海岸の砂丘地に見られるヒメイズイがありました。花があってもよい時期ですが見つけた株には残念ながら花がありません。新潟でも中越以北の海岸砂丘地に点々と採集記録がありますが、私はまだ確認したことはありません。あまり多い種ではないのです。アマドコロと同属で中越地域はアマドコロがよく見られますが下越地域はヒメイズイがよく見られるようです。
不思議なものが生育していました。最初は何か分からず戸惑いましたが、どう見ても庭などでもよく見られるピラカンサすです。なんでこの砂丘地に生育しているのか不思議です。そこで、この公園の関係者に聞いてみました。どうも鳥が実を食べて種子を運んできたものが自生しているという結論で、ある意味納得しました。鳥のせいとは言え一種の帰化植物です。
新潟では海岸岩場で見ることが多いスカシユリです。ひたち海浜公園では砂丘地に生育しています。この光景を見るのが初めてですからとても奇異に思えました。形態上は同じですが、太平洋側の個体群と日本海側の個体群は少しタイプが違うような気がしました。
海浜公園の砂丘にはスカシユリがまばらに花をつけていましたが花のない株もありますから見た目以上に個体はありそうです。しかし、知人に聞くと個体数が減っているので増殖に力を入れているとのことでなかなか簡単に増えないとこぼしていました。
北アメリカ原産の帰化植物です。阿字ヶ浦の海岸やひたち海浜公園の砂丘地帯にたくさん自生していました。オオマツヨイグサを見慣れているもののコマツヨイグサは初めてののような気がします。新潟の同じような環境に生育しているのかはっきりしません。気づいたことがないので日本海側には自生がないかきわめて少ないような気がします。
どんなに大きく成長してもマツヨイグサの仲間は新潟では1年草か越年草です。オオマツヨイグサと大きな生態的な差が茎を地に這わせマット状に広がるという性質でしょうか。発芽したての個体は単独の小さなものですが、成長に従い茎が地を這う形でこのような株立ちの状態になります。
夏の海岸砂丘を飾る花の中で青い花はハマゴウとナミキソウでしょうか。シソ科タツナミソウ属の多年草で全国の砂丘地などに生育するとなっていて新潟の海岸にもときどき見かけますが、決して多い花ではありません。美しい花ですから大きな群落を作っていてくれるとありがたいのですが、残念ながらいままでそういう景観を観てことがありません。海浜公園では単独で生育している場所が目立ちましたが、波の来ない比較的高茎の草地に紛れて生えていることもありあまり自己主張をしない花です。
環境省の絶滅危惧Ⅱ類(VU)に分類されているイヌハギが生育していました。海岸砂丘や河原に生育するとされるマメ科多年草です。ネコハギより大きいのでイヌハギと名前がついたという記事を見つけました。ネコハギは小さく毛深く、イヌハギはやや大きく毛が少ないというのが一つの考えのようです。ハギの花に比べ地味でまた小型であることから「イヌ」という言葉が付いたのであろうと思っていましたが、違う考えもあるのに感心しました。