平塚にあるキリスト教会 平塚バプテスト教会 

神奈川県平塚市にあるプロテスタントのキリスト教会です。牧師によるキリスト教や湘南地域情報、世相のつれづれ日記です。

わからない  

2015-12-28 12:33:15 | 牧師室だより

牧師室だより 2015年12月27日 わからない  

 この世の中、わからないことだらけ。しかし、わからないことを正直に「わからない」というのは、勇気がいる。特に年をとればとるほど難しい。見栄か、プライドか、恥を恐れてか、何でも分かっているような顔をして、知ったかぶりをする。しかし結局は、化けの皮がはがれて、恥の上塗りをするはめになる。

 そのわからないことを受け入れる。それを別の言い方で「信じる」という、とある本に書いてあった。なるほど。息子が家出をしても、明日は帰ってくるとわかっていたら、誰も心配はしない。けれども、いつ帰ってくるのかもわからず、生きているのかもわからなければ、胸がつぶれるほど心配するだろう。そして、わからないからこそ信じるのだ。「あの子はきっと帰ってくる」と。

 この世は実に分からないことだらけ。分からないからなおつらい。なぜ自分がこんな苦しい病気になったのか。なぜわが子がこんな困難な障害を背負わされているのか。なぜあんないい人が、こんな事故で命を落とさなければならないのか。だれひとり、納得のいく説明をしてくれないし、たとえどんな理由を並べられても納得できるはずもない。

 しかし、人間のすばらしさは、わからないことを受け入れて、なおも生き続けることができるというところにある。人間は、わからなくても信じることのできる生き物なのだ。人間は、「きっとなにか美しい意味があるはずだ」「きっと何か素晴らしいものを生み出す準備なのだ」「きっと完全で、永遠なる世界につながっているはずだ」と言える生き物なのだ。なんとすばらしい生き物なのだろう。

 勇気をもって、「わからない」と言おう。そして、さらに勇気をもって言おう。「それでも、信じている」と。

*『生きるためのひとこと』(晴佐久昌英著)177-179p引用

クリスマスってな~に 

2015-12-22 11:13:19 | 牧師室だより

牧師室だより 2015年12月20日 クリスマスってな~に 

 今では日本でも「クリスマス」という言葉を知らない人はいない。12月に入ると商店街やデパートではクリスマスセールが始まり、最近では大掛かりなイルミネーションが各地で輝き始める。プレゼント交換やクリスマスパーティーも盛んに行われ、クリスマスケーキは家庭のパーティーの定番。でも「クリスマスってな~に?」と聞くと分からない人が多い。

 デンマークの哲学者キルケゴール(1813-1855)がクリスマスにこんな話を残しています。「ある王子が農家の娘を愛した。王子は、その娘をゴタゴタの多い王宮に入れることを望まなかった。と言って、自分が変装してごまかすことも欲しなかった。だから王子は、正真正銘農夫になって娘を愛し、娘の愛を受けることにした」。

 この話から次の聖句を思い出します。「キリストは、神の身分でありながら、神と等しい者であることに固執しようとは思わず、かえって自分を無にして、僕(しもべ)の身分になり、人間と同じ者になられました」(フィリピの信徒への手紙2:6)。このクリスマスのメッセージは深く重い。

 フランシス・ハヴァガル(英国1836‐79)は、後に世界中で歌われることになった次のような讃美歌を作詞している。「主は御父の もとを離れ、わびしき世に 住みたまえり。かくも我がために さかえを捨つ」(教団讃美歌332番2節)。

 この主イエスの到来と、その独り子を与えるほどこの世を愛された神の御心を受け止め生き直すことこそ、クリスマスに相応しいことではないでしょうか。「神は人間を得るために、失うことを欲したもうた」(K・バルト、ドイツの神学者、『教会教義学』)。

 ですから、ある人は言いました。「嬉しいクリスマスはあるけれども、愉快なクリスマスはありえない」。わかりますよね。ただ騒いで、ああ面白かった、でクリスマスを終えてはならないということです。さきほどの讃美歌はこう続きます。「我は主のために なにを捨てし」。

お寺のような教会堂  

2015-12-14 11:59:20 | 牧師室だより

牧師室だより 2015年12月13日 お寺のような教会堂  

 神奈川バプテスト連合(18の教会、3の伝道所)の湘南地区の5つの教会(平塚、藤沢、湘南台、逗子第一、港南めぐみ)で「湘南祈祷会」という集まりをしている。牧師と配偶者の任意の祈祷会である。

