正さん日記

世の中思いにつれて

前から分かっていた「イージス・アショア」本体改修の必要性、姑息な国会閉会前日の停止発表

2020-06-17 13:56:19 | 政治

 昨日、河野太郎防衛相が陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」のプロセス停止を発表した。

 河野氏の発表後、安倍晋三首相も記者を前にこれを了承した旨述べた。

 2017年12月、自らトップダウンで装置購入を閣議決定し、その後、野党などの追及に対し、この装置の必要性を強調してきたことを忘れたかのように、あっさりと停止の止むなきに至った理由を語った。

 しかし、迎撃ミサイルを発射した後、ブースターが演習場内に落下しないことが分かったのは、装置購入決定後の2018年で、既にこの段階でミサイル本体の改修が必要であり、それには10年の期間と、2000億円の経費が必要になることが分かっていたようだ。

 それにも関わらず、防衛省は、住民説明会で、演習場内にブースターを100%落とせると言ってきた。

 また、東日本では「唯一の適地」とされた陸上自衛隊新屋演習場の調査報告書のデータに複数の誤りがあったことが明らかになり、新屋演習場を候補地として白紙に戻すなどの不手際もあった。

「イージス・アショア」の事実上の撤退について、今後、購入先のアメリカとどのように交渉していくのか。

 契約条件に基づき費用の清算をしなければならないが、既に日本から120億円が支払われているとのことであり、それが返還されるのか、それとも違約金などの新たな支払いをしなければならないのか。うやむやでは済まされない。

 今回の、撤退については、どうやら河野防衛相と安倍首相など少人数で決めたようで、自民党の然るべき機関にも諮っていないようだ。

 これに対し、導入決定時の小野寺五典元防衛相を始め、歴代の防衛相がかりかりに怒っているそうだが、本当に怒りたいのは、これまで振り回されてきた秋田県や山口県民だし、野党の面々だろう。

 しかも、計画停止の発表が、野党の要求をはねつけ、今日通常国会を閉じてしまう1日前の昨日だったことはいかにも作為的で姑息なやり方だ。

 就任後に、「イージス・アショア」計画の困難さを知り、そのまま次期防衛相に引き継ぐことを潔よしとしなかった河野氏が、自身の時代で停止を決めたいと安倍首相に進言し、首相の判断もあって国会閉会前日の昨日発表することになったものと推察される。

 一応、隠すことが嫌いそうな河野氏と、停止発表を作為的に国会閉会前日にした安倍氏と人間性が滲み出ている。

 政府は、ミサイル防衛については「イージス・アショア」を諦め、8隻の「イージス艦」で行うとのことだが、ミサイル防衛システムについては、日進月歩でどんどん進化しているようだ。これが、ますます防衛費の引き上げに繋がってはたまらない。「関連:6月16日

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