広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

最近の弘前の話題から

2016-06-19 20:28:22 | 津軽のいろいろ
最近の弘前関係の報道から。
●わとくかわっとくか
18日、弘前市野田にある「コープあおもり和徳店」(広義では和徳エリアに含まれるのだろう)に強盗が入った。人的被害はなし。じきに犯人も捕まることだろう。(その似顔絵の目が異様に大きく宇宙人のようだけど…)
営業中のスーパーに強盗が入るなんて珍しい。誤解を恐れずに言うが、青森県ってコンビニ強盗みたいなのが比較的よく発生してしまっている気がする。

さて、弘前の地名を取り上げた時、「和徳」の読みに触れた。
地図サイトなどでは「わとく」だが、多くの地元の人の発音や一部公的ホームページでは「わっとく」となっていて、読み方が二分されている。
秋田でも、秋田市「下北手/上北手」が「~きたて」か「~きたで」かで分かれるのと同様。

そこで、今回の報道における「(コープあおもり)和徳(店)」の読み。
第一報を知ったのが、NHK仙台放送局からの東北ブロック向けニュース。
読んだのは仙台局のベテラン・相馬宏男アナウンサー。(ホームページではアナウンサー扱いだが、正確には退職後に嘱託職、さらにシニアスタッフとなり、現在は“フリーの専属出演”みたいな位置づけ?)

「わっとく」と読んだ。
意外だったが、相馬さんは青森市出身で青森放送局の勤務経験もあるから、知っていてそう読んだのか。

そこで、NHKニュースサイトの青森放送局のニュース動画。
2015年入局の都倉悠太アナウンサー。首都圏の生まれ育ちで、入局前には青森との関係はないようだ。
こちらも「わっとく」と読んだ。
ということは、NHKでは原稿に「わっとく」と読みが振られていたのだろう。


次に、青森テレビ(ATV。TBS系列)。
動画では女性が「わとく」と読んでいた。

青森朝日放送(ABA)は、動画はアップされていないが、文章にカッコで読みがなが書かれていた。(他のニュースの地名、例えば「城ヶ倉」にはなし)
「弘前市野田(のだ)のスーパー、「生協コープあおもり和徳(わとく)店」です。」となっている。


少なくとも地元民放のうち2局は「わとく」派、NHKだけが「わっとく」。
NHKのほうが正確で「わっとく」が正解、と単純にとらえていいのだろうか? 最近はNHKでも、特に地方局は取材や原稿作成能力がさほどでもなくなってしまっている気もするし…
そもそも、今回の和徳は、地名ではなく、(地名が由来だが)特定の店舗の名称。正解は、コープあおもりがどっちを採用しているかということに過ぎず、地名としての和徳の読みの結論にはならない。

【25日追記】24日に犯人が捕まった。
その報道でも、NHKが「わっとく」、ATVとABA(今度は映像あり)が「わとく」で変わらず。


●解体の危機
もう1つ、コープあおもり。
以前少し触れた 、弘前市松原東にある「松原店」。
この店舗は、旧・陸軍第八師団の「覆馬場」が弘南バスの車庫になった後、40年ほど前にスーパーに改装して今も使っていて、馬場当時のレンガ造りの外観が今も残る。古い建物をさりげなく大切にする(仰々しくおしゃれに改装したりせず)弘前らしい使い方だと思っていた。

6月7日に陸奥新報サイトに「「戦争遺跡」コープ松原店 建て替え検討」がアップされた。「建て替えは老朽化と耐震性の問題からの判断」でとのこと。
民間所有であるし、老朽化と安全性は大事。やむを得ないとするべきなんだろうか。

陸奥新報によれば、
「1896年創立の第八師団騎兵第八聯隊が翌年、屋根付きの乗馬練習場「覆馬場(おおいばば)」として建設」
「戦後同市の弘南バスが所有し、当時の弘南生協(1973年設立、2010年コープあおもりと合併)が1976~77年ごろに入店。」
約120年前の建物にスーパーが入っているなんて、改めてすごいことだ。


