准教授・高槻彰良の推察 鏡がうつす影 |
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読了日 | 2021/04/05 | |
著 者 | 澤村御影 | |
出版社 | KADOKAWA | |
形 態 | 文庫 | |
ページ数 | 280 | |
発行日 | 2021/05/25 | |
ISBN | 978-4-04-111146-8 |
っていたより早く第6巻が発売された。付けられた帯には「ドラマ化決定!」と仰々しくあるが、それ以上の詳しい情報は何もない。いつ頃どこの局で放送されるのか、またどんなキャスティングぐで配役が決まるのかも分からない。
しかし未だ総てが不明の中でも、実現されるドラマに期待が高まるのはこの物語りの面白さを知っているからだ。だが、小説の面白さと、それがドラマや映画居なった時に、どのような変化を見せるかが問題なのだ。映像化されたものが小説の面白さを上回っているか、あるいは別の面白さを生じているか、どちらかの場合は良いが、まれには、いや多くの場合はつまらなくなってしまうことがあるのだ。
つまらなくならないまでも、小説で味わった雰囲気や味わいが異なり、落胆することも多い。
そんな場合は、小説を読んだこととは別に、もう一つの映像作品を見たことにすれば、二度楽しめるということもある。
しかし、いつもそのような都合のいいことばかりではないから困るのだ。
僕はこのシリーズのどこに面白さを感じているのだろう?60歳の時から20年余りを費やして、2千冊以上を読んでいながら、自分の好みを漠然としか把握していないのもどうかと思うが、実際振り返ってみても確たる理由は思いつかない。
だから、このブログのカテゴリーも多様にわたっており、時々自分で分類しておきながら、新たな作品の読後シリーズ作品なんかの場合、前にどんなカテゴリーに分類したか忘れて、見返したりするのだ。
そういう時にも自分の頭の記憶容量の少なさを実感する。
優秀な科学者が、早く人間も簡単に記憶装置のメモリーを増減できるような発明をしてくれないかと、期待しているのだが…。なかなか都合のいい話は出てこない。
昔千葉市の団地に住んでいたころ、毎朝車の渋滞に巻き込まれており、「よし、この辺で一つ飛び上がって、この渋滞を飛び越えていこうか。」と考えるが、だが、電線がたくさん絡まっていては、引っかかってしまうな、もうすこし先にいってからにするか。」などと思いながら走っていたことを思い起こす。
くだらない妄想だが、今では空を飛ぶ車も夢ではなくなっており、現実のものとなりつつあるから、まんざら僕の妄想も夢物語ではなくなる日もそんなに遠くではないかも知れない。
のシリーズの面白いところは、高槻准教授の好きな怪談や不思議な事柄が、科学的な見地から考察を行っていることだ。つまり、面白可笑しな題材でもまじめに解決に向かっていることが、テレビのバラエティ番組と異なり、単なるドタバタになっていない所なのだ。
たとえて言えば、前に読んだ海堂尊氏の「科学的とはどういう意味か」で、テレビなどで面積を表すのに、“東京ドーム2つ分の広さ”などという言い方をするが、東京ドームがどのくらいの広さか知らなければ、分からないということだと言っている。それはほんの一例で一般に科学と思われていることが、多くの例で科学的ではないことを挙げている。
それはともかくとして、先述のごとくストーリーを重視ており、単なる喜劇にしていない所が僕を夢中にさせている。言うは易しで何気なくそんなストーリーにしていくのは、簡単なことではないだろうと思うと、作者の腕の見せ所を余さず見ておこうと言う気にもなるのだ。
# | タイトル |
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第一章 | お化け屋敷の幽霊 |
第二章 | 肌に宿る顔 |
第三章 | 紫の鏡 |
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