平塚にあるキリスト教会 平塚バプテスト教会 

神奈川県平塚市にあるプロテスタントのキリスト教会です。牧師によるキリスト教や湘南地域情報、世相のつれづれ日記です。

新聞記事より三つの話題

2013-10-21 09:43:18 | 牧師室だより

牧師室だより 2013年10月20日 新聞記事より三つの話題

 朝日新聞の朝刊(10月16日)から、面白くて興味深く読んだ三つの話題。最初は「『まだ?』はほっといて生きる」という40代の女性の投書。彼女は、20代前半の頃、周囲から「結婚はまだ?」と言われ続け、結婚すると「子どもはまだ?」とまた言われ、大変不快だったという。

 そこでおばあちゃんに愚痴ったら、おばあちゃん曰く「結婚、子どもをクリアしたらもう言われないと思ってるべ?いいや、まだまだ。2人目はまだ?家はまだ?孫はまだ?墓はまだ?まだは死ぬまで続くんだ。お前、死ぬまで傷つくことはないよ。そんなこと言うヤツはほっといて、堂々と生きなさい」。おばあちゃんの見事な人生哲学だ。

 次は「半沢直樹」で悪役を演じた俳優の宇梶剛士さんの「私の悪人論」の記事から。「悪人に共通しているのは、『自分は正しいんだ』と強調するのに、どこかで顔がひきつっているんですよ。余裕ぶれば余裕ぶるほど、顔がひきつってくるのが、悪人の典型です」。さすが俳優。人の顔の表情をよく観察し研究している。

 最後に彼はこうも言っている。「人間の心は、善と悪が混在しています。しかし、悪を認識し、謙虚になれる力がある。自分を善人と信じこんでいる人が、逆に悪人に近いと思っています」。

 主イエスが律法学者やパリサイ派の人々に厳しく言われたいくつかの場面が目に浮かんでくる。
 
 最後は孫たちの大好きなアンパンマンの作者、やなせたかしさんが亡くなられた記事から。「かっこ悪くても、弱い人たちを助けたい」という思いを込めたアンパンマンだった。だからか、おなかがすいた子どもたちに自分の顔をちぎって食べさせ、ヨレヨレになる。やなせ氏は言う。「人に尽くすというのは、こういうこと。自己犠牲を伴わない正義はない」。さらに「声高に語る正義はうそくさい」「正義も悪もない。唯一ある正義はひもじい者に食わせることだ」。

 愛することは傷つくこと。愛とは自己犠牲。十字架において示されたキリストの愛を思い起こさずにはおれない。