絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

恩師

2009-09-01 | 日記
同級生にお知らせです。
小学校5年生の担任だった金井先生が亡くなりました。

私は、5日くらい過ぎてから知ったので、告別式には行けませんでした。
それで、8月30日にお線香をあげるためご自宅まで行ってきました。

亡くなったのは、25日だったそうです。

二ヶ月くらい入院していて、最後は肺炎というお話でした。
お医者さんもまだ亡くなるとは思わずに、家族に知らせるかどうかと思っていたそうです。食べられなくなって、点滴で過ごしていましたが、最後は苦しむこともなく眠るようにというお話でした。

私は、昨年の秋にお会いしたのが最後でしたが、その時は悪いところがすっかりなくなって、いい調子なんだよとおっしゃっていて、この10月に88歳になるんだと元気でお話されていました。

あれから、一年経ち、また豊水という梨ができる季節なので、先生に届けようと思っていたところで、この訃報に接しました。

もう5日が過ぎていたので、他の弔問の方もなく、奥さんとゆっくりお話しすることができました。

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金井先生は、我々教員になった教え子は、本当に衝撃を与えてくれた先生でした。
いま、先生になっている同級生は、みんな金井先生をお手本にしていると思います。

小学校の先生としては考えられないような取り組みをしました。

その第一は、毎日日記を書いて提出させたことです。
それを、先生は帰りまでに見て、優、良上、良、良下などの判を押して、返してくれるのですが、それを一年間続けました。

作文の苦手な私はとても大変でしたが、嫌々ながらもやらされました。
6年生になって、担任が変わって、ほっとしたことを覚えています。もう日記を書かなくていいんだと。しかし、なんということでしょう。ほっとしてしばらくしたら、また日記が書きたくなり、その後、ずっと書いているのです。

55歳の今は、二カ月で一冊書くようになりました。ここ7年で40冊ほど書いています。

私は、国語力が弱いです。どちらかというと数学の方が好きでした。
だから、自分が本を書くなんて考えられないことでした。
その私が、本を書くなんて、同級生が知ったらみんな驚くと思います。
だから、私が本を書けたのは、日記のお陰かもしれません。その切っ掛けを与えてくれたのは、元をたどれば金井先生なのです。

また、音楽と言えば、荒城の月でした。これ以外やった記憶がありません。
実は、野ばらはやったと思います。しかし、他の曲はやったのでしょうか。

とにかく、荒城の月しか記憶にないのです。
それは、全員で合奏をしたからです。このときに、音楽には第一楽章、第二楽章というものがあることを教えてもらいました。最後は第三楽章まで覚えました。そして、他のクラスの前で、その合奏を披露しました。
各クラスで出し物をする企画だったのかどうか忘れましたが、とにかく、他のクラスの前で、演奏をしました。

その合奏の練習では、ハーモニカがメインなのですが、そのハーモニカに検定試験のような形を作って、何級という審査をしてもらうのです。なんとかして上の級になるように、放課後試験を受け続けたことを覚えています。

二学期になると、今度は毎朝詩を提出させました。そして、三重丸以上の詩は、先生がみんなの前で紹介してくれました。私も一回だけ読まれたことがあります。

優秀な子は、何度も読まれていました。

金井先生は、いろんな取り組みをして、みんなの良いところを引き出そうとしていたなあと思います。

実は、この先生は、義足でした。戦争で足を切断したのです。ビルマまで行ってそのような負傷をして帰りました。

だから、体育の授業はできません。そのため、他の先生が代わりにやってくれました。
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一学期が終わると、日記の優の数を数えさせて、その数で成績をつけたかなと思います。専門が国語だったためか、優秀な児童には、作文コンクールにも挑戦させて、優秀な成績をあげたようです。

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音楽の苦手な、私のような人間でも、未だに荒城の月の第1楽章から第3楽章までピアノで弾くことができます。これは、大変なことですよね。
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小学校では、ここまではやらないということをやってくれたと思います。
先生はこの取り組みをどうして、本にして残してくれないのかなと思いました。

そのように言ったことがありましたが、先生は笑っていました。国語の先生なんだから書いておいてくださいよ。後の先生たちの参考になるんですからと。

とにかく、私も教員になりましたが、小学校時代に金井先生に出会ったことは、私の教員生活に大きな影響を与えてくれたと思います。

感謝、感謝の先生です。
謹んで、ご冥福をお祈りいたします。



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