久しぶりに出会えたシダ植物のオシャクジデンダです。久しぶりといっても県内では全県に見られるようでたまたま目にしなかったのでしょうか。着生植物で老木の苔むしたような幹に生育していますから、安定した古い森でないと見られない種だと思います。したがって決して生育密度の高いものではありませんからそう簡単に出会えないのではと思いました。
この個体群は谷筋の岩場で生育するアカイタヤの老木のコケが繁茂するところに自生していました。こんなに低い位置に自生するのはなかなかありませんからとても幸運でした。この個体群の下にはそこそこの水量のある川が流れていますから環境としては申し分がないと思います。しかし、深山で雨水や霧で水分を得ているような環境にいる個体は夏場の渇水期には大変乾燥しちりちりになったオシャクジデンダを見ることがあります。樹上生活をする種ですから感想にはそれなりの抵抗性があるのでしょう。