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【速報】JAXA探査機「SLIM」、日本初の月面着陸に成功–世界でも5カ国目の快挙 1/20(土) 2:16配信 UchuBiz

2024-01-20 05:50:08 | 日記
【速報】JAXA探査機「SLIM」、日本初の月面着陸に成功–世界でも5カ国目の快挙
1/20(土) 2:16配信
UchuBiz



宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月20日、小型月着陸実証機「SLIM」の月面着陸が成功したと発表した。日本初の快挙で、世界でも5カ国目の快挙となった。

 ただし、現時点で太陽電池が発電しておらず、バッテリーで駆動しているという。今後データを集めて探査機の状況を確認する方針だ。

 SLIMは1月20日午前0時頃に着陸降下を開始した。テレメトリ画面上では順調に降下を続け、午前0時20分に予定通り月面に到達した。しかし、着陸の成否はすぐにはわからなかった。

 プレス会場にいたJAXAの川勝康弘教授は「テレメトリ画面から読み取れること」と前置きしたうえで、加速度の数値が月面の重力加速度と同じ値を示している点、そして、SLIMからの時刻が更新されている点を踏まえ「SLIMは月面に到達し、安定して通信していると思われる」と述べた。

 なお、SLIMから放出された超小型探査機の1つである「LEV-1」はSLIMの着陸後も運用を継続していると、LEV-1の公式X(旧Twitter)アカウントが投稿していた。

 1時間半が経過してもJAXAは成否を「確認中」としていた。JAXA川勝氏はプレスセンターで「JAXAは何を調べている?」との問いに対して「何が起こっているかでしょうね。もともと準備していた文章をそのまま使えない状況だと思うので、それを調べている」と述べた。

ソフトランディングに成功

 JAXAはその後、午前2時10時に会見を開き、宇宙科学研究所で所長を務める國中均氏が「ソフトランディングに成功した」と発表した。通信も確立しており、地球からのコマンドも正常に受信しているという。

 また、搭載する超小型探査機の「LEV-1」および「LEV-2」の分離に成功したことも確認した。今後、LEV-1とLEV-2が搭載するカメラで月面上のSLIMの撮影を目指す。

 なお、SLIMは現時点で太陽電池が発電しておらず、バッテリーで駆動していることも明かされた。そのため、ヒーターをオフにするなど延命措置を図っているが、バッテリーが持つのは「着陸してから数時間」程度だという。

 太陽電池が駆動しなかった理由について國中氏は「太陽光パネルが想定した方向を向いていない可能性がある」と述べた。

 「軌道上では太陽電池パネルは正常に作動しており、着陸後に太陽電池パネルだけに損傷を受けることは考えづらい。SLIMは軽自動車サイズで大変コンパクトな設計で、太陽電池だけを機能させないような壊し方は難しく、太陽電池のハードが壊れたとは考えていない」(國中氏)

 今後の対処については「バッテリーが枯渇して探査機の機能が失われたとしても、太陽の向きが変わって、今の状況では当たらない方向から太陽電池に光が戻ってくる可能性もある」(國中氏)とし、そうした場合には探査機の機能を復旧できると説明した。

 また、JAXA宇宙科学研究所で副所長を務める藤本正樹氏は「バッテリーの終わりがミッションの終わりだとは思っていない。その先の手をはやく考えたい」とも述べた。

SLIMとは

 SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)は、将来の月惑星探査に必要な高精度着陸技術を実証する小型探査機だ。国産基幹ロケット「H-IIA」47号機によって2023年9月7日に打ち上げられた。

 月面の狙った場所へのピンポイント着陸技術の実証を目的としており、着陸誤差は100m以内を目指している。

 なお、ピンポイント着陸の成否は今後1か月程度で評価するとしているが、「肌感覚として100m精度のピンポイント着陸は成功した可能性が高い」と國中氏は述べた。

見上げた月にSLIMがいる

 SLIMの着陸成功を踏まえ、JAXAで理事長を務める山川宏氏は「宇宙分野は非常に厳しい競争がなされているが、日本の国際競争力を拡充し、国際協力も同時に進めていければと考えている」と述べた。

 藤本氏は「月惑星探査は行って写真を撮って終わりではない。月を見上げるたびにSLIMがあそこにいて『なぜあそこに行ったんだろう』と考えるようになる。今回の成功の意味はものすごく大きい」とした。

 國中氏は「宇宙事業はJAXAだけでは実現できず、ものをつくる、調達する、組み立てる、設計するというのは日本企業の多くの皆さんのノウハウがあってこそ。大学の先生方にも協力いただき、日本全国の皆さんの協力があって(月面着陸が)実現した。皆さんにお礼を申し上げたい」と感謝を述べた。

(更新完了)

小口貴宏(編集部)