田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

学級委員2

2019年08月15日 | 日記
 長女が中学生になった。当時は校則が厳しく長髪は禁止、茶髪など許されるはずがなかった。不幸なことに娘は生まれつきの赤毛で、生まれてから髪を切っていなかった。少子化で、小学校のクラスは3クラスで定員は28名だった。だから目立っていた。
 
 入学したら校則はあって無いようなもので「筝を習っていれば長髪は可」とか「生まれつきの髪の毛は良い」など意味の分からないモノだった。当然今はハーフの子もいるから有名無実な校則だろう。
 
 さて、娘のクラスは荒れていた。学校にタバコは持ち込み、シンナーを天井裏に隠す事件もあった。妻はPTA役員を押し付けられ、授業中の構内見回りの当番があるとぼやいていた。子供たちはタバコが吸いたいのでも、シンナー依存症でもなく、危険なものを隠す、悪戯の遊びに延長だったように思う。
 
 さて新学期、例によって学級委員の選出に、いわゆる不良生徒が立候補した。彼はスポーツ万能、市の選抜にも選ばれたサッカー選手だったが、教室を逃げ出す常習犯だった。彼をまともに取り合う友人は多くなかった。彼は力づくで自分を選出せよと同級生に迫った。そのうちに面白半分で彼を押す生徒たちが現れた。「一度生徒会をやらせればわかる」「できないことを知った方が良い」などなど。先生も対応に苦慮したようだ。
 
 事件はあっけなく終わった。小学校から人望の厚かったサト君が学級委員に立候補した。サト君は運動は、からっきしだめだが、誰がみても一生懸命なのだ。シュートしても球に威力がない。全力で走っても体が浮いている。彼は一生懸命、照れ隠しの笑いもない。そんな一生懸命の彼に、スポーツを教える子もいた。
 
 不良だった子は体を壊した。内臓系の病だった。スポーツは諦めざるを得なかった。かれは学校に来なくなった。ただ学級委員のサト君が家を訪ねると、彼とは話をしたそうだ。
 
 何年後かの卒業式、彼は県立工業高校に見事入学したと発表されたそうだ。その後の彼の噂を聞かない。
 
 先日の参議院選挙、なぜかこの学級委員の選挙を思い出した。ユーチューブで視聴したが、ケンカを売って何が変わる。子供たちの方が、何倍も何十倍も賢く清潔のように思えた。こんなことを思い出した。