goo blog サービス終了のお知らせ 

森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ノウサギ 幼体

2012年06月11日 | 自然観察日記
里山にはノウサギは普通にいるのですが、なかなか姿を見それをカメラに収めるとなるとその機会はほとんどありません。先日は子ウサギが道路を横切って駆けていく姿を目撃しましたが、なんと今回は目の前にいてじっと動かず絶好のカメラチャンスを与えてくれました。車で移動中前方に動くものを確認して近づくと、この可愛らしい子ウサギでした。約2m。動きません。じっとしたまま瞬きさえしない様子に感心しました。動かないことが身の安全を守ることに繋がるという本能なのでしょう。おそらく、親が近くにいてじっと見守っているはずです。もっと近づいて子ウサギを捕らえようとしたなら警戒音を発し、それを合図に脱兎のごとく逃げていくのではないかと思います。しばし、観察をした後そっと引き上げたのは言うまでもありません。

エチゴキジムシロ

2012年06月10日 | 自然観察日記
里山の各所に黄色の花が咲いています。いろいろな種が混在していますが、地面を這うように咲いているのがヘビイチゴの仲間です。エチゴキジムシロは少し奥山に多いように思えます。それもやや崖などが好きで土壌の少ない場所にへばりついて花を咲かせています。キジムシロ属の分類は結構難しく、種も多いので厄介ですね。葉が5枚ですが最後の2枚はかなり小さくなっているのが特徴で、花数も多く県内に生育する豪華なキジムシロ属ならこの種と考えていいでしょう。

ヒメハギ

2012年06月09日 | 自然観察日記
日当たりのいい山間の地で時々見かけますが、小さな花ですから気をつけていないと見逃してしまいます。花は小さいながらとても変わった形をしていて可愛いばかりでなく面白い花です。ひげのような細かなものは雌しべの柱頭です。おしべはどこにあるのでしょうね。今度であったら探してみてください。一緒に同行された方がとても興味をもたれて写真を撮られたいたことが印象的でした。初めての出会いなんですね。

ヒメサユリ

2012年06月08日 | 自然観察日記
下田のヒメサユリ群生地に行ってきました。花はまだ5部咲き程度の頃でしたが、以前行ったときより個体数は多いように思います。整理された地面には幼個体もそれなりにあってますます増加する傾向のようです。花が白い個体がありました。純白ではなくかすかにピンクがかります。色素を作れないいわゆるアルビノ種というわけではないようです。新潟にある花園でここも自慢できる場所ですね。
ヒメサユリは分布が新潟・福島・山形の県境近くに限定されている極めて珍しい種で、また美しい花を咲かせる貴重な存在です。この花がどういう経緯でこの地域に出現したのか、想像するだけですが、とても興味深い問題ですね。

ウスバサイシン

2012年06月07日 | 自然観察日記
山形小国の荒川沿いの雪解け直後の窪地に一株だけウスバサイシンが花を見せていました。おそらく、近くにもあるのでしょうが草が茂り始めていてその中に隠れているためかこの1株しか目に付きませんでした。あってもうよさそうなのですが、新潟県内で見た記憶がない種です。それだけまだ自然観察の歩きが不足している証拠なのでしょう。もともっと若い頃に山歩きをしておくべきだったとちょっと悔やむ心境です。

ウスバサイシン 花

2012年06月07日 | 自然観察日記
カンアオイに比べ葉は柔らかそうで、花もくびれがはっきりしていて特徴的です。春ね女神といわれるギフチョウの食草がカンアオイに対して、近似種のヒメギフチョウの食草がこのウスバサイシンといわれます。したがって、ウスバサイシンがあるかないかでヒメギフチョウがいるかいないかが見当付けられます。ヒメギフチョウが新潟に分布していないならウスバサイシンはないのかもしれません。

クマイチゴ

2012年06月06日 | 自然観察日記
大形の木いちごで、そのイメージから「クマ」と名づけられたのでしょう。イチゴは食べられますが、モミジイチゴに比べればかなり落ちます。しかし、モミジイチゴに比べ棘がやさしいために扱いやすいものです。繁殖力もそんなに激しいものでないようです。やや、日陰を好む傾向がありますから、モミジイチゴに比べ扱いやすい種です。

ニガイチゴ

2012年06月05日 | 自然観察日記
モミジイチゴが沢山ある場所の一角に見慣れない形の木いちごがありました。その場では判断が付かず家に帰って調べ、ニガイチゴと判明。葉が3烈しやや薄い感じです。棘はあまり気になりません。場所は三条市下田のヒメサユリ群生地近くの森の中で、人里があるとはいえやや深山といえるような場所です。県内の分布を調べると、弥彦山塊には集中していて、それと向かい合う下田地区にはありません。今回の分布地点の確認は分布の空白域を埋めるもので興味深いものでした。 

アリアケスミレ

2012年06月04日 | 自然観察日記
山形県小国の荒川沿いで見たアリアケスミレです。スミレの季節もそろそろ終わりですが、ここはまだ雪が消えて間もない季節で、近くの深い沢には残雪が沢山ありました。白を基調にした色彩で紫の筋が入ります。葉は長くスミレによく似ていて、見かける場所も似たような環境ですから類縁は近いかもしれません。

ケロウジ

2012年06月03日 | 自然観察日記
シイタケのようなキノコはケロウジというコウタケの仲間。これがコウタケなら小躍りするのですが、これは苦くて食用には適さないものです。もっともコウタケはこの季節には発生しないと思いますから、それを期待することはナンセンスなんですが・・・。それはそうと、そう簡単に出会うこともないキノコですから、写真に収めることが出来るということは幸運なことなのです。沢山発生することもあるようですが、今回は単品で他に幼菌は見当たりませんでした。木材腐朽菌です。

スジオチバタケ

2012年06月02日 | 自然観察日記
キノコは年中見られるものですが、この季節にキノコのガイドをすると一様に「今どきキノコがあるのですか?」と驚かれます。案外いい食用キノコも出てくるのですが、この季節はどちらかというと観賞用でしょうか。
スジオチバタケです。山形の小国の沢沿いで見つけました。秋にも発生するのですが、初夏に出会うことが多いキノコです。個性的な姿をしていますから覚えやすいキノコです。小型で柄は細く食べようなどという気は起きないキノコです。見るだけで十分満足できる美しいキノコですね。おとぎ話の世界にふさわしい雰囲気です。

スナビキソウ

2012年06月01日 | 自然観察日記
砂地に点々と白い花の塊になっているのはムラサキ科のスナビキソウ。砂の移動の激しいところは住めないという話で、比較的安定した海岸の砂地に分布している種ということになっています。場所によっては大きな群落を構成しているというはなしですが、新潟県内では見たことがないですね(あるかもしれません)。花は中央がくぼんだ星型で特徴的な姿をしています。