そういえば、松原からそう遠くない、弘前大学近くの豊原(第三中裏)にある「ブナコ」の製造所。
工場は細長い建物(この記事で少々)で、それは旧陸軍の厩舎だったそう。

【2017年4月8日追記】その後、店舗は計画通り解体され、跡に新築。2017年4月7日付陸奥新報サイトによれば、2017年4月6日にリニューアルオープンした。「敷地にはれんが造りだった旧店舗外壁などの一部をモニュメントとして設置。」「(おそらく店内では)れんが調の壁紙を採用し、歴史的建造物だった旧店舗の趣を残した。」とのこと。


○弘南生協の謎
ここで話がそれます。上の2題の舞台「生活協同組合コープあおもり」。
1993年に、青森、弘前、八戸の3市民生活協同組合が合併して、コープあおもり発足。
さらに、2010年に「弘南生活協同組合」も合流して、今に至る。

現在、コープあおもりの店舗は、青森市内にはなく(本所は青森市)、八戸市に1つなのに対し、弘前市と黒石市には5店舗もある(以前よりは減っている)のは、弘南生協があった名残なのだろう。

前からよく分からなかったのが、「弘南生協」の「弘南」は何を意味するのかということ。
「弘前(周辺)の南部地域」という意味かもしれないが、鉄道会社とバス会社の社名以外ではあまり使わない言葉。
だから、弘南生協は「弘南鉄道」あるいは「弘南バス」と関係しているのではないかと推測していた。
以前から言っているように、弘南鉄道と弘南バスは起源は同じだが、今は資本関係がなく関係は薄い。

知る限りで、弘南生協には、弘南鉄道の駅に併設する店舗が3つ(うち平賀店は2014年閉店)あるから、弘南鉄道が関係するのだろうか。
でも、西弘前駅が弘前学院大前駅に改称しても、生協は今なお「西弘店」で、鉄道と生協で整合性がない。(鉄道と生協は別組織だからかもしれないけれど)
(再掲)今はこれとは別の看板だけど、やはり西弘店
そして、松原店。弘南鉄道の沿線ではあるが、駅とはやや離れている。
建物が店になる前は弘南バスの所有だったけど、単にたまたま弘南生協へ譲渡されたということなのか。あるいは、当時はまだ弘南鉄道と弘南バスに資本関係があったとか。

なお、弘南生協がコープあおもりに吸収された翌年、「弘南バス生協」というのが従業員の横領がきっかけで経営破綻している。弘南バス生協は、一般から出資を募る地域生協ではなく、弘南バスの社員のみを対象とする職域生協だったようだ。
【20日追記】弘南生協が弘南バス系列だったとすれば、地域と職域の2つの生協を持っていたことになってしまうから、それは考えにくい。やっぱり弘南鉄道が母体となって設立された生協だったのだろうか?

【21日追記】鉄道会社やバス会社は、集客、土地活用、多角経営などのため、百貨店やスーパーを経営したり、ビルを建ててスーパーなどをテナントとして入れたり、商業施設と駅・バスターミナルを併設したりする。イトーヨーカドー弘前店と弘南バスはその関係。
弘南鉄道は自前でスーパーを設立できるほどの余裕がなく、客から出資してもらう生協の形にしたのだろうか。

【2018年1月31日追記】
コープあおもりホームページによれば、西弘店が改築(現店舗解体後、同じ場所に新築)されることになり、2017年9月6日から2018年4月(予定)まで休業中。告知では昭和48(1973)年の開店とあり、西弘店の開店した年が判明した。建物もその時からのものだろう。
駅の歴史を調べると、1971年11月までは、西弘前駅に車庫があった(現在は津軽大沢にある)。もしかしたら、車庫の跡地を店舗(それに駐車場も)にしたのかもしれない。
また、弘南生協自体の発足が、上記の通り1973年だそうだから、最初期からの店舗ということになろう。
【2018年5月7日追記】
コープ西弘店は、4月26日オープン。同時に弘前学院大前駅舎も改築されてしまい、従来駅舎だった場所も店舗になって、駅舎は店と一体化した申し訳程度のものになってしまったようだ。この記事にて。


