網走湖に近い呼人地区で発生した8千リットルの重油漏れ事故に対し、西網走、網走の両漁協は1月23日、汚染範囲の早期把握と汚染土の全量撤去を求める意見広告を出した。北海道新聞、読売新聞、朝日新聞の各紙にA4判のチラ合計1万枚を折り込み、網走市内、大空町の住民に配布した。新谷哲也網走漁協代表理事組合長はSNSを通じて「昨年3月に発覚した重油漏れ事故に対する漁業者としての懸念を皆さんに知っていただきたい」と訴えている。
意見広告によると現在、北海道、網走市、網走観光ホテル(原因者)、専門家で組織された「網走呼人地区油流出事故に関わる連絡会議」で対応が進められている。ホテル側は観測井戸による地下水モニタリングを実施し、地下水に重油が流入した場合には地下水を汲み上げて回収するとしており、5月から流出した重油による汚染範囲を把握するための調査を行い、汚染範囲が特定された後、「洗浄工法」により汚染土を浄化する計画を出している。
これに対し、両漁協は「地下水への混入を想定したものであり、重油の拡散が進むこと」を意味するとし、「拡散が進むと長い年月が必要で、浄化対策も難しくなる」と指摘。また「土中に拡散した重油の動向を把握することは難しく、何時どのような形で河川・湖沼に重油が流出するか私たちは日々その不安を抱え続けなければならない」としている。
さらに「重油が河川・湖沼に万が一流れ出し、風評も含め漁業や観光に被害が出た場合には、ホテル側と利害関係者である私たちが直接交渉することが想定され、重油による実際の被害を全て立証するのは非常に難しく、その労力と費用は相当な負担」となると早期の問題解決を求めている。
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