・下流社会、負け組み、ワーキングプア、年収200万円で快適に暮らす等の小見 出しが週刊誌に登場することが多くなった。
日本でも、派遣会社に登録し日雇い生活をしている労働者の悲惨な労働状況など がテレビ等でも取り上げられている。
その悲惨な労働状況とは、日雇いなので集合地点までの往復の交通費と日給を支給する会社まで現金を取りにいくための交通費も自腹など、実質手取り額は搾取 された後であるために小額である。
さらに労働は非常に単調な労働ということが実態のようである。
家も借りられず、インターネットカフェで夜を明かすが、室内は明るく、部屋は座るだけのスペースにしかないので、熟睡する環境にないようだ。
・『ライフスタイルとアイデンティティ』(渡辺潤著)の参考文献のなかの一冊であるバーバラーエーレンライクの『ニッケル・アンド・ダイムド』を読んだ。
彼女は、博士号を持つ作家である。
しかし、学歴を大学中退と偽り、50歳を過ぎた女性が単身で低賃金の労働者として働いた記録である。
かつて『暴走族のエスノグラフィー』という参与観察からなる斬新な著書を興味深く読んだことはあることを思い出した。
筆者は、暴走族の一員として加わったわけではなく、客観的な観察を行い、その行動等(屈みかた等)を詳細に記録し、その生態を明らかにしていた。
・『ニッケル・アンド・ダイムド』はアメリカ下流社会の現実がその実体験を通じて書かれていてその実態について驚きをもった。
1998年にワシントンの経済政策研究所が発表した資料によるとアメリカの全労働人口のほぼ30%が時給8ドル以下で働いているという。
バーバラが初めにレストランで働いた時の時給は約2ドル。
チップを見込んだ額ではあるが、その金額も低所得者の悲惨な状況をあらわして いる。
また、家を借りるお金も無く、車で寝起きをしていたり、トレーラーハウスで生活している人も多いという。
低所得者が暮らしていく為には、2つの仕事を掛け持ちしている実態もかかれていた。
病に陥ったからといって薬も買えない。
働きすぎなので、仕事の辛さについて考えることもなくなってしまうという。
・かつて、開拓時代のアメリカは労働不足解消の為にアフリカから大量に奴隷を買い入れた。
アメリカ人はその奴隷たちに、過酷な労働を課してきた。
また、黒人奴隷が、相互に会話を交わさないように言葉のことなる地域の黒人をミックスして買い入れたそうだ。
現在、奴隷は人権問題の絡みもあり形式的には存在していない。
しかし、彼女の本に登場する、スーパーの店員、お手伝い、ウエートレスは雇い主からは人間扱いされていない。
奴隷扱いそのままである。
ほんとうに酷い実態がわかる本である。
病気欠勤しても手当ても健康保険もなく、一日の給料がもらえないということは、即、翌日の食料がないことを意味している。
・とても気に入った一文を記して〆とします。
「アメリカの職場では、人々が自分のものと呼べる唯一のものは自分が育てている腫瘍であり、喫煙によってその腫瘍に養分を与えるために捧げられるわずかな時間だ」
日本でも、派遣会社に登録し日雇い生活をしている労働者の悲惨な労働状況など がテレビ等でも取り上げられている。
その悲惨な労働状況とは、日雇いなので集合地点までの往復の交通費と日給を支給する会社まで現金を取りにいくための交通費も自腹など、実質手取り額は搾取 された後であるために小額である。
さらに労働は非常に単調な労働ということが実態のようである。
家も借りられず、インターネットカフェで夜を明かすが、室内は明るく、部屋は座るだけのスペースにしかないので、熟睡する環境にないようだ。
・『ライフスタイルとアイデンティティ』(渡辺潤著)の参考文献のなかの一冊であるバーバラーエーレンライクの『ニッケル・アンド・ダイムド』を読んだ。
彼女は、博士号を持つ作家である。
しかし、学歴を大学中退と偽り、50歳を過ぎた女性が単身で低賃金の労働者として働いた記録である。
かつて『暴走族のエスノグラフィー』という参与観察からなる斬新な著書を興味深く読んだことはあることを思い出した。
筆者は、暴走族の一員として加わったわけではなく、客観的な観察を行い、その行動等(屈みかた等)を詳細に記録し、その生態を明らかにしていた。
・『ニッケル・アンド・ダイムド』はアメリカ下流社会の現実がその実体験を通じて書かれていてその実態について驚きをもった。
1998年にワシントンの経済政策研究所が発表した資料によるとアメリカの全労働人口のほぼ30%が時給8ドル以下で働いているという。
バーバラが初めにレストランで働いた時の時給は約2ドル。
チップを見込んだ額ではあるが、その金額も低所得者の悲惨な状況をあらわして いる。
また、家を借りるお金も無く、車で寝起きをしていたり、トレーラーハウスで生活している人も多いという。
低所得者が暮らしていく為には、2つの仕事を掛け持ちしている実態もかかれていた。
病に陥ったからといって薬も買えない。
働きすぎなので、仕事の辛さについて考えることもなくなってしまうという。
・かつて、開拓時代のアメリカは労働不足解消の為にアフリカから大量に奴隷を買い入れた。
アメリカ人はその奴隷たちに、過酷な労働を課してきた。
また、黒人奴隷が、相互に会話を交わさないように言葉のことなる地域の黒人をミックスして買い入れたそうだ。
現在、奴隷は人権問題の絡みもあり形式的には存在していない。
しかし、彼女の本に登場する、スーパーの店員、お手伝い、ウエートレスは雇い主からは人間扱いされていない。
奴隷扱いそのままである。
ほんとうに酷い実態がわかる本である。
病気欠勤しても手当ても健康保険もなく、一日の給料がもらえないということは、即、翌日の食料がないことを意味している。
・とても気に入った一文を記して〆とします。
「アメリカの職場では、人々が自分のものと呼べる唯一のものは自分が育てている腫瘍であり、喫煙によってその腫瘍に養分を与えるために捧げられるわずかな時間だ」