牧師室だより 2010年2月28日 聖書② 旧約聖書ってナ~ニ?
今週は旧約聖書についてです。旧約聖書、新約聖書の「約」とは、契約、約束の「約」のことです。では誰と誰との間の契約でしょうか?それは神と人間との間の契約です。古い契約、新しい契約とは、端的に言うと、旧約は神がユダヤ人を通して救いの約束を与え示したということ。新約は主イエス・キリストによって、すべての人々が直接救われるという約束を与え示したことです。
旧約聖書の内容は何でしょうか。39巻の内訳は、モーセ五書といわれる津法(創世記から申命記5巻)、歴史書(ヨシュア記からエステル記12巻)、文学書(ヨブ記から雅歌5巻)、預言書(イザヤ書からマラキ書17巻)です。
中心となる教え、真理は何でしょうか?①創造者なる神への信仰、②原罪の教え、③歴史を導く神への信仰。みんな重い、真理です。誰たちがそれらを伝えていったのでしょうか?三種類の指導者がいました。①預言者。神の言を預かり、上から警告を発し導く者。②知者、学者。隣に座り横から教え諭す者。③祭司。神への執り成しをなすべく下から民の重荷を担い支える者。
旧約聖書はヘブル語で書かれています。その「へブル」という意味は流れ者、川向こうから来た者といった意味で一種の差別用語だったようです。確かにユダヤ民族の始祖といわれるアブラハムはメソポタミヤからパレスチナへ寄留した流れ者でした。そんな差別的呼称を自らの誇りへ変えていったのです。神にあって差別も偏見も破壊する力強い信仰が彼らに与えられたからです。ですから、旧約聖書はその神への讃美と神への信仰告白と神のみ業がユダヤ民族を通して歴史を貫いてあることが書かれているとも言えるでしょう。
ぜひ、旧約聖書を下の聖書日課に従って読むことをお勧めます。壮大なドラマが現れます。