昨日、注目の沖縄県宜野湾市の市長選が行われ、自民・公明が推す現職の佐喜真淳氏(51)が、翁長雄志沖縄県知事らが推し普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する元県幹部の新人、志村恵一郎氏(63)を約5800票の差をつけ再選された。
宜野湾市長選挙については、辺野古基地建設についてどちらが勝つかで、推進する政府・与党、反対する翁長知事や野党にとって大きなインパクトを与えるものと位置づけられていたが、現職の佐喜真氏が勝ったことによって政府・与党は辺野古建設をさらに促進することになるだろう。
反面、衆議院選挙を含め、このところ沖縄県内の選挙で連勝を続けてきた野党や翁長知事にとっては一定の打撃になったことは間違いない。
しかし実際には、政府・与党は宜野湾市長選挙で普天間基地の辺野古移設については争点化を避けてきた。翁長知事や野党は大きな争点として訴えてきたが。政府・与党は一転して佐喜真淳氏の勝利を辺野古促進のため使うだろう。
ただ、考えてみると、宜野湾市民は普天間飛行場の移設が最大の望みであり、移設先が辺野古になろうが、他の場所になろうが極端に言うとどうでも良い人が多数になるのが人情だ。
その裏付けとして、辺野古への移設賛成者の多数が佐喜真淳氏へ票を投じたようだ。だからと言って辺野古移設について、沖縄全土の世論では移設反対が多数を占めているという現実は変わりない。
普天間基地の固定化を避け、同基地の撤去後に有望施設の建設を望む人の多い宜野湾市民の世論は、自ずと辺野古基地建建設を反対する沖縄県民の望みとはずれていることを政府・与党は忘れてはならない。「関連:12月26日」