Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

懐かしい通り

2010-03-02 | Soul
 今回の三画像は、前々前回三画像(スーツ)と一緒に作ったもので、天気も良くなかったので雰囲気が反映されています。今週もはっきりしない空模様らしいので、好天により御蔵入りしそうだったのを使いました。

実物のシャツは本来きれいな淡いブルーですが、残念ながら以前と同様くすんで写っていますので、恐れ入りますが頭の中で調整してご覧ください。
重複しますが、稀にある経糸・緯糸とも同色のグレーやベージュのようなくすんだシャツは、顔写りが悪くなるので避けたいです。



前回ミラノのトラムの話を書いていたら思い出したのですが.....
ジュリアン・デュヴィヴィエ監督、ジャン・ギャバン主演の「望郷」で、犯罪者としてパリを追われカスバに潜伏する主人公ペペ・ル・モコの元に、懐かしいパリの匂いを発散させるギャビーという女性が舞い込んで来ます。
二度と戻れないパリへの郷愁を掻き立てる物や通りの名前を、懐かしそうに二人で数え上げていくという場面があったかと思います。

白井さんは記憶力が良いので、一緒に歩いているとイタリアで行かれた先々の話をするのに、通りの名前がしばしば出て来ます。
私も初めて行った時は何の情報もなかったので、ホテルの電話帳で良さそうな商店を調べ、そのメモを頼りに通りの名前を地図上で捜して訪ね、余裕があれば印のない近隣の通りもリサーチするという、今では懐かしいアナログさで良い物はないか探して歩き廻っていましたので、なんとか話について行きます。

スタートに電話帳で行き先を捜そうと思いついたまでは良かったものの、まだ勉強していなかったのでAbbigliamentoという言葉も知らず、紳士服という項目さえ捜せずに途方に暮れたものです。

ところが、日本と同じで大きい商店は囲みの広告を電話帳に出しているので、その扱い品目から紳士服店のページを突き止める事ができました。そうして訪ねる街ごとにそれを繰り返しました。

そんな事をしていたので、住んでいた訳でもないのに記憶を呼び覚まされる名の通りが、訪れた事のある街にはいくつかあります。

須賀敦子さんの本を読んでいると、たまたま何遍も歩いて掌を指すように知った街区が出て来て懐かしい思いがします。
今そんな思いになるのは白井さんとお話していて、通りや店の名を挙げる時でしょうか。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする