森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ムシトリスミレ

2021年03月22日 | 自然観察日記
高山にきてムシトリスミレに出会うととてもうれしい感じになります。会いたいと思いながらなかなか出会えない花の一つでした。花の季節がズレていたのが最も大きな理由でしょうが個体が小さいために見逃していたことが結構あったのではないでしょうか。小さくて草むらに紛れていようとも花があればこのように一目でわかります。

ムシトリスミレの葉

2021年03月22日 | 自然観察日記
ムシトリスミレはやや湿り気があり傾斜地で草付きの表土がせり出して下部の土が崩れた場所のえぐれているような所に生えていることが多いように思います。少なくてもほかの植物が生育する場所は競争力が弱いせいで裸地に近い場所が適地なのでしょう。この個体のような礫の混ざる裸地にも湿潤であれば根付くようです。食虫植物ですから貧栄養の場所でもうまく生きていける能力を持っている種です。この葉の表面で昆虫を捕らえて窒素源を補給するという理論です。まだ若い葉なのかめぼしい虫が見られません。あまり効率が良い方法ではないようです。

ムシトリスミレの花

2021年03月22日 | 自然観察日記
雨のせいで花は閉じたまま。全く残念です。開いているときはスミレのような花でスミレ化の種ではないのにスミレの名前が付いている理由がわかります。小さいながら良い花です。