大手証券首脳、日経平均は4万円台乗せ-日銀政策に地震の影響も
佐野七緒、中道敬、梅川崇
2024年1月4日 12:51 JST 更新日時 2024年1月4日 14:06 JSTブルームバーグ
SMBC日興「9月にかけ4万円大台」、野村「海外投資家が関心」
日銀マイナス金利解除、地震の影響で1月の可能性が低下との指摘も
国内大手証券3社のトップは4日、2024年の日経平均株価について、1989年12月に付けた取引時間中の過去最高値3万8957円を上回り、4万円が視野に入るとの見通しを示した。日本証券業協会などが開いた年頭の賀詞交歓会で記者団の取材に答えた。
日経平均株価は2023年、33年ぶりの高値を更新。市場では海外投資家がさらに強気になれば、日本株の上昇は勢いを増すとの見方も出ていた。
SMBC日興証券の近藤雄一郎社長は、日本株に大きなリスク要因は見当たらず、個人消費増や設備投資拡大、経済対策が追い風になると指摘。日経平均について、1月に安値で3万1000円まで下げる可能性があるが、9月にかけては4万円の大台に乗せると予想した。
また大和証券グループ本社の中田誠司社長は、日経平均が今年4万円に向かい、12月に高値を付けると予測。野村ホールディングスの奥田健太郎社長も企業業績が良く、賃上げの話も出てきている上、「海外投資家が日本株にすごく関心を持っている」などとした上で、24年度後半にかけ「4万円をチャレンジする」との見方を示した。
一方、日本銀行のマイナス金利の解除については、1日に発生した能登半島地震の影響で1月に行われる可能性が低下したとの指摘も上がった。
SMBC日興の近藤氏は「日銀の利上げは4-6月に出てくるのではないか」とし、地震影響の見極めで1月の可能性は低くなっていると述べた。
野村HDの奥田氏は「日銀の金融政策については、当初1月利上げを考えていたが少し遅れるのではないか」とコメント。地震の影響については現時点では分からないとした上で、影響が大きくなければ利上げは早めになるとも言及した。
4日は全国銀行協会の賀詞交歓会も行われた。加藤勝彦会長(みずほ銀行頭取)は日本経済に関して「成長と分配の好循環が間違いなく回転し出している」と指摘。「欧米は金融引き締めの影響が表れるなど世界経済のスローダウンが想定される」としながらも、「日本経済については昨年に続く高水準の賃上げの実現が期待される」と語っている。
以下は大手証券3社トップのコメント。
SMBC日興証券の近藤雄一郎社長
日経平均は1月に安値で3万1000円まで下げる可能性があるが、9月にかけては4万円の大台に
日本株に大きなリスク要因は見当たらず。個人消費増や設備投資拡大、経済対策が追い風に
日銀の利上げは4-6月に出てくるのではないか。地震影響の見極めで1月の可能性は低くなっている
新NISAは明るい材料、しっかりやっていきたい
大和証券グループ本社の中田誠司社長
日経平均は今年は4万円に向かっていくのでは。12月に高値か
今年は上昇がキーワード。金利、賃金、株価も上がる
米大統領選挙後、結果にかかわらずマーケットは強いと予測
インフレヘッジのため運用を考えざるを得ない状況もつくり出される-新NISAについて
野村ホールディングスの奥田健太郎社長
日経平均は24年度後半にかけ4万円、バブル後の最高値をチャレンジするのではないか
企業業績が良く、賃上げも出てきており、海外投資家が日本株に関心を持っている
日銀の金融政策については、当初1月利上げを考えていたが様子見になるのではないか
新NISAスタートし資産運用立国の考え方を具現化する年で全社を挙げて取り組んでいきたい、今年一番のプライオリティー
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