Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

Don't shoot me I'm only the piano player

2010-03-25 | Jazz
  一昨年末、アメリカで強盗に入られた商店の防犯カメラの映像が、ニュースで流されていました。
その映像では途中から強盗に店主が反撃し形勢逆転、今度は強盗が手を合わせて許しを乞う場面にキャプションがついて、失業によって困窮しこんな事を仕出かしたとありました。
すると強盗に銃を向けていた店主が、レジから金を取り出し、いくつかの売り物の食料品と共に強盗に与えたのです。

そして一年後の昨年末、強盗を働こうとした男から、与えた額のお金と更生の機会を与えてくれた事への感謝の手紙が届いたというニュースが流れました。

現代にもこんなO・ヘンリーの話みたいな事があるんですね。



内田洋子、シルヴィオ・ピエールサンティ著「三面記事で読むイタリア」(光文社新書)の『ギャングスターが愛したピアニスト』に風光明媚で有名なシチリアのサン・ドメニコ・パレスホテルの専属ピアニスト、キコ・シモーネの話が紹介されています。
1928年から48年までアメリカで生活したキコは、その後故郷のシチリアに帰ります。滞米中にニューヨークの有名なナイトクラブでピアニストとして働き、のちに映画などで伝説的に語られるようなボスたちと知り合う事になりました。
友人たちが「ピアニストを撃つな」というプレートをプレゼントしてくれるくらい危険な目にもあった事があるそうです。

九十歳になるまでに知り合った男の中でも、ジョー・アドニスが最もエレガントだったとキコは語っていますが、残念ながら私はアドニスの写真を見た事がありません。
でも、キコが知り合った内の一人、ジョー・ボナンノの話をゲイ・タリーズが書いた「汝の父を敬え」を以前読んだ事があり、その口絵に素晴らしいコート姿のボナンノが写っていてとても印象に残っているので、それ以上というなら大したものに違いありません。

イタリアのあるブランド・オーナーは、ここ数シーズン「何を着るかではない、それを着て何をするかだ」と言っているので、額面通り受け取れないにせよ、そういう意味では行状からは全くお手本になりませんが。


お陰様で百五十回目を迎える事ができました、ありがとうございます。
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