goo blog サービス終了のお知らせ 

平塚にあるキリスト教会 平塚バプテスト教会 

神奈川県平塚市にあるプロテスタントのキリスト教会です。牧師によるキリスト教や湘南地域情報、世相のつれづれ日記です。

軍隊と靖国の本質

2016-07-25 11:10:34 | 絵画

牧師室だより 2016年7月24日 軍隊と靖国の本質

 ある機関誌8月号にHさん(Y教会員)が「神の義に生かされて」と題してメッセージを書かれている。彼女の父親は、陸軍士官学校出身の職業軍人。敗戦の時、29歳で少佐。そのお父様は、「戦争の勝利をひたすら願い、そこにすべてをかけて加担し、それこそが義と信じていましたが、敗戦後は苦悩を抱え込みました。ようやく見出した救いも、『自分だけが救われてよいのか』と、ためらいを生じさせましたが、罪を認めて委ねた後は、主の光の中を歩ませていただきました」、とある。87歳の時である。敗戦後、生涯をかけてといえるほど長く苦悩を抱え続けて来られたわけです。

 そのような父親を背中に見ながら成長した彼女が学ばれたことが書かれている。「軍隊では人間らしく生きることは求められません。一人の人間を尊び、大切にするという視点のない、その人らしく精いっぱい生き抜くことを許さないものでした。上官の命令の下、兵器の部品、爆弾の一部、そのように自らを考えて死んでいった若者が大勢います。それなのに死後は神として祀られると教えられ、ひたすら戦争に貢献することが求められました」、とあります。ここに「靖国神社」という宗教のからくり、役割が浮き彫りにされています。

 さらに次のように書かれています。日本軍においては「暴力は日常茶飯事など、自国の兵への扱いも、人としての扱いではありませんでした。大切な命、人としての尊厳を見る視点のない軍の性格……それなのに国家のために死んだら神として祀るという、それは生きている時も、死んでからも『人間でなくなる』『人間としない』ということです。大切にするということではありません」。

 神ならざるものを神とする罪。そこに権力者に利用される宗教とそこにからめとられる民の哀れな扱い。権力者は野望のためなら何でも利用する。そこを見抜く力が求められる。靖国の闇は深い。

共感者の存在のありがたみ

2016-06-14 17:26:45 | 絵画

牧師室だより 2016年6月12日 共感者の存在のありがたみ

 詩人茨木のり子さんの詞華集『おんなのことば』(童話屋)に「みずうみ」という詩がある。子どものなにげない「声」を聴きとる素晴らしい感性がうかがえる詩である。

 <だいたいお母さんてものはさ/しいん/としたところがなくちゃいけないんだ>/名台詞を聴くものかな!/ふりかえると/お下げとお河童と/二つのランドセルがゆれてゆく/落葉の道/お母さんだけとはかぎらない/人間は誰でも心の底に/しいんと静かな湖をもつべきなのだ(以下略)

 パニックやヒステリーを起こしやすい人の多くは、心の深いところでしいんと鼓動している素直な感情の動き(あるがままの感情)をうまく言葉にできずに、あるいはうまく伝えられずに苦しんでいることが多いと言われている。多弁でおしゃべりであっても、その言葉は、しいんとした自分の深い感情に触れることなく、湖上で空回りして、突然、激しい攻撃性をあらわしてくる。

 このような人たちは、自分の心の中にモゾモゾうずいている、辛さ、しんどさ、悲しさ、怒りや憎しみなどと向き合いながら言葉を紡いだり、誰かに伝えたりすることがうまくできなかったりする。そのような時、その悲しみや辛さなどと響き合いながら、その感情を言葉にしてくれる誰かがいれば、「辛かったね」「悔しかったね」などという共感の言葉が、共に悲しんでくれた人のぬくもりと一緒に、心の浮き輪として内面化される、という。

 また、うれしい時は、その喜びと響き合いながら、それを言葉にして喜んでくれる誰かがいれば、「よく頑張ったね」「素敵だね」という励ましの言葉が、共に喜んでくれるその人のぬくもりと一緒に、その人の心の中に心の応援団として内面化される。

 この二つの他者の存在のバランスが大切だと言われている。隣人愛とは、このような共感者となるということだろう。「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(ローマ書12:15)と聖書にもある。



合奏する三人の天使

2014-01-16 13:56:54 | 絵画
「合奏する三人の天使」
平塚在住の放浪画家 武井実

あちこちに放浪しながら丹沢の山々や
湘南の海や相模川などのスケッチをする合間に
天使の絵を描き続ける。
「なぜ天使なの?」と聞くと「好きなんだよなあ……」と返事。
三枚の絵を譲ってもらった(もちろんお金を払って)。
「俺的にはもっとシンプルな線で描いてほしんだけど」と素人の私。
注文通り描いてくれるかな。