弥彦山山麓を歩いてみました。このエリアはヤブツバキとユキバタツバキというヤブツバキとユキツバキの雑種が見られる地域として知られています。この株が海岸側ではなく越後平野側ですからヤブツバキではなくユキバタツバキではないかと思います。今回歩いた範囲では地を這うような樹形をしたユキツバキは見られず立木ばかりでした。
花糸の様子で種を見分けるのが有力な手段です。この筒状の花糸が発達して上部まで癒合しているのがヤブツバキでユキツバキは基部まで裂けています。ユキバタツバキはその中間形で花糸の癒合は中ほどくらいまでです。また、この色が白いのがヤブツバキ、黄色い色がユキツバキです。ユキバタツバキは白い色になっていました。
以前はあえてユキバタツバキなどといわなくてもと思ってはいたものの、確かにヤブツバキとは性質が異なる個体を見ると名前を付けて区別したくなる気持ちも分かります。この種以外にも各地域にはそれぞれ独特な形質を持って進化し生育するものが存在しています。そういうものが見えてくると自然の奥深さを改めて思い知らされます。