霊長類女子最強と謳われたレスリング女子の吉田沙保里選手(36)がSNSで引退する旨発信、近く都内で記者会見し正式に引退を表明する。
吉田は、五輪3連覇、世界選手権16連覇、206連勝と絶対女王として君臨。その功績により、2012年11月、レスリング界では初、女子スポーツ選手としては3人目(女子サッカーなでしこジャパン含む)の国民栄誉賞を授与された。
連勝が途切れたのは、五輪4連覇を目指して臨んだリオデジャネイロオリンピックの決勝戦で、アメリカのヘレン・マルーリスに逆転負けを喫し、銀メダルに終わった試合だった。
この負けにより、15年間守り続けた世界女王の座から陥落した。吉田は、日本チームの主将の立場からも金メダルを逃したことを悔い、号泣したシーンは今でも印象に残っている。
引退する決意をしたのは、恩師のパワハラ疑惑も関係するらしいが、やはり、東京五輪への出場が難しくなっていたことだろう。
吉田は、リオ五輪以後、自身では本格的な練習はやらず、母校志學館大学で、後輩選手のコーチに徹していた。そのため、全日本選手権など、五輪選考試合に出る機会を逸し、今からでは遅すぎていた。
吉田は、性格も明るく、後輩選手の面倒見も良いこともあり、信望は厚いとのことだ。既に、コーチの役目を担っているが、東京五輪のスタッフに入る可能性もあり、近い将来は、日本レスリング協会の幹部になることは間違いないようだ。
霊長類女子最強の女子の次の仕事は、日本のレスリングの指導者として、世界に羽ばたく選手を作り上げることだ。