牧師室だより 2010年5月30日 手紙 ~親愛なる子どもたちへ~ ①
この詩は私が通っているカウンセリング研修講座で紹介されたもの。その日は、認知症―高齢者―へのケアについての学びであった。この詩の原作者は不詳、日本語訳者は角智雄さん。曲もつけられていて歌うことができる。長い詩なので一度に載せられなかったのは残念だが、次回後半を紹介する。
年老いた私が ある日 今までの私と違っていたとしても
どうかそのままの私のことを理解して欲しい
私が服の上に食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても
あなたに色んなことを教えたように見守って欲しい
あなたと話す時 同じ話を何度も何度も繰り返しても
その結末をどうかさえぎらずにうなずいて欲しい
あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は
いつも同じでも私の心を平和にしてくれた
悲しい事ではないんだ 消え去ってゆくように見える私の心へと
励ましのまなざしを向けて欲しい
楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい
あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて
いやがるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを
悲しい事ではないんだ 旅立ちの前の準備をしている私に
祝福の祈りを捧げて欲しい (次回後半に続く)
カウンセリングとは「沈黙を聞く(沈黙への傾聴)」ことに尽きると言われるが、難しいことである。神の声を聞くことも同様である。