森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ホコリカビ 2

2009年06月09日 | きのこ・菌類
 簡単に粘菌を説明するのが難しいのですが、植物なのか動物なのか、はたまた単細胞なのか群体なのか・・なんとも不思議な生態をしている生き物なのです。粘菌といえば博物学者の南方熊楠が有名ですね。この人物も粘菌と同じくらいに不思議な人物でとにかく凄い人です。
 それはそうと、この黄色の物体はホコリカビという森の住人の大切な一人なんです。今その片鱗を見せてくれています。森というのは本当に不思議な世界ですね。

ホコリカビ 1

2009年06月09日 | きのこ・菌類
粘菌が発生する時期ですね。森を歩いていて出会った粘菌アメーバの大集団。といっても何がなんだかよく分からないかも知れませんね。この黄色のモコモコトした塊、実はホコリカビ(変形菌)の移動期の様子なのです。

 顕微鏡で観察するとこの時期は単独行動しているアメーバー(粘菌アメーバー)がうごめいているはずです。ですから1時間もするとこの形が変化してまた違った形状になります。活発に移動しながら枯れ木は枯葉の表面にいる細菌などを捕食し増殖して仲間を増やすのだそうです。十分増殖すると単独行動をしていたアメーバーが集合し一つの個体(動物)のような状態になって移動を止めその位置で胞子を作るようになります。このときは2~3cmの暗褐色の棒状の胞子のうを林立させて枯れ木などに付着していますから、この様子は案外目にしている方も多いのではないでしょうか