木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

ワニ肉

2010年02月07日 | B級グルメ
因幡の白兎という昔話は有名だ。

ひとり、隠岐島に流されてしまったウサギは、無性にみんなのいる因幡に戻りたいと思っている。
そこで、海にいるワニを数を数えるとだまして、並ばせ、その上を渡って因幡の国に帰ることを思いつく。
あと、もう一歩というところで、ウサギは「俺は向こうに渡りたかっただけだ」と口を滑らせてしまう。
そこで、ワニはウサギを海に落とし、毛をむしってしまう。
うさぎは、大黒様に看病され、反省する。

といった内容である。
誰でも子供のときに、一度は聞いた覚えのある民話であるが、海にワニというのが不思議な気がしたのではないだろうか?

実は、このワニはサメのことであるようだ。
今でも山陰地方では、サメのことをワニと呼んでいる。
ワニ肉は食用だ。
といって、よく思いつくのはサメ肉が蒲鉾の原料に使われることである。
加工品の原料にされはしても、単独で食べることが少ないのは、あまりおいしくないのだろうか。

先日、広島県の東城という地で、ワニ肉の刺身を食べる機会があった。
下の写真を見ても分かるように、綺麗なサーモンピンクで、びんちょうマグロのような色合いである。
生臭さや変な食感もなく、美味といってよい。
特別においしいというものではないが、びんちょうなどのマグロと同等ではないだろうか。
常温になって少し経つと、少々油っぽさを感じる。
少量では、まったく気にならないが、生姜醤油でたべさせるのも、少し癖があるからかも知れない。
刺身よりも、むしろ火を通して「ワニ肉ステーキ」にするほうがおいしかった。

この地でサメ肉を食べるのは、海からかなり中に入った山間地だからであろう。
サメ肉は日持ちするため、他の魚の代替にされた。

あまり他の土地でサメを食べないのは、やはりイメージの問題だろうか。



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