芋焼酎はいかがですか?

英国の情報交換の場であったコーヒーハウスで芋焼酎はいかがですか?

『不測と想定外』

2011-04-26 07:07:07 | Weblog

日、アンソニー・ギデンズの『モダニティーと自己アイデンティティ』を読んだ。

東日本大震災の福島原発事故の記者会見で多用された「想定外」という原子力の専門家たちから発せられる責任逃れの言葉が強く記憶に残っていた。

ゆえに次の記載はまるで今回の事件のことを見通していたかのよう思える記述であった。

 

「原子炉事故のリスク推定によく使われる手法は、故障系統図をデザインすることである。起こりうる原子炉の障害につながるすべての既知の道筋を挙げ、これらの道筋に通じるありそうな道筋を特定していくことで、欠陥の系図が作成される。最終結果は、建前としては、かなり正確にリスクを特定しているとされる。この方法は原子炉の安全性の研究において、米国とヨーロッパのいくつかの国で使われてきた。しかし、これは様々な不測の要因を残すものである。人間のエラーや破壊工作のリスクについて信頼に足る推測をすることは不可能である」

 

「コウナゴ」、「ほうれん草」、「ブロッコリー」、「牛乳」など

出荷制限の対象が広がっている。

ペットボトル入りの「水」も一時期、店頭から姿を消していた。

放射能の影響がどこまで及ぶのか、素人の私にはまったく分からない。

私に気付くことは

わざと専門的に言葉を使い分けて

一般の我々にはできるだけ分からないように表現しているということである。

建物は「建屋」であり、放出は「ベント」である。

一般庶民の我々には情報が少なく、

また情報そのものが難解である。

下記の本文からの抜書きも印象的なモノである。

  それは、まさに今現在、日本で起こりえる現象だからである。

 

「ある日私たちは水銀が危険だと聞き、ツナ缶を棚から急いで投げ捨てようとする。次の日には避けなければいけない食べ物はバターかもしれない。・・それから私たちは壁から鉛を含むペンキをこすり落とさなくてはならない。今日はお気に入りの洗剤のリン酸塩に危険が潜み、明日は、二、三年前には数百万人を飢えと病気から救うものと讃えられていた殺虫剤が非難される。死、狂気、そしてーある意味ではそれよりさらに恐ろしいーガンの脅威が、私たちが食べたり触れたりするもの全てに潜んでいるのである」

 

 それをテレビが報道するのでますます消費者は冷静な行動をとれなくなってしまうだろう。計画停電回避の為に節電を行なっている業界を番組紹介していたテレビ局自体は節電しないのだろうか?

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『エレクションキャンペーン』

2011-04-19 07:07:07 | Weblog

都知事選が410日(日)に終わったばかりなのに、

次は区議会議員選挙だ。

4月17日(日)告示で4月24日(日)が投票日。

先日まで使用されていた

知事立候補者のポスターが貼られる掲示板のべニア板が撤去されて、

新たに区議会議員用の掲示板ボードに変わっている。

ここで疑問がわいてしまう。

震災で多額のおカネがかかりそうであり、

復興目的税などの増税の話が出ては消え、消えては出ている。

行政の支出を少しでも抑えて、

浮いた分を東北にまわしてあげてことはできないのであろうか?

なぜ、都知事選と区議会議員選挙を同一日に実施できなかったのだろうか?

掲示板ももったいない・・、

立会人への謝礼金など選挙にかかるお金ももったいない・・、

選挙に行く時間ももったいない。

財政を切り詰めていくことを主張している候補者を選ぶ為の浪費。

 

さらに殆んどの候補者について、

ポスターと家に投かんされるチラシ位しかその選挙人を知る手段はない。

実質7日間の短い選挙戦。

殆んどの被選挙人は、選挙区とは別の他の場所で働いているのが実態だ。

これでは、選挙カーから連呼される候補者名が

頭に残るかどうかで勝敗が分かれそうである。

自民党や民主党の現職や前職の推薦コメントがチラシには記載されている。

現職の国会議員の推薦の言葉が散りばめられている。

国会議員秘書としての仕事ぶりが如何に優秀であったかも書かれている。

それは所謂、中央とのパイプがあることを主張しているのであろうが・・。

私には、国会議員の集票マシンとして

地元で頑張って親分のために票集めをして頑張った返礼としての今回の立候補と読み取れてしまう。

前回、前々回と国政選挙に大量に候補者を出した新興宗教K

K党もルックスで得票を狙っているとしか思えないような候補者を擁立している。

ん~。

政治家しか着用しないであろう派手なピンクのスーツに身をまとい、

自転車で区内を回っている。

それにしても乗りなれないのか?

