7月23日(現地時間)、北欧ノルウェーの首都オスロ市内の爆発事件に続き、オスロ郊外のウトヤ島で銃乱射事件が起き、爆弾テロで7名、銃乱射で85名、併せて92名の犠牲者が出た。
犯人は、いずれの事件も、ウトヤ島の銃乱射では警察官の装いをして犯行に及んだ32歳の極右ノルウェー人で、警察は逮捕したアンネシュ・ブレイビク容疑者について「極右とつながりのあるキリスト教原理主義者」と明らかにした。また、共犯者がいるという見方もある。
人口500万人のノルウェーは、フョルドで有名な、豊かで、犯罪の少ない社会保障の充実した国として知られているが、近時は移民に反対する国民が増え、極右勢力が拡大していることや、アフガニスタンやリビアに兵力を送りこんでいたことなど、テロが発生する要因を抱えていたことは否定できない。
ただ、今回の事件を起こしたのは、極右ノルウェー人なので、移民に反対したものか、或いは単に狂った人間の仕業なのか、少なくとも、イスラム原理主義のアルカイダ系ではないようだ。
ウトヤ島では、与党労働党の青年部約800人が、政治に関わるフォーラムを開いていたようで、湖に逃げた若者たちも銃撃された。今回のテロは、約200人が死亡した2004年のマドリード同時テロ以降、西欧では最悪の事件となった。「写真:爆弾テロが発生した現場」