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新しい北海道水産高校実習船「北鳳丸」(634㌧)竣工、9月から初航海へ 水産高校生徒に船の魅力を伝える

2022-09-06 15:59:55 | 系統通信

 新しい北海道水産高校実習船「北鳳丸」がこのほど竣工し、9月から北太平洋に初のの実習・調査に出航する。8月2日に船籍港の函館市に回航され、発注者の北海道教育庁に引き渡された。平成13年に竣工された旧北鳳丸の代船として約20億円をかけて青森県八戸市のみらい造船八戸工場で建造された。
 新北鳳丸は、中層トロールで主にサンマ、イワシ、アジ類の調査(水産庁用船)、海洋観測を行い、道内水産高校の生徒を乗せ航海運用学および機関学などの実習に当たる。特に中層トロールに必要な最新の装置を備え、漁網監視装置、科学計量魚探、航海機器では光ファイバーによるジャイロコンパス、電子チャートテーブルを備える。船内のネット環境を調え、監視カメラを通じてリアルタイムに船内外の状況が把握できる。
 総トン数634㌧、全長約60m、幅10m、深さ6.4m、定員55名(船員27名、生徒22名、指導教官2名、調査員4名)。主機関に中速4サイクルディーゼルエンジン(1618kw)を採用し、騒音を軽減し、コンパクト化を図った。最大速力15ノット、航海速度13ノットを誇る最新鋭船となっている。居住空間は女子生徒の乗船に配慮しているほか、生徒用ベッドの幅を拡張し、より快適さを追求した。
 船型は全通二層甲板船で、 優れた復原性を有し、死角のない監視体制を確保し、航海の安全性を追求、機械・設備の省スペース、省エネ、環境対応を考慮している。道教育庁は、渡島教育局にある実習船管理室が運航を管理し、現行の若竹丸と2隻体制で水産高校の実習に当たる。さっそく9月8日から北太平洋での調査のため33日間の初航海に出る。小樽水産高校漁業科の8名と函館水産高校機関科の4名が乗り込んで実習を行う。
 小松崎節雄船長は「子供たちの安全第一に緊張感を持って臨む。せっかく最新鋭の船ができたので、実習を通して船の魅力を理解してもらい、一人でも多くの船舶職員を育てたい」と語った。

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