隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0516.仔羊の巣

2004年11月16日 | 青春ミステリー
仔羊の巣
読 了 日 2004/11/16
著  者 坂木司
出 版 社 東京創元社
形  態 単行本
ページ数 277
発 行 日 2003/05/15
ISBN 4-488-01291-4

 

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う少し時間を置いてから読もうと思っていたが、ネットに手ごろな価格で出品されているのを見て、我慢できずに買ってしまった。僕は、たびたびこういう事がある。金の有る無しにかかわらず、前後の見境無しに行動する悪い癖だ。
今月6日に読んだ「青空の卵」(511.参照)の続編で、鳥井ホームズと坂木ワトソンのシリーズである。本書では前作より少ない3篇の中篇が収められている。
解説で著者の坂木氏は、使い捨てキャラクターは作らないと言っているが、最初の事件から係わってきた人物が次々二人の友達となっていく過程がすばらしい。覆面作家ということなのだが、もし男性だったら、これほどの人間の優しさを描けるのだから、基本的に心優しい人柄なのだろうと想像する。
友人の鳥居真一を思いやる坂木の言動は、普段忘れている何かを思い起こさせてくれる。気恥ずかしい言葉だが、今風の言い方をすれば究極の愛か。こういう本を読むと、誰かに紹介したくなる気持ちがわかる。なんとなれば、僕はそうしてこの本を知ったのだから。

 

 

初出誌「オール讀物」
# タイトル
1 野生のチェシャ・キャット
2 銀河鉄道を待ちながら
3 カキの中のサンタクロース

 

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