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絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

構図の基本的な考え方

2009-08-04 | 美術
1,テーマ設定
   まず、考えてほしいことは、何を描きたいかです。

もちろん、いろいろなものを見ていて、いいなあと思うものがあった時に、それをその場で、新鮮な感動のもとで、描き進めるのが理想ですが、なかなか状況が許さないことが多いです。だから、画家は良い物に出会った時に、心に留めておいて、それを描くことができたらいいなあと思っています。

今回の場合は、人形の絵を描きたくて、良い人形がないかなと探し求め、いろいろカタログを見ていたら、描いてみたいものが見つかったので、それをわざわざ購入したそうです。かなり高額なんですね。驚きました。

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まず、何を描きたいか、?静物画の場合は、これがテーマです。

  主役は人形に決定!!

この方は、人形をテーマにしました。言いかえると、「主役が人形」です。

ということは、それ以外の物が脇役になる訳です。
私は、このタイプの絵はドラマと同じに考えてよいと思っていますので、主役をいかに目立たせるかを考えます。テーマが伝わらないドラマは、何が言いたいのか分からない主張の弱いドラマになってしまいます。

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そこで、周りに置くものは、人形よりも目立たないものにします。
ただし、他の物が目だたなすぎるのもよくありません。つまらなくなるからです。

 二番手は、バイオリン

だから、バイオリンを置いたことはなかなか良いと思います。
(これは、映画なら助演男優みたいなものでしょうか。黒沢映画なら三船敏郎に対する仲代達也みたいな感じです。)
ただし、置き方によっては、バイオリンの方が目立ってしまうことがあるため、注意が必要です。
そんなことを考えながら、バランスを考え、流れを考えて、配置をしていきました。バイオリンの置く角度は、なかなか良いと思います。ちょっと気になるのは、バイオリンと弓が、上の植木鉢と接戦の状況になっていることです。その点は、もう一度、やり直しです。

植物を置いて、まばらな形が出てきたり、動きが感じられたりして、楽しい感じがします。植物のバランスを考えると、左側にももう少し、混雑した葉があってもよいのかなと思います。

幾何学的な形より、自然な形が多いので、まとめるためには、下をある程度揃えた方がよいかなと思って、植木鉢を同じライン上に並べてみました。少し、同じ形が繰り返されるので、検討が必要かなと思います。植木鉢の下のお皿が同じように白いので、その辺も考えなければならないかもしれません。

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そう考えると、まだまだ、検討の余地はたくさんあります。
しかし、これは全てを私の好みで変えるわけにはいきません。全てをやると私の絵になってしまいます。本人の意向を大切にして、それに対して、アドバイスをする方法をとります。

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2、構図(トリ―ミング)

一応、それが済んだら、今度はトリ―ミングです。
このモデルをどのように切り取るかです。

今は、空間が広すぎて、間が抜けています。このままでは、主役の人形が小さくて、インパクトが弱いです。
一応、このままで、やってみたのが、これです。
このくらいに切り取ると、主役の主張が強くなって良いと思います。



3、光の設定

夕方、もう一度行って、光を考えてみました。
光を左から当てたらどのように変わるかを見てみました。

あまり、強く当たらないので、スポットライトも使ってみました。
この方が良いのではないかと思います。



左の白い布の半分を影の中に入れてみました。この方が人形に当たる光がいい感じに見えます。
下の植木鉢の白い皿を取り外して、暗い布を置いてみました。もう少し薄い敷物があれば、その方が良いと思います。
左側に植物を足しました。この方がバランスが良いと思います。

背景の両サイドは、塞いだ方が良いでしょう。
右側は、暗い布で、左側は人形の上の青の布と同じにすると落ち着くと思います。

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