袴田巌さんは、10月9日、静岡地検が控訴する権利(上訴権)を放棄し無罪が完全に確定した。
これより先、検察トップの畝本直美検事総長が、無罪判決を「多くの問題を含む到底承服できないもの」としながら、袴田さんが「長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきた」ことから控訴を断念したとの談話を公表した。
これに対し、袴田さんの弁護団がこの発言は、袴田さんを犯人視する内容で、「名誉毀損になりかねない」などとする抗議声明を発表した。
弁護団は静岡地検に対し、談話内容の修正とともに、有罪立証した判断の誤りを認めて袴田さんに直接謝罪するよう求める声明文を提出した。
検察側からすると、証拠を捏造したとされたことが無罪判決の決め手になったという事実を承服できないことのようだ。
絶対、そんなことはあり得ないとする検察側の思いは、いかにも手前味噌であり、現実は捏造した証拠が袴田さんの死刑判決に直結したものであり、静岡地裁がそれが捏造と断定したからこそ無罪判決に繋がったのだから、そのため控訴を断念したからには、検事総長はそれを素直に認めなければならない。
検事総長の未練がましい最後っ屁のような発言は、58年間の袴田さんへの人権蹂躙や、袴田さんの苦しみに思いを寄せない法権力の奢りであり、この際、率直に弁護団の抗議を認め、自ら袴田さんに合って直接謝罪しなければならない。「関連:10月10日」
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