このMGM時代の録音も、今では12曲も多い42曲入りCDで聴くことができます。バンド・マスターのウディ・ハーマンとの掛け合いも楽しい「Life is just a bowl of cherries」や、ストレートな解釈のスタンダード曲の数々、妹のようと言っていた後輩のサラ・ヴォーンとのデュエット、豪華なバック等、充実の内容です。
一つ残念なことに、パイド・パイパーズのコーラスが付いた、滑らかさがゾクゾクする「Love me or leave me」がどちらにも入っていませんが、ほとんど曲の重複がない他のVerveレーベルのCDで聴けます。息の長い音楽生活で古いSavoy録音,後のStax録音等ありますが、素晴らしい声質も最高潮のこの時代が一番楽しめます。
音と全く関係ないですが、CDジャケットで、着用の上着袖ボタンが欠けているのが見えます。無頓着なところが、堪らなく良いですね。
全体が気になる。
昔会社の会議などで皆が上着を脱いでいて、確かに着たまま腕を机に上げると上腕前側でつかえて窮屈という事例など、気にはなっていました。また、そういう問題をクリアする本格的な構造を持つ服があるはずだ、ということも知ってはいました。
その頃、世間はまだ緩い服の流行から抜け切れていないので、クラシックな服がもて囃されるまでまだ間があります。ごく一部の目筋の利いた店に、そっと並べてあるだけでした。
しかし、服の歴史を積み上げた人々のDNAを受け継いだ人が作るものだったら、「本格的」と言える要素を具えているだろうとは想像がつきました。
そうした観点から、少しずつこれはと思う品を集め始め、何か分かり始めると徐々にまた入れ込むという段階に入り、家内と行きはじめたイタリアでは、人好きのする服飾関係者達が毎回よくしてくれたこともあって、色々楽しく仕入れさせてもらいました。その間に伊製高級既製服も巷間に出始めます。
そんなこんなで、商品をどう改善するのが良いか考えが形を成してきたある日、業界の大先輩で敬愛するデザイナーに、特に素晴らしい出来のジャケットを数点試着してもらいながら温めていた事を伝えると、「そうなんだよ。表面的なデザインだけじゃなくって、こういう本格的な物が作りたかったんだよ」という反応で、物事が前進するうれしい瞬間でした。
残念なことにその方も既に退社されています。しかし、十年ほど前の会議で「最近、外を歩いていると、ひどいカッコして歩いてる人が増えている気がする。私なりになんとかしたいという気持ちで商品を作っている。」という気概に満ちた言葉が忘れられません。
似た話を思い出しました。その話の前後、イタリア旅行中、前日地元で会ったナポリの仕立屋さんが、明日ローマへ行くからアトリエに寄らないかと言うので、寄ってみると10畳くらいの総鏡張りフィッティング・ルームに、1930年代の絵型が貼ってある。丁寧に解説してくれてたんですが、最後はゲキしてました。
曰く、「最近じゃカジュアル、カジュアル、カジュアルって、ちゃんとしたカッコも知らないのにっ!」
ご存知かと思いますが、映画で見るみたいに、怒ってないのに語気荒くなったり演劇的なんですね。もちろん私は礼を尽くして、タイをしていました。
上記のような話からだけでもないのですが、このブログでは多分タイのないスタイルは登場しないと思います。見ていただく方によって違うとは思いますが、タイがあってもファンシーというか、充分リラックスした雰囲気だと考えているんだと思います。
今回タイは、ジャカードのジオメトリック。シャツは、サックス・ブルーに白のグラフ・チェック。ポケット・スクェアはペイズリー。
とりとめのない長い話になってしまいました。
一つ残念なことに、パイド・パイパーズのコーラスが付いた、滑らかさがゾクゾクする「Love me or leave me」がどちらにも入っていませんが、ほとんど曲の重複がない他のVerveレーベルのCDで聴けます。息の長い音楽生活で古いSavoy録音,後のStax録音等ありますが、素晴らしい声質も最高潮のこの時代が一番楽しめます。
音と全く関係ないですが、CDジャケットで、着用の上着袖ボタンが欠けているのが見えます。無頓着なところが、堪らなく良いですね。
全体が気になる。
昔会社の会議などで皆が上着を脱いでいて、確かに着たまま腕を机に上げると上腕前側でつかえて窮屈という事例など、気にはなっていました。また、そういう問題をクリアする本格的な構造を持つ服があるはずだ、ということも知ってはいました。
その頃、世間はまだ緩い服の流行から抜け切れていないので、クラシックな服がもて囃されるまでまだ間があります。ごく一部の目筋の利いた店に、そっと並べてあるだけでした。
しかし、服の歴史を積み上げた人々のDNAを受け継いだ人が作るものだったら、「本格的」と言える要素を具えているだろうとは想像がつきました。
そうした観点から、少しずつこれはと思う品を集め始め、何か分かり始めると徐々にまた入れ込むという段階に入り、家内と行きはじめたイタリアでは、人好きのする服飾関係者達が毎回よくしてくれたこともあって、色々楽しく仕入れさせてもらいました。その間に伊製高級既製服も巷間に出始めます。
そんなこんなで、商品をどう改善するのが良いか考えが形を成してきたある日、業界の大先輩で敬愛するデザイナーに、特に素晴らしい出来のジャケットを数点試着してもらいながら温めていた事を伝えると、「そうなんだよ。表面的なデザインだけじゃなくって、こういう本格的な物が作りたかったんだよ」という反応で、物事が前進するうれしい瞬間でした。
残念なことにその方も既に退社されています。しかし、十年ほど前の会議で「最近、外を歩いていると、ひどいカッコして歩いてる人が増えている気がする。私なりになんとかしたいという気持ちで商品を作っている。」という気概に満ちた言葉が忘れられません。
似た話を思い出しました。その話の前後、イタリア旅行中、前日地元で会ったナポリの仕立屋さんが、明日ローマへ行くからアトリエに寄らないかと言うので、寄ってみると10畳くらいの総鏡張りフィッティング・ルームに、1930年代の絵型が貼ってある。丁寧に解説してくれてたんですが、最後はゲキしてました。
曰く、「最近じゃカジュアル、カジュアル、カジュアルって、ちゃんとしたカッコも知らないのにっ!」
ご存知かと思いますが、映画で見るみたいに、怒ってないのに語気荒くなったり演劇的なんですね。もちろん私は礼を尽くして、タイをしていました。
上記のような話からだけでもないのですが、このブログでは多分タイのないスタイルは登場しないと思います。見ていただく方によって違うとは思いますが、タイがあってもファンシーというか、充分リラックスした雰囲気だと考えているんだと思います。
今回タイは、ジャカードのジオメトリック。シャツは、サックス・ブルーに白のグラフ・チェック。ポケット・スクェアはペイズリー。
とりとめのない長い話になってしまいました。