんな中、ネムノキは耐寒性が強く、東南アジアから温帯である日本の東北地方北部まで分布するそうだ。
秋田は北限に近いわけだが、ネムノキにとっては秋田の春なんかまだ冬だと感じてまだ葉っぱを出さず、我々が初夏だと感じる頃になってやっと春が来たと感じて芽吹くのかもしれない。
あるいは、川原や荒れ地など、日当たりのいい所に自生する種だから、無理して早々と葉を開かなくても短期間で充分生長できるということもあるかもしれない。
昨年の竿燈まつりの頃撮影
芽吹きから2か月もしないうちに、葉っぱは大きく、濃くなり、美しい花も咲く。

僕はネムノキが好き。
柔らかな葉っぱ、淡いながらも存在感のある花、優しい雰囲気がする木だから。

秋田大橋たもとのネムノキは、2001年の架け替え後の周辺整備で、新屋・茨島両岸の小公園にそれぞれ数本のネムノキが植えられた。
秋田県内各地の山野などに自生する(花が咲かないと気付かないが)し、松尾芭蕉が「おくのほそ道」で訪れた最北の地である秋田県象潟(きさかた。現にかほ市象潟地区)で詠んだ「象潟や雨に西施がねぶの花」が有名で、それにちなんでにかほ市の花や道の駅の愛称(ねむの丘)になっている。また秋田市立秋田南中学校の校歌(江口榛一 作詞)の歌詞にも登場し、秋田の人にとってなじみのない木ではないと思う。
広い木陰を作り、葉っぱの掃除が楽なように思えるから、街路樹にしてもいいと思うんだけど、「ネムノキ並木」は見たことがない。(象潟にはあるようですが、秋田市周辺でどこかご存じでしたら教えてください)もっと身近でネムノキを見てみたい。


以下は余談です。
ネムノキやオジギソウは、現在は「ネムノキ科」に分類するのが一般的だが、かつては「マメ科」に属していた。ということで、マメ類と共通する点がある。
例えば、インゲンマメ(写真はつるなし品種の「サクサク王子」)。
  
同じ株を日陰・日向(真昼)・夜に相当する環境で撮影したもの
太陽の高さに対応するかのように、葉っぱが上下しているのが分かる。暗い場所では、葉っぱが下を向いていて、ネムノキ同様「閉じている」とも言えそう。
【12日補足】暗所/明所を移動しただけで単純に葉が開閉するわけでもない。明るさのほかに体内時計(概日リズム)のような周期性も葉の動きに関わっているようだ。

違う角度から撮影(夜)
赤い矢印で示した、葉の付け根の膨らんだ「葉枕(ようちん)」という部分が変化することで、葉っぱが動く。ネムノキ類も同じ仕組みで葉が開閉し、「就眠運動」と呼ばれている。

動かないと思っている植物が動くと、より愛着を感じてしまうものだが、インゲンの場合、就眠運動をするのは若い頃だけ。
そしてマメ類でもエダマメ(ダイズ)は就眠運動するが、エンドウはまったくしない。進化の過程で一部の種だけが身につけた能力なのだろうが、不思議。
コメント (2)
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カルガモとサギ

2010-06-08 22:21:52 | 動物・植物
今日の秋田市は最高気温が27度を超え、暑かった。ということで涼しげ(?)な旭川の鳥の話題。

その前に、まずは旭川に架かる歩行者用の「大町公園橋」(旧さいわい橋)の路面の続報。かなり長期間、一部のタイルがはがれて立ち入れない部分があったのだが、
やっとタイルが敷かれていた
余り(?)がまだ積み上げられていたが、敷いたばかりなので、安定するまでは立ち入れないのだろう。
タイルの発注に時間がかかったということだろうか
【15日追記】余りのタイルと囲いが撤去され、以前と同じように通行できるようになっていた。

本題です。
●カルガモ
旭川をカルガモの親子がさかのぼっていた。
子ガモが11羽もいる
移動しながら、親も子も所々で護岸のコンクリートに一生懸命くちばしをつけている。
岸に付着した藻か何かを食べているらしい
こういう風に、「カルガモ親子」といえば、「1羽の親ガモ+たくさんの子ガモ」というのがよく見る光景ではないだろうか。親ガモは母親だろう。
ところが、この時は
近くにもう1羽の大人のカルガモがいた
左端の鳥。こっちを見ている気がする。
この鳥はたまたま居合わせたのではないようで、母子がゆっくりと移動するのに合わせて…
やや離れて一緒に移動している
たぶん父親じゃないだろうか。

