日本女子マラソン界の名伯楽として、高橋尚子ら多数の世界的女子選手を育てた小出義雄監督が80歳で急逝した。
小出監督は、体力に限界を感じたとして、今年3月いっぱいで監督としての現役引退を公表したが、引退表明後幾ばくも無い4月24日に死去した。
小出監督が育てた選手の中で、シドニー五輪の金メダリスト高橋尚子との二人三脚での指導は有名だ。また、バルセロナ銀、アトランタ銅と五輪2大会連続メダルを獲得した有森裕子を育てたことも知られている。
他に、五十嵐美紀、志水見千子、鈴木博美、千葉真子、新谷仁美、堀江知佳、宮井仁美、吉田直美とトップ級の女子選手を育て上げた。
小出監督は、千葉県出身、高校卒業後は農業に従事したが、陸上への憧れを捨てきれず22歳で順天堂大学体育学部に入学、箱根駅伝に3年連続で出場した。
1965年に大学卒業後、保健体育の教員となり千葉県の公立高校に勤務。教員生活23年間で、全ての高校で陸上部の監督を務め、その最後となる市立船橋高校で、第37回全国高校駅伝に出場させ、優勝に導いた。
その実績を買われ、教師を退職し、リクルート・ランニングクラブの監督に就任した。そこで、有森裕子、鈴木博美、志水見千子、五十嵐美紀、そして高橋尚子と出会い、彼女達を指導した。
1997年に、リクルートから積水化学工業へと移籍し女子陸上部の監督に就任、この時高橋や鈴木も一緒に積水へ移籍した。
小出監督は心臓を患らい、最近は体調がすぐれず入退院を繰り返していたとのことだ。このままでは指導は難しいとして引退を決意、先月3月末をもって指導者を引退したばかりだ。
4月に入って容体が悪くなり集中治療室での治療を受け続けていたが、24日午前に亡くなった。明朗快活なスタイルで多くの有力女子選手を世に出した小出義雄監督のご冥福を祈ります