国が進める新たな資源管理システムを優先的に実施するスケソウ、ホッケ、サバ類の4魚種7系統群について水産研究・教育機構がまとめた資源管理目標案、漁獲シナリオが12日公表された。本道周辺海域の主要魚種となるスケソウ日本海北部系群、ホッケ道北系群は現状の親魚量が目標管理基準値、限界管理基準値をいずれも下回っているが、禁漁水準は上回ると評価している。
国はこれに基づき7月から対象魚種ごとに「資源管理方針に関する検討会」を開き、関係者(ステークホルダー)と意見交換を進めるとしている。水産研究・教育機構の提案は、ステークホルダー会合のベースとなるもので、目標管理基準値はMSY(最大持続生産量)を達成する資源水準の値で、限界管理基準値はMSYの60%に設定、これを下回った場合にMSY水準まで回復させる計画を定めることとする値。禁漁水準はMSYの10%に設定、漁獲をゼロとすべき資源水準の値を指す。MSYは長期的に持続可能な平均漁獲量を示すもので、5年ごとに見直し更新する。
スケソウ日本海北部系群は、親魚量が目標管理基準値38万2千㌧、限界管理基準値17万1千㌧、禁漁水準2万5千㌧。2020年漁期の漁獲量は、10年後の2030年に限界管理基準値を上回る確率が50%を超える水準で5,600㌧とされる。2017年漁期のTACは6,300㌧で、漁獲量は5,300㌧だった。
スケソウ太平洋系群は、親魚量の目標管理基準値22万㌧、限界管理基準値15万1千㌧、禁漁水準7万㌧。2020年の漁獲量が、10年後の2030年に目標管理基準を中長期的に50%以上の確率で維持する水準は、16万2千㌧とされる。2017年漁期のTACは17万3千㌧で、漁獲量は9万3千㌧だった。
ホッケ道北系群の親魚量の目標管理基準値は11万2千㌧、限界管理基準値は3万4千㌧、禁漁水準5千㌧。2020年の漁獲量が、10年後の2030年に親魚量が目標管理基準値を上回る確率が50%を超える水準は1万800㌧とされる。ホッケは従来、北海道の沿岸沖合において漁獲努力量の3割削減を継続実施しており、2017年漁獲量は1万7千㌧だった。なお、17以降は資源回復の兆しが見られ、18年は2万7千㌧に増加している。