調べてみると、カルガモはメスが子育てをするのが一般的だが、このようにオスが母子のそばにいたり、近づいた敵を威嚇することがあるのだそうだ。上の写真でも、怪しいヤツが岸にいたから、少し警戒していたのかもしれない。
てっきり父親は育児には関わらないのだと思っていたが、「男女共同参画」なんですな。

岸の怪しいヤツもどうやら危害を加えなさそうだと思ってくれたのか、父親も餌を食べたりしてのんびりしていた。
ショッピングセンターの休憩所で、妻子の買い物が終わるのを待っている手持ち無沙汰なお父さんのようにも見えたけど。

●アオサギ
歓楽街「川反(かわばた)」の対岸、土手長町通り
旭川の流れに段差があり、小さな滝のようになっているが、そこに
おなじみアオサギ
この場所では初めて見たが、滝の下では滝を上れない魚がたまるだろうから、餌を取りやすいのかもしれない。
滝にそって移動。なぜか口を開けた
立ち止まって
じっと見つめる
また移動して
水しぶきと水に浸かった脚が涼しそう

【先日の記事の「ダイサギ」について】
先日、田んぼにいたサギのうち「ダイサギ」についての補足です。
日本にいるダイサギは、「越冬しに来るもの」と、「夏に繁殖しに来るもの」とがあるそうだ。それぞれ「オオダイサギ(大大鷺)」と「チュウダイサギ(中大鷺)」という亜種として区別されている。(亜種とせず、独立した別種とする考え方もあるようだ)
秋田の田んぼにいて、勝平山で繁殖するのはチュウダイサギということになる。大きいんだか中ぐらいなんだかよく分からない名前だが、オオダイサギよりは少し小さいそうだ。
先日の写真の通り、今は脚もくちばしも黒いが、冬はくちばしは黄色になるとのこと。
※チュウサギ(中鷺)、コサギ(小鷺)という、いずれも白い色で別種のサギもいる(白いサギを「白鷺」というが、総称的な俗称であり、特定の種名ではない)。「白いサギの中で大きくて、少し小さい」のがチュウダイサギということかな。

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田んぼの鷺

2010-06-05 20:27:23 | 動物・植物
秋田駅から北西へ約4キロの秋田市外旭川(そとあさひかわ)地区。
宅地化が進み幹線道路が通るようになった現在でも、北方向に一面の田んぼが広がり、秋田市街からいちばん近い田園地帯と言えるかもしれない。

寒くて遅れ気味だった田植えが終わり、最近は暖かな日が続いて、イネの生育は順調なのではないだろうか。
田んぼにじっとたたずむのは…
勝平山からやって来たであろう、アオサギ。

今年は当ブログでほとんど取り上げていないが、勝平山の集団営巣地をたまに見に行った様子では、子育ては順調に進んでいるようだ。(以前、ゴイサギが巣作りしていないのではと心配したが、その後、営巣を始めた)

秋田市内では、サギ類が川や田んぼにじっとたたずんで、餌を探しているのをよく見かける。
以前紹介したように、市街地の川反(かわばた)近くの旭川にさえ来るし、自分の巣の下に国道ができても気にしないことからも分かるように、サギはあまり人を恐れない鳥。
外旭川の田んぼでも、農作業の人以外は近寄らないまん中の田んぼでなく、道路沿いの田んぼに降りる個体が少なくない。ただ、車はまったく気にしないものの、歩行者と自転車は気になるようで、立ち止まったりせずただ通っただけなのに、飛び去ってしまう。
でも個体差なのか、信頼してくれたのか、このサギは僕が立ち止まってカメラを構えても、一向に逃げなかった。カメラ目線だから、気付いていないわけではないはず。
その後、
向きを変えて歩き出した
忍び足というか“欽ちゃん走り”をゆっくりしているみたいな歩き方で、ちょっとおもしろい。大きな脚でイネが踏み倒されそうな気もするが、農家の人たちがあまり邪険にしないところを見ると、大丈夫なんだろうか。
獲物を見つけたらしく、
歩みを止め、腰を落とす
一瞬の後
何かをくわえた
画像を拡大しても判別できないが、魚ではなさそう。カエルとかイモリだろうか?
食べにくいようで、落としそうになった
最終的には
ごくり。のどがふくらんでいる
車も人も恐れなかったが、カラスが飛んでくると
あわてて飛び立つ
今まで気付かなかったが先の方にもう1羽のアオサギがいて
合流
低い位置を並んで飛んでいったので、遠くの田んぼに降りたのだろう。

別の田んぼには、
ほっそりした真っ白い体が美しい、ダイサギ
秋田ではアオサギよりは少ないようだが、珍しくはない。アオサギよりは警戒心が強い。
風が吹くと飾り羽根がなびくのも美しい
【8日補足】ダイサギの種名については、こちらの記事の下の方もご覧ください。
※その後の秋田市内でのダイサギの姿はこちらこちら