 3か月に一度、持ち回りで会場を受け持ち、楽しい会食と祈りと交わりの時をもっている。最初に担当の教会で礼拝をし、それから近くのレストランや食堂で昼食。これが楽しみ。毎回、先生方が安くておいしい、おしゃれなところを見つけてくださり、ゆっくりおしゃべりしながら会食。

 その後教会に戻り、それぞれの教会の様子など、恵み、課題を分かち合い、祈りあう。貴重な体験談や情報を得る有意義な時でもある。ともすると孤立し、問題を一人で抱え込んで悩むことの多い牧師や配偶者にとって、課題や問題を共に分かち合い、祈り合うことは大変な励ましになる。

 時にサプライズもある。先週は湘南台のS先生の企画で、片瀬カトリック教会を訪問した。マリオ・バラーロ神父の温かい歓迎を受け、教会の歴史や聖堂・信徒会館などを案内してもらった。誰もが入れない控室(準備室?)で、祭服や聖具などの説明もしてくださった。

 この片瀬カトリック教会の聖堂はなんとお寺のような純日本風建築である。現在、日本でこのような純日本風な会堂は三つしかないそうだ。片瀬江ノ島駅から徒歩5分、境川沿いに立地して、ロケーションもよく、江の島の観光スポットとしても有名である。小田急の観光ポスターにも使用されている。

 マリオ神父はとても気さくでユーモアのある司祭である。イタリア北部の町トリノ生まれの79歳。とてもお元気。中学生の頃から教会に通い始め、放課後友だちと教会に遊びに行っていたという。18歳の時、献身の召命を受け神学校へ。26歳で司祭叙階。その後宣教師の道を示され、1年後日本へ。各地で奉仕され、3年前司祭叙階50周年。お話を聞いて地道な尊い働きに感動を覚えた。

2015クリスマスのご案内

2015-12-08 12:03:22 | 教会行事
クリスマスの喜びをあなたに!!

子どもクリスマス会 12月12日(土)10:30-12:00

クリスマス礼拝 12月20日(日)11:00-12:15
クリスマス祝会 12月20日(日)12:30-15:00

キャンドル・サービス 12月24日(木)19:30-20:30

信者さんでなくても、はじめての方でも、どなたでも出席できます。
自由献金がありますが、金額は問いません。
プログラムはありますが、特別心配することはありません。
分からなければ(不安な方は)簡単に事前にお教えします。
持ち物は特に必要ありません。
お待ちしています。教会でクリスマスを。

もの悲しいクリスマスプレゼントの思い出

2015-12-08 11:30:20 | 牧師室だより

牧師室だより 2015年12月6日 もの悲しいクリスマスプレゼントの思い出

 クリスマスの季節になると時々思い出す。私が6歳の時。もう60年前の話だ。どこで知ったか、世の中にクリスマスという行事があり、サンタクロースという人が12月24日の夜中にそっとやって来て、よい子にプレゼントを持ってきてくれるというのだ。

 しかし、子ども心に考えてみても、今までそういうことはなかったし、兄や姉たち、まわりの友だちからもサンタさんからもらったという話は聞かない。だけど、親からクリスマスプレゼントをもらったという子が少数だがいた。非常にうらやましかった。おもちゃが欲しいというより、プレゼントをもらうという喜びを味わいたかったのだろう。

 当時の私の家庭は12月に入ると、お歳暮をどうする?大掃除は?いつ餅つきをする?お正月のおせちの準備は?年始回りは?と、もう母親は大変。毎年、母親は正月三ヶ日が過ぎると、疲れて寝込んでいたほどだった。だから、クリスマスプレゼントの話なんか持ち出せる雰囲気ではなかったし、当時の我が家にはクリスマスという行事はなかった。しかし、やっぱり25日の朝、目が覚めたら枕元におもちゃのプレゼントがあった、という感激を味わいたかった。

 そこで私は思いついた、自分で自分のプレゼントを用意することを。プレゼントは持っているおもちゃの中で一番好きなブリキの自動車。それを丁寧に包装紙に包んで、24日の夜、自分の枕元に置いた。そして布団の中で翌朝のことを想像しながら寝た。明日目が覚めたら、「わあー、サンタさんからのプレゼントだ!嬉しいな」と叫びながら、包み紙を開けようと。

 期待のクリスマスの朝が来た。枕元には確かにプレゼントがあった。自分で用意したプレゼント。中身は分かっている。「嬉しい!」と言って感激するつもりだったが、子ども心に何かもの悲しくて、空しかった。プレゼントは開けられるまでもなく、そこに置かれたままだった。

 プレゼントはやっぱりもらうもの。クリスマスの喜びを多くの人にプレゼントしよう。