要注意外来生物【21日訂正・末尾参照】重点対策外来種
最後はまったく別の話題。
ここ2年ほど、陸奥新報で弘前市桔梗野の土淵川でキショウブが咲いていることが報道されている(2015年5月31日「涼運ぶ土淵川のキショウブ」、2016年6月3日「キショウブ見頃 水辺涼しげに」)。
2015年の記事によれば、近くに住む73歳の男性が「景観の美化に―と約10年前から植え始め、現在は弘盛橋から寒沢橋までの約1キロにわたって」植えられている。
(再掲)秋田市のキショウブ
(なじみのある土淵川のことではあるが、)ネットで記事を読んだだけで細かい事情は知らないよそ者ながら、これには眉をひそめなければならない。
以前取り上げたように、キショウブは、外来の帰化植物で、日本在来のハナショウブとは別種。旺盛な繁殖力で、既存の生態系を脅かすため、取り扱いに注意を要する「要注意外来生物」【21日訂正・末尾参照】「重点対策外来種」に指定されている。

したがって、少なくとも川という開かれた場所で安易に植栽する植物ではないと思う。(土淵川は護岸で固められていて、生態系と呼べるほどのものはないとも思うけれど)
河川管理者(国交省から指定されて青森県が管理?)はどうとらえているのだろうか。
また、近くの弘前大学農学生命科学部には、在来・野生のノハナショウブの研究をしている教員がいるそうだ。大学と地域が協力して、日本古来のハナショウブが咲く土淵川ができたら、より美しいのではないだろうか。

【21日訂正】2015年に「要注意外来生物」は発展的に解消され、「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)」となっていたので訂正します。
新しいリストにおいてキショウブは、「総合的に対策が必要な外来種(総合対策外来種)」の「重点対策外来種」に位置づけられている。オランダガラシ(クレソン)、外来タンポポ、ホテイアオイなどが同レベル。

2017年の花が終わった後に現地に行った状況
【2018年6月2日追記】陸奥新報のサイトでは、2017年には記事が掲載されなかった。
2018年は6月1日に「キショウブ涼しげ 弘前・土淵川」が掲載。それには「約20年前、川辺に自生していた1株を中州に株分けして以降、少しずつ数を増やしてきた。」「現在は弘盛橋―寒沢橋間の約400メートルにわたり」とある。
元は自生(といっても上記の通り外来種である)していたことは初掲載。
2015年の記事では、10年前から弘盛橋から寒沢橋までの約1キロに植えていたとあったのが、2018年ではさらに約10年(差し引き7年)歴史が伸びて、同じ橋どうしなのに距離は約600メートル縮んでいる。時空がゆがんだのか?
なお、地図上で計測した弘盛橋~寒沢橋の距離は350メートル弱。
【その後、2019年は少なくともサイトには掲載されなかったはず。】
2020年6月8日に「弘前・土淵川でキショウブが見頃」をアップ。「約20年前に、川辺に自生していた1株を中州に株分けして以降」「約400メートル」

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2 コメント

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Unknown (虎好会)
2016-06-27 22:15:16
和徳は「わっとく」ですよね基本。地元で「わとく」なんて言ったら多分訂正されますw でも仏壇の川村のCMは「わとく」なんですけどね。結局どちらでも正解なのかなと。

先週末、新幹線で東京へ行って来ました。3ヶ月ちょっとしか経っていないH5系は綺麗でした。当然ですが。問題は帰りですよ、東北六魂祭の真っ只中に新青森から701系に乗らなければなりません、なんとか乗車したものの揺れる車内で掴まる所もなくなんとかならんもんかと。


セブン-イレブンの青森県初出店から1年が経過し青森市や八戸市に店舗が増える中、弘前市では劇的に増えるということはありませんでしたが、今後、北瓦ケ町と代官町に1店舗ずつオープンするようです。丁度、そば処吉野家の隣にコンビニらしきものを建てているのでココが
代官町店でしょうか。
セブン (taic02)
2016-06-28 18:12:37
わとく・わっとくどちらでも許容されるのでしょうね。NHKが「わっとく」を使ったのは意外でしたが。
六魂祭に巻き込まれたのは災難でした。昨年の秋田駅も今年の青森駅も、駅構内への入場規制(列車別に整列?)をやったようですが、新青森駅からは、いちおう乗ることは乗れたわけですか。来年以降の六魂祭は、開催方法を再検討して継続するようは話もありますが、どうなるやら。

土手町周辺はコンビニが少ないですが、そこへセブン出店ですか。ホテル宿泊客から近くにコンビニがないという声もあるし、街中だから需要はあるでしょう。

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