はじめてのマンドリン

ある日突然、マンドリンの音色に恋をした
初めて手にした時から、ささかやかな感動を綴っています

本「ツナグ」

2013-06-19 11:25:14 | 本・映画・ドラマ
辻村深月さんの「ツナグ」を読みました。


一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。
突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌告知出来なかった頑固な息子、
親友に抱いた嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員……
ツナグの仲介のもと再会した生者と死者。それぞれの想いをかかえた一夜の邂逅は、
何をもたらすのだろうか。心の隅々に染み入る感動の連作長編小説。-------

映画化されているけれど、それは、まだ見ていない。
映画化するのは、きっと難しそうだ…と感じた。

前半は、使者(ツナグ)に依頼して、亡くなった人に会いたい人の視点で書かれていて、
「死」というものが、ずっしり、心に重くのしかかってきた。

・・・・いや、読んでいる最中に、死を目前にしてしまっている人に会い、「死」について、
どっぷり考えてたから、かもしれないけれど。

後半は、その役目をしている、ツナグ視点で描かれている。
後半は、とてもよかった。というか、依頼してきたが、「その人の死」を受け入れ、
前を向いて歩き始めている様子が垣間見えたから。
また、ツナグ自身も、両親のナゾの死を、自分なりに納得できた様子だったから。


亡くなった人に一夜だけ会うことが、その人にとっていいこともあれば、そうでないことも
あるだろう。その全部を傍に居て、一緒に受け止めるというお仕事は、とても精神的にタフ
じゃないと務まらないな…なんて、思った。
人の死を思うだけで、気持ちが低迷してしまう私などには、到底無理そうなこと。

でも、もし、ツナグの存在が本当にあったとしたら、私は、誰かに会いたいのだろう?
真っ先に頭に浮かぶ人は居る。
でも、一生にただ一度なのだとしたら、これからの人生、また会いたい人が出てくるかも
しれないので、とっておきたい気もする。

「死」というものについて、考えさせてくれました。
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