沈黙は金

　いつも読むニュースに『沈黙は金』（黙っておいたほうがいい１０の場面）があった。なるほどと思うこと、当たり前と思ってきたこと、等など列記してある。昔から私は「沈黙は金、雄弁は銀」と教わってきた。雄弁に語ることは素晴らしいが、聞かねばならぬときは沈黙して聞く、と承知している。近頃は「黙して語らず」の心より「己を表す」の方が優れているかのように言われる。雄弁は銀であるが、さらに優れていることがあることを忘れているような気がする。

　このブログ場へ来る前、脱宗教者が集うブログ場で、私と家族が身内の宗教家に振り回されながら、我が家の墓を移転する備忘録を書いていた。そこで知り合った人も多く、皆さんがその宗教を卒業し、一回り二回りも大きくなったように思えた。しかし全員が成長したのではなく、宗教によって憎しみ、恨み、怨を増長させた人もあるようだ。それこそが宗教と言えば言えなくもないが、脱宗教で知り合えた人ならば、宗教の誤りを雄弁に語るより、聞くべきことを聞く力を養ったほうが良いのではないかと思った。その脱宗教者が集うブログ場は近頃閑古鳥が鳴いている。寂しく感ずる私である。

　
　午前に妻と墓参りに行ってきた。妻の無事帰国と、嫁様の妊娠をお墓の婆さまに報告してきた。静かなお墓ではまだウグイスが鳴いていた。妻と二人で鳴き声を聞いた。静かだからこそ聞こえる音もある。