トキやコウノトリじゃないけれど、サギだって美しい鳥。
臨海大橋から勝平山の巣にいるサギを見るのもいいが、田んぼでは視界を遮るものがなく意外に近くで見られる。“大型の鳥好き”としてはうれしい。
右が秋田火力発電所、左は男鹿半島の山並み
普段生活する場の身近に自然があり、食糧を生産する場があるのは素晴らしいことだと思う。
とある田んぼ
奥にまとまって植えてあるイネは、田植え後に枯れてしまった株を補うための予備のものだと思われる。
それよりもこの田んぼ、3種類の色の違うイネ(緑、黄色、紫)が植えられている。もしかして、青森県田舎館村の「田んぼアート」などのように、田んぼにイネを使って絵を描こうとでもしているのだろうか?

最後に、田んぼの中を走る道の道ばたにある、側溝の網状のフタ。(正式には「グレーチング」と呼ぶそうだ)
矢印の部分
そのまん中になぜか、
コアラ(の絵)
どこかよそ(秋田市外か?)でも、似たような製品を見た記憶があるが、コアラではない絵柄だったはず。ここはすべてコアラで、他の図柄はないようだ。
なぜコアラ?
コメント (4)
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秋田市内の藤

2010-05-26 21:25:40 | 動物・植物
昨年、ツツジと一緒に紹介した千秋公園のフジ(藤)の花。一昨年まではじっくり見る機会が少なかったが、改めて見て、甘い香りと優しい色あいと姿の美しい花だと思った。
今年の秋田市内3か所のフジを紹介します。
●千秋公園の2種類のフジ
千秋公園の故月池【訂正】胡月池
白いツツジも咲き始め、たくさんの人が見に来ていた。
池の藤棚も華やか
今までここには藤棚が1つ=1種類のフジの木しかないと思っていたが、実際には隣り合わせに2つの藤棚があった。

そしてその2本は、花の色あい・咲き方と咲く時期が異なる。

写真左奥は花盛りで、こんもりと咲いている。右手前は房の下半分以上がまだつぼみで咲き始め。昨年の記事で紹介したのは、後者のようだ。
そして色。満開の木は赤みの強い紫色でピンクっぽくも見える。一方、咲き始めの木は青みが強い。「藤色」という伝統色があるが、「淡く青みのある紫」のようなので、咲き始めの木の方が近いようだ。
また、葉っぱの出方も異なる。咲き始めの木はかなり葉が出て開いているのに対し、満開の木は少ししか葉が出ておらず、それが花を引き立たせている。桜のソメイヨシノのように、花が先に、美しく咲くように改良された品種なのかもしれない。
花1つ1つはマメ科らしい形

まだ楽しめそう
なお、二の丸広場のトイレ前にも藤棚があり、こちらもきれいに咲いていたが、葉っぱが同時に出る青っぽい花のようだ。
また、昨年の記事で紹介した、西側の林に自生するフジは、今年は咲いていないようだ。金照寺山や天徳寺の山などでは既に咲いているが、どうしたんだろう?
その後西側で咲いた様子

●標本木のフジ
先月紹介したように、気象台には桜の開花状況を観測するための「標本木」がある。
マスコミは桜ばっかり報道する傾向があるが、気象庁ではそれ以外にも多くの動植物を対象に咲いた日や初めて見た日を観測しており、「生物季節観測」という。桜など全国共通で観測する「規定種目」と地域性などに応じて各観測地点が選んで観測する「選択種目」があるそうで、規定種目の中に「のだふじ」というのがある。

ところで、日本には「ヤマフジ」と「ノダフジ」という2種類のフジが自生するそうだ。
ヤマフジは蔓が左巻き(上から見て反時計回り)で、葉や花が小さめ。西日本に自生するので、秋田にはあまりなさそう。
日本で一般的に「フジ」と呼ばれるのがもう1つの「ノダフジ」。(大阪のフジの名所“野田”にちなんで牧野富太郎が命名した)蔓が右巻きで、葉や花が大きく、本州以南に自生する。

