木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

織田信成選手の失敗~国母センシュとの対比

2010年02月20日 | スポーツの周辺
採点競技というのは、どこか釈然としないものが残ることがある。

今回の男子フィギュアでも、2位になったロシアのプルシェンコ選手に対するジャッジが厳しすぎたのではないかと、ロシアサイドから抗議があった。プルシェンコ選手自身、今回の採点方法に強い不満を残している。
確かに4回転ジャンプに対する評価が曖昧だった点は否めない。

スピード競技やカーリングなどはすべて自己責任だ。
それに比べると、採点競技は採点員の主観による部分が大きく、運、あるいは政治力に左右されやすい。
その中で、ベストと思われるチョイスをしていくのは選手自身だ。
スノーボードのショーン・ホワイト選手のように飛び抜けていれば、誰も文句は言わない。
モーグルもある程度、分かりやすいといえる。
フィギュアだけ、どうしてこうも毎回揉めるのだろうか。
それだけ、注目度が高いことの裏返しでもあるのだろうが。

その中、今回の織田選手は、①切れた靴紐を使い続ける②4回転ジャンプへの迷い、という二つの間違いを犯してしまった。
これは、採点員の評価以前の問題で、完全に自分のミスである。
自分の判断ミスが最悪の結果を招いてしまった中、8位に入賞した織田選手の精神力には、心から拍手を送りたい。
採点結果を待つ間も誰に当たる訳でもなく、必死に通常の表情を保とうとしていた姿勢にも心を打たれた。

一方、辛い採点にぶち切れて、ゴーグルを観客席に投げつけた国母選手。
その後のインタビュアーにも食ってかかったと言う。
国母選手は服装や、釈明会見の態度などに賛否が分かれる。
批判が集まったマスコミの姿勢に、まるで「魔女狩」だと批評する新聞(朝日)なども現れた。

私は服装や会見の姿勢以前の問題だと思っている。
勝てばどうでもいいのか、という点だ。
もし、国母選手がメダルを獲得すれば、「プレッシャーに打ち勝った」とマスコミも手のひらを返したように賞賛したのであろうか。
美酒に酔った国母選手の機嫌も悪かろう訳がなく、インタビューでの受け答えも好ましいものになったかも知れない。

だが、人間の本性は勝ったときよりも、負けたときに分かる。
アクシデントに見舞われ8位に留まった織田選手。
4位に入賞しながらも、毒づいた国母選手。
どちらが魅力的な人間なのか、おのずと分かる。

国母問題も実は服装に問題があるのではなく、「勝てば何をしてもいい」という態度に問題がある。
それはマスコミや、我々のほうにも問題がある。
国母選手は我々の心の問題である。
これは朝昇龍問題と似ていると思う。

この件に関しては、前回のトリノで奇声を上げて物議をかもし出した成田童夢選手が大人の意見を述べている。

織田信成選手からのメッセージ
飲酒してミニバイクを運転、謹慎後の織田選手のメッセージ。彼という人間がよく分かる。

試合後の国母選手を伝えるデイリースポーツ紙の記事
モーグルやスノーボードは「体制派」のアルペンの対義語でもある。国母選手の言っている事も分かるがモーグル選手だってモラルは守っている。

成田童夢選手HP
同感できる部分が多い。


次回はこの笑顔を期待したい。

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カーリング女子勝利~イギリス戦

2010年02月20日 | スポーツの周辺
アメリカに勝ったあと、カナダ、中国に惜敗してしまった女子カーリング。

今日は、ランキングで格上のイギリスを11-4で破った。

第9エンド目黒のラストショットが5点を取るミラクルショットとなり、イギリスはギブアップ。

10エンドを待たず、日本の勝利となった。

今日は日本、イギリスともショットの精度が高く、ミスショットのほとんどない緊迫した試合運びとなった。

冷静に話そうとはしているものの、段々声が高くなってしまう解説者の小林宏さんの様子からも手に汗を握る緊張感が伝わる。

その中、ほんわかとした口調で打ち合わせをするチーム青森。

平常心を保ち続ける選手の精神力の強さはすごいものがある。

最後は解説の小林さんが「よしよし、よ~し」と大絶叫するほどのショットで、思わぬ大勝となった。

ところで、下記の世界ランキングを見ると分かるが、イギリスはスコットランド、ウエールズ、イングランドが別々に参加している。

今回、バンクーバーオリンピックでは、その中でもっともポイントの高いスコットランドがイギリス代表として出場している。



チーム青森HP

カーリング世界ランキング

解説の小林宏さんのHP

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越和宏選手~お疲れ様でした

2010年02月20日 | スポーツの周辺
男子スケルトンの越和宏選手のオリンピックが終わった。

総合20位。

田山真輔選手が19位。

結果から見るとふたりとも上位に食い込む成績ではないが、滑走後にはガッツポーズを決め、爽やかな笑顔を見せた。

結果至上主義の中、ふたりの笑顔は清涼感があった。

その越選手がレース前にゲンかつぎにおこなっているのが「指先バキューン」。

分かる人にしか分からないが完全に「わたしをスキーに連れて行って」世代である。

スケルトンを始めたきっかけが「てっとり早く有名になれそうだったから」と話しているのが面白い。

今日は、好きなビールをたんまり飲んで欲しい。

もう一人の田山選手も人間味あふれるブログを開設している。

そり競技は、女子において、リュージュ安田選手が200gのウエイトオーバー、スケルトン小室選手がステッカー貼り忘れで失格となっている。
メジャースポーツではサポートがしっかりしているが、マイナー競技では全部自分でこなさなければならない。

本人の自覚うんぬんと、批判もあったようだが、マイナーな競技にも、きっちりしたサポート体制をとってくれるように望みたい。


オリンピック参加選手中、最年長となる越選手。

越選手オフィシャルブログ

田山選手ブログ

越・田山選手所属のスケルトンクラブのブログ

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葛西選手予選1位通過

2010年02月20日 | スポーツの周辺
男子ジャンプラージヒルの予選で、葛西紀明選手が予選トップで通過した。

6大会連続出場、38歳の葛西選手は、ヒルサイズを越える142.5mの大ジャンプを見せた。

日本選手としては、伊藤選手が2位通過、栃本選手19位、伊藤選手21位と4人全員が決勝進出枠の中に残った。

岡部選手が代表選手から外れたのは残念だが、岡部選手の分も頑張って欲しい。

決勝は明日。
アマンらを含むトップシード選手10人が参戦する中、どのくらいの位置をキープできるか注目である。

テレビ放映はNHK総合で4時30分から。

うーん、明日も早起きだ。

ところで、K点とか、ヒルサイズというのは知っていて知らない言葉だ。
K点についてスキーに詳しい友人に聞いたところ、「危険点のKだ」と言っていたが、これではあまり意味は分からない。
もともと、K点はドイツ語でKonstruktionspunkt(建築基準点)に由来するというが、ジャンプ競技では、kritischer Punkt (極限点)の意味で使われていた。
これ以上飛ぶと危険だという限界点であり、英語だとcritical pointだから、友人の説も合っている。
その後、スキー技術の進歩から上位選手のK点越えが当然のようになってきたことから、かつての極限点にあたるものは「ヒルサイズ」と呼ぶようになった。


期待のかかる葛西選手
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