Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

Junior Parker +中も気になる。

2009-10-25 | Blues
 今日の一皿と言っても食べられないんですが、ジュニア・パーカーです。ゴースト・バスターズとは何の関係もないです。

ジュニア・パーカーは子供の頃から、サニー・ボーイのラジオ番組「King Biscuit Time」のファンで、憧れの人の演奏スタイルをよくこなしていたそうです。
また、近所には将来ジュニア・ウェルズと名乗ることになる少年もいて、10代のうちにそのサニー・ボーイの元でプロとしてのキャリアをスタート。
まだ歌うことはなく専らハープを吹いて、腰の落ち着かないサニー・ボーイがホーロー(鍋じゃないんですが)でいなくなった穴を埋め、次にハウリン・ウルフのバンドに加わり、二十歳過ぎには、のちにプレスリーやポール・バターフィールドも歌う「Mystery Train」を吹き込みます。

その後、1953~66年までDukeレコードに所属。いくつかのコマーシャル・ヒットにも恵まれ、充実したレコーディングを残しています。画像の盤は日本編集で、ブルースマンとしてのパーカーが一番よく捉えられていたと思います。特に日暮泰文氏の解説が懇切で胸がすく思いです。

 ブルースより先に、道端でゴスペルを歌って鍛えた喉のせいか器用さのなせる業か、声質のよさとスムーズなフレージング、バックのPat Hare,Clarence Hollimon,Wayne Bennett等のミュージシャンの素晴らしさがよく挙げられますが、プラスして曲によるアレンジがパーカーにうまく合致して、他の誰とも違うスタイルが出来上がったと感じます。



中も気になる。

 誰かが神々は細部に宿ると言ったり、今話題のココ・シャネルが「見えない所は、見える所と同じくらい大事」と言ったからではありませんが、中も気になります。ちょっと前回のタイトルに引っ掛けすぎていて、無理やり感もありますが...

或る年、イタリアで良いタイがなかなか見つかりませんでした。
その代りしばらく見なかった英国メーカーの品が、あちらこちらの店で取り扱われていました。しかもそのほとんどが良い色柄で、どの店にも同じものがなく、発注によるレベルの優劣も感じられないという充実ぶりです。迷わず買い集め、気に入ったのに唯一買わなかったのは店のおじさんがペンで汚した一本だけ。もちろん、分けた方々にも喜ばれました。

帰って暫くした頃セレクト・ショップの人が、「最近良いタイがないという話になっているが、何かなかったですか」と言うので件の英国メーカーを奨めました。ちょうどその頃はまだ、イタリア物だったら何でもいいという時期だったのですぐには食指が動かなかったのか、忘れかけたころようやく店頭に並びます。
でも残念ながら、作り手が得意な伝統的な絹織物も、イタリア人の発注のような生地に合った芯地も選ばれてはいませんでした。
一社入れると競合他社も、というわけで次のシーズンにはバリエーションも増えたようです。

 そんなある日、会社で取引をしていたメーカーの展示会に行くと件の英国タイが並んでました。懐かしいなと思いながら見てたんですが、やっぱり内容は芳しくありません。他の方に入れた理由を聞くと、〇〇社とか〇〇社が扱ってたからとのこと。「ブランド入れても内容伴わないと...」とかお節介なこと考えたと思うんですが、初対面で相手をしてくれる中間管理職の方に、まさかそんな失礼なことは言えません。

そこで、お茶を頂きながら当たり障りない世間話とかして帰るはずだったんですが、いつしか話の袋が綻びてしまい「あの、服とか扱ってるとそのうち中も気になるんですけど、ネクタイも色々集めて比べると解ることがありますよね。ウールの芯地をこう処理してこんなふうにするともっと良くなると思ってるんですけど、しないですか」とうとう言わなくていいようなことを言ってしまい収拾がつかないので、困惑気味の相手を残してロード・ランナーのように退散してきました。



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