秋田地方気象台が観測した生物季節観測の結果は、公式サイトで公表されている。http://www.jma-net.go.jp/akita/kyokuti/seibutsu-kisetsu.html
それによれば、今年は5月22日にノダフジの開花が観測されている。そういえば、秋田地方気象台構内のソメイヨシノの標本木のそばに藤棚があった。あれがノダフジの標本木だろうか。だとすればそれが開花しているはず。ということで山王の第二合同庁舎へ。
これ(左手前は紅葉・落葉観測用のイロハカエデ?)
微妙な鎖が張られており、それが単なる車止めなのか、立入禁止を示すのかよく分からないので、鎖の外側ギリギリから撮影。
こんもりと葉っぱは茂っているが、花が1房しか見えない(写真の赤丸)。
角度を変えて裏側へ回ると、茂みのすき間からアメダス機器などを挟んだ遠くに、たくさんの花が見えた。さすがにここは立入できないので、最望遠で。
青紫系だが、薄い花と濃い花がある
やはり葉と花が一緒に出るのが、本来のフジの生態のようだ。

●保存樹のフジ
昨年、旭南地区にある竿燈まつりの川口町内の事務所になる神社(お稲荷さん?)に、秋田市の保存樹(1974年に指定されていた)に指定された大きな藤棚のフジがあり、花が咲いたら見たいと思っていた。
葉っぱが旺盛だが、花もたくさん咲いていた
クマバチ(音は怖いけどおとなしい蜂です)がぶんぶん飛び回る藤棚の下に入ると、
甘い香りが漂う
夏は涼しそう。
散った花びらも多いが、

まだ見頃
神社の前はカーブが多い川沿いの一方通行路で、周囲には民家とマンション・社宅などが多い。
前はバス路線(新屋線下り、茨島回り茨島牛島環状線)
僕は毎日のようにここを通っていた時期があり、神社の存在は知っていたが、フジにはまったく気付かないでいた。
知る人ぞ知るフジの名所じゃないだろうか。

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猫と鴨、ヒヨドリと椿

2010-04-23 22:35:47 | 動物・植物
生き物のお話を2つ。
●ネコとカルガモ
堤防をよじ上りせせらぎを飛び越えるといった、ワイルドなネコたちが生息する川岸。
この日も別の白黒ネコが護岸のくぼみにいた。僕が遠くから声を掛けると気付いたが、逃げずに川の方をじっと見つめていた。視線の先には…
カルガモのつがい
その後、ネコは護岸から川の小島に下りて、熱心にカルガモを見つめていた。
体の大きさは同じくらいだから、まさか本気で捕って食べようとは思ってないだろう。狩りをする肉食動物・ネコとしての本能がそうさせるのだろうか。目の前にねこじゃらしを出された時のように。

カルガモはそれほどネコを気にしておらず、むしろ人間が近づいて来たことを警戒したのか、ゆっくりと泳いで離れていった。
ネコもあきらめて

ごくごく
水を飲んでいたが、カルガモがまた通りかかると
「やっぱり気にニャる」
ずっと目で追って
「行っちゃった」
そして振り向いて
「お前、見てたニャ!」
今度はこちらに興味を示したようで、小島から護岸に戻ってじっと見つめていた。
「ニャんだ、こいつ?」
ずいぶんヒゲの長いネコだ。
その後、僕がいる河川敷に上り、微妙な距離を置きながら僕の前を通り、悠然とどこかへ行った。
「変ニャやつ」

●ヒヨドリとツバキ
ヒヨドリという鳥がいる。
やや大きめ(体長27.5センチ程度)でほっそりして尾の長い、グレーの鳥。街中でもわりとよく見かけるが、日本以外にはほとんど生息しない種だそうだ。
特徴は和名の由来だとされる「ピーヨピーヨ」という鳴き声。「キーキー」「ピーピー」とも聞こえ、近くで鳴かれるとけっこううるさい。

さて、我が家から見えるご近所の庭で、ツバキがきれいに咲いている。
その茂みの中で、何かバサバサ動く物が…
 ※以下の写真は、素早く動く鳥を薄暗い日にガラス越しに撮影したので、きれいに写っていません。
ヒヨドリだった
でも、くちばしからほおにかけて、黄色くなっていてお化粧したよう。なぜなら、
ツバキの花にくちばしを突っ込んで、密を吸って花粉が付いたから
うちの近所に巣があるのか、よく見かける個体だと思うが、いつもガラス越しでも人影を見ると逃げてしまう。でも、今回は少し離れていたせいか、密の味に夢中になっていたのか、逃げなかった。
1か所でじっくり味わえば良さそうなのに、花1つに付き数秒で、次々に花を渡り歩いていた。
こんなに首が曲がるのか

逆立ち
ハチドリのように、ホバリングしそうな飛び方もしていた。(ハチドリの先祖はヒヨドリから分かれたと考えられているそうだ)
アクロバティック!
ヒヨドリはそろそろ繁殖期に入るようだ。今年も昨年のように、夫婦揃ってピーピー鳴くのかな。

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