二流小説家 THE SERIALIST |
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読了日 | 2013/08/16 | |
著 者 | デイヴィッド・ゴードン David Gordon |
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訳 者 | 青木千鶴 | |
出版社 | 早川書房 | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 562 | |
発行日 | 2013/01/25 | |
ISBN | 978-4-15-179501-5 |
回見ているわけではないが、書評番組の一つとして見ているのが、Axnミステリーの「早川書房ブックリエ」という番組だ。これは早川書房がベテラン編集者を本(ブック)のソムリエ、ブックリエと呼んで、それぞれの担当している中からその月のお勧め本の紹介をするというものである。
いつの放送だったか忘れたが、文庫の発行日から多分昨年末か、もしくは今年に入って直ぐだったのではないか。ブックリエの一人が紹介していたのが本書だったと思う。
残念ながらどんなことを言っていたかは忘れた。その後、他のところでも、好評であることを知り、どんな内容なのか気になっていた。
話がそれるが、僕は昨日隣街の君津市の図書館へ行ってきた。僕は読み終わってすぐにBOOKOFFへ持って行って、処分してしまったから、本書の内容を再確認する必要が生じても、図書館を利用するしかない。
木更津市の図書館は貸し出し中だったので、仕方なく君津市まで足を伸ばした次第。ところが文庫棚を探しても見当たらない。ネットで検索したときは貸出可になっていたのにおかしいな、と思いつつ係員に訪ねたら、場所が違っていた上に、文庫ではなくポケミスだった。
僕が読んだのが文庫だったから、図書館の本もてっきり文庫だと思い込んでいた。
そんなこんなで、中身を確認した上で、今(9月5日)これを書いているのだが、読んだそばから内容を忘れて行くので、読後何日かは本を手元に置いておくのだが、今回は本書に限らずほかにも必要な本を間違えて処分してしまったのだ。早とちりやうっかりミスは日常茶飯事で、余分な時間と費用をかけてしまう馬鹿さ加減が嫌になる。
僕がミステリーを読む楽しみの一つは、特に本格推理などの場合には、思いもかけない結末が示されることだ。だから、読む前に出来るだけ解説や、紹介文は読まないようにしている。そうすると当然のことながら、内容を知ることなく読み始めることになる。そうして読み始めてから、好みではないストーリーと向き合うことは少なくない。ミステリー小説の宿命とでも言おうか、いや、そんな大げさなことではなく僕だけの問題か。
まあ、しかし今回は期待を裏切られることもなく、途中ホンの少し退屈する箇所もあったが、最後にはだまされるところもあって・・・・。
近頃、また翻訳ミステリーにご無沙汰が続いていることも、本書を手にした要因の一つだ。
もちろん僕が買うのは古書だ。文庫とはいえ定価1,000円もの本はなかなか新刊では買えない。こうして次々新しい本を追いかけることは出来るだけ止めようと思いつつ、続くのは僕の心の弱さだ。タバコを止められない人を笑えない。比較対象が少しずれているか?
原題の「The Serialist」(多分この場合は連続殺人機の意味だろう)を“二流小説家”としたのは、訳者-青木千鶴氏-の名訳だろう。本文中では売れない小説家ということになっている、主人公で語り手のハリー・ブロックは、そっちこっちにSFやら、ポルノ小説を書き散らしている作家だ。
そんな彼にも少ないながら固定ファン-カルト的なファンが付いていて、どうにかその日暮らしを続ける程度の収入にはなっているようだ。だが、もう少しマシな生活をと、家庭教師のアルバイトをすることになり、最初の顧客に恵まれることになった。クレア・ナッシュという裕福な家庭の高校生の少女を教えることになるが、どうもハリーはこの少女から逆に教えられることが多かった。クレアはほかの少女の家庭教師の口をハリーに世話するなど、自らをハリーのビジネスパートナーと名乗るのだ。
まあ、この高校生の逞しさには国民性の違いもあろうが、主人公のハリーと同様、圧倒される思いを抱く。
そうした中、4人の女性を残虐な手口で殺害した、連続殺人犯で死刑判決を受けて、収監中のダリアン・クレイから告白手記の書き手としてハリーが指名されたのだ。
はその小説を読むことで、関連書物への―いや無関係でも―他の書物への興味を抱くことがままある。
特に面白く読んでいる時にそういうことがあるのだ。それとは全く関係ないことだが、車のグラブコンパートメントなどという単語が出てくると、こちらでは普通、グローブボックスと言ってるが、正式にはそう言うのか、などと余分なことが頭をかすめる。
また、少女・クレアが「トイズラーズ」の棒キャンディーなんぞをしゃぶって・・・という描写があると、この企業が何年か前に日本に進出してきたときは、確か「トイザラス」と言っていたが・・・。
僕が、現役の頃(昭和50年代後半)チェーンストアのセミナーで渡米した時の現地での呼び名は「トイズラス」と言っていた。巨大な倉庫様の建物に背の高いスティールラックを使った店舗に、ぎっしりと玩具を並べていた企業が、将来日本に来るとは思ってもいずに見ていたことを思い出す。
ハリーはなぜ自分がダリアンに指名されたのか不審に思いながらも、ダリアンへの面会に刑務所に通うことになるのだが、ダリアンの手口と同じ殺人事件が発生する。模倣犯か?それともダリアンの他に真犯人が?
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