自転車の乗り方がやけに危なっかしい。

それはK党だけの問題ではないのだろう。

ポスターにはアントニオ猪木の顔写真が半分、

残りの半分が新日本プロレスの元レスラーK氏。

 

実物はともかくも、選挙用のポスターにうつる顔はコンピュータで修正処理がなされ

イケメンや美女や勇士が数多く立候補しているように思えてしまう。

 

今夜、家のそばで、自民党議員の立会演説会があるらしい。

その場所は、ブーメランと言う名のクラブである。

立会演説会では酒をだすこともないし、接待をすることもないだろう。

しかしながら、その場所を使っての立会演説会そのものが胡散臭いのである。

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『フキ』

2011-04-12 12:42:55 | Weblog

私は毎年花粉症の辛さに苦しめられている。

何も対処しなければ目が痒く、

終日、鼻はつまったまま、

又は鼻をかみっぱなしの状態だ。

鼻炎薬を服用すれば、眠くてだるくなってしまう。

本を集中して読みたくても読めない。

どちらにしても憂鬱な季節である。

さらに加えて毎日の余震の連続で気分の乗らない日々が続いている。

 

そのような毎日であるが

自宅から駅まで続く桜並木の桜は満開であり、

春の日差しが心地よい季節にもなってきている。

 

そんな春になると何故か私が連想する食べ物はフキだ。

私にとってはフキ=祖母の想いでである。

春になると祖母は、

家の近所の山(ヤンバラ)に登り自生しているフキを山ほど採ってきていた。

祖母は、大量のフキとともに何匹かの蛇(ヤマカガシ)も捕まえてもきていた。

捕らえた蛇は、上手に祖母がその皮を剥がして

数日間天日干ししてその一部を財布に入れていた。

山から採ってきたフキの皮むきは、祖母と私の仕事だった。

フキは今では一年中スーパーで手に入れることができるが、

春先に山から採ってきたばかりのフキは子供の私にもご馳走であった。

そんなフキは何本も剥いていると手が真っ黒になってしまった。

蛇も捕まえてくる豪快な祖母は、煙草が大好きでもあった。

総入れ歯の祖母は、なぜだか煙草を吸うときには入れ歯を外していた。

そのくしゃくしゃの顔は、

アメリカのアニメーションに出てくるポパイに良く似ていた。

家には火鉢があって、祖母はその火鉢の横に座ることも多かった。

暖房用具としての火鉢と言うよりも、

大きな灰皿感覚でそこに煙草の灰を捨てていた。

現代のようにニコチン量を気にするような時代ではなかった。

祖母が吸っていたのはフィルターがついている煙草ではなく、

 銘柄は分からないが金属製の長いキセルにタバコの葉を詰めて使用していた。

今思えば何とも風情の有る粋な姿であったかとも思う。

今夜はフキでも料理してみようと思う。

 

祖母が眠る宝久寺の墓のすぐそばには、数年前に亡くなったチビまる子ちゃんで有名な友蔵さんの墓もあるのである。

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加藤裕康『ゲームセンター文化論』新泉社

2011-04-05 01:01:01 | Weblog

 大量の本が置かれている鬼怒川に行ってきた。

本棚が倒れ、

多くの本が散乱しているかもしれないという心配はあったが

びっしりと隙間なく本が詰まっていたこともあり

一冊も棚から落ちている本はなかった。

 

鬼怒川でビックリしたのは観光客の少なさだ。

鬼怒川には、水力発電所がある。

地元のダムで電気を作っているのに

計画停電対象地区となっているのである。

都内は停電にならないのに・・。

地元のホテルも容赦なく計画停電。

一日二回も停電。

時間帯によっては

エレベータの使用をひかえるように

張り紙が貼られていた。

室内の廊下も半分の電灯が消されていて薄暗い。

「自粛」が経済を縮こませると識者は消費拡大を提唱するが

計画停電に脅えながら

ホテルに宿泊する客などいるわけはないのである。

 

さて、話は本題に入るがゼミ仲間の加藤さんが

新泉社から『ゲームセンター文化論』を出版した。

加藤さんとは、

毎週行なわれているゼミで顔をあわせている。

この『ゲームセンター文化論』は、

加藤さんの博士論文が土台となっている作品だ。

学術書でゲームセンターを扱っている最初の本だと思われる。

この出版によりゲームセンター研究の第一人者として評価されるに違いない。

ゲームセンターに置かれているコミュニケーション・ノートの内容紹介から

ゲームセンターに集う若者の心理の一端を理解できる。

また、ゲームセンターで遊ぶ人たちへの

インタヴューもリアルであり

本の内容に厚みを増している。

さらに各章末にある注がとても詳しい。

注もしっかり読んで納得できる本となっている。

卒論作成にあたり、

ゲームセンターやプリクラ等についての

卒論作成を考えている大学生には

とても役立つ一冊になるはずだ。

読みすすめると如何に多くの文献や調査データに

支えられた作品であるかが良く分かる。

筆者の考えもあり博士論文の記述内容がところどころ残っているので

その部分は一般の読者には読みづらいかもしれない。

 

以下の章から成り立っている。

ゲームセンター文化論――メディア社会のコミュニケーション
目次
序章  ゲームセンターの若者たち
第1章 ゲームセンターへの視線
第2章 ゲームセンター文化の生成
第3章 コミュニケーション・ノート
第4章 イラスト・ノート
第5章 快適な居場所とするための戦略
第6章 伝言・掲示板
終章  新たな若者文化のきざし
補論1 女子中高生の日常写真ブーム
補論2 プリクラを消費する少女たち

 

プリクラの発案者である佐々木美穂は、「よく撮れること」より「かわいく撮れること」を重視し、「カメラは業務用ではなく、写真の粒子が適度に粗く、実物より肌がきれいにみえる家庭用のものを選定」したとの記述はなるほどと納得してしまった。

 

350ページにも及ぶ大作ですが、内容も豊富であり読みやすいお勧めの一冊です。

ぜひ、購入してあげてください。

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