アメリカのトランプ次期大統領は、政権交代に向け慌ただしく始動したが、4000人にも及ぶ交代要員を配置する政権移行チームのトップにマイク・ペンス次期副大統領を任命した。
政権移行チームにはトランプ氏の娘イバンカさんと、息子のエリックとドナルドジュニア両氏の実子3人に加え、イバンカさんの夫ジャレッド・クシュナー氏も加わる。
政権移行チームのトップはこれまでクリス・クリスティー米ニュージャージー州知事が務めていたが、ペンス次期副大統領の人脈や豊富な実務経験を買って交代、クリスティーは副委員長を務める。
トランプ氏は選挙期間中から身内や側近でスタッフを固める傾向があったが、こうした取り巻きは政権移行期間中も重要な役割を果たすもようだ。
このように、経験豊かな実務者を起用した半面、家族を含めるところなど、トランプ氏の特異性を表している。
ただ、国務、国防、司法、財務などの重要閣僚は与党共和党のベテラン議員を起用する可能性があるなど、人事の要諦は共和党に委ねるようだ。
そうなると、トランプ氏が選挙中に相手のヒラリー・クリントン氏をはじめ既成の政治家を貶していたことと矛盾する。
反面、トランプ氏が選挙中に示していた破天荒な政策は封じられる可能性があり、選挙民に支持された政策が色あせることにもなりかねない。
今後、素人大統領と、既成政治家の調整によって、政策が進められそんなに無鉄砲なことはできないのではなかろうか。「関連:11月12日」