芋焼酎はいかがですか?

英国の情報交換の場であったコーヒーハウスで芋焼酎はいかがですか?

『ハレ』と『ケ』をかしこみかしこみ白す

2019-01-29 07:07:07 | Weblog

レジャーについて考えるヒントとなるかもしれないとも思いで、神事についての本を読んでみました。

藤井正雄『神事の基礎知識』講談社

渋谷申博『神事・仏事のしきたり』日本文芸社

以下は印象に残ったことの抜粋です。

 

・日常→非日常→日常という循環があります。

 民俗学者の桜井徳太郎はこの構造を民族語彙のハレ・ケ・ケガレから説明されています。

 ケは日常。

 ケガレ(ケ枯れ)は病気やわざわいで生命力を失うこと

 ハレは非日常的な時間(祭り)

 非日常的な時間を導入してケガレをはらい、生命力の更新を図ることは「祭り」にみられます。

 ハレとケの関係は、レジャースタディーズ、余暇論、シリアスレジャー取り上げられる趣味の観劇、旅行、ギャンブル、食事、スポーツ観戦などの「ハレ」の内容と同じように思われます。

余暇や風俗やレジャーを研究していると他人に言うと変な目で見られることもあります。この解決策として「ハレ」と「ケ」の研究をしていると相手にお伝えした方がカッコ良く聞こえるかもしれません。

・お神輿(みこし)とは神様の専用車。

・神楽(かぐら)は音楽と舞踊という演劇的表現。

・「ついている」は神霊が憑いているという意味の言葉。

 うまくいのには神様がついているからかもしれません。

 

・昭和22年(1947)明治神宮の憲法記念館を改装して明治記念館が開館されました。

 東京記念館として総合結婚式場が開館した。

今日のような挙式から披露宴までセットしたものが始まったのはこの時からだそうです。

つまり、戦後です。それ以前は自宅の床の間で式を挙げていたそうです。

 

・祓詞(はらえことば) 

以下は神事の前に必ず唱えられる祓詞です。

掛(カ)けまくも畏(カシコ)き 伊邪那岐大神(イザナギノオオカミ) 筑紫(ツクシ)の日向(ヒムカ)の 橘(タチバナ)の 小戸(オド)の阿波岐原(アワキハラニ)に

御禊祓(ミソギハラエ)へ給(タマ)いし時(トキ)に生(ナ)り坐(マ)せる

祓戸(ハラエド)の大神等(オオカミタチ) 諸諸(モロモロ)の禍事(マガゴト)

罪(ツミ) 穢有(ケガレア)らむをば 祓(ハラ)え給(タマ)ひ 清(キヨ)め給(タマ)え白(モウ)す事を聞(キ)こし食(メ)せと 恐(カシコ)み恐(カシコ)み白(モウ)す

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『正則学園高校問題』について

2019-01-22 07:07:07 | Weblog

正則学園高校の問題がニュースやワイドショーで取り上げられました。

それは教職員を6時半に出勤させ、廊下に一列に整列。

「おはようございます」と一人一人が理事長に挨拶する習わしです。

このような話は、首都圏の私学ではよく聞かれる話でした。

例えば、ある学校では若くて美人の女性教諭が必ず理事長付の校務分掌を担当。

理事長先生の身の回りのお世話をするという業務命令。

宿泊を伴う出張も含めて、授業は自習にして旅行に毎回同行。

なぜこのようなことが、かつて行われていたのでしょうか。

その原因の一つは

その学園の創立者であり、理事長・校長先生が現職であるパターンです。

S県のワンマン理事長・校長としての度を越した振る舞いについては耳にすることが良くありました。

幼稚園の経営者、そろばん塾の経営者、自動車整備工場の社長、居酒屋社長が私立高校をつくったり、大学をつくったり。また、その経営権を取得したりして理事長をされている学校がすぐ頭に浮かびます。

そのように成り上がりの理事長が経営する学校の方が、スポーツで強豪校となり全国的に有名になったり、大学進学に力を入れて東大合格者を出したりしているのも事実なのですが・・。

今、日本は少子化現象継続中です。

子供の数が少なくなり、学校の数がそれに合わせて急激には減ってはいない状況です。

首都圏においては、公立高校の統廃合はあっても、私学の統廃合はありません。数校が身売りされて大学の付属になったり、校名変更して再生しているのはほんの数校程度です。

私立高校でも大学などと同様に、最大三年期限付きの採用スタイルが日常化しています。

つまり、労働者としての教員は弱い立場に追われているのです

「学校の生き残り」のために放課後は、献身的にクラブ活動顧問として活躍。

クラブ終了後は、勤務校の進学実績を伸ばすために大学入試で役に立つような授業展開を考えての授業準備を行っていることも恒常化しています。

加えて、モンスターの保護者からのクレーム対応に多くの時間を取られているのも現実なのです。

放課後だけでも、忙しいのに朝まで理事長に挨拶などできるはずがありません。

都内の学校では中学教員と私立高校側との入試相談が12月に既に終了しています。

よって、この正則学園問題で正則を希望する来年度の受験生が減ることはないのです。

この時期だからこそ、正則学園の先生方も労働者として自らの首がしめられることはないとの判断でのストライキなのです。

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『納得しない生徒たち』

2019-01-15 07:07:07 | Weblog

 最近は頭の良い?生徒が多くなったためか先生の言うことに無条件にしたがうことが無くなってきているようです。

個人的には、事なかれ主義で先生の前で良い子であるよりも、

教員に対しても疑問を抱いたり、反発したりすることは大歓迎です。

そのようなパワーはとても頼もしくもあり、大切にしたいとも思っています。

経験がすべてではありませんが、

若手であったり、独身であったりして自らの子育ての経験を持っていない先生方も確実に増えてきました。

ずっと勉強ができて、よい大学を卒業して、そして学校に先生として勤務。

ずっと褒められてきた先生方にとっては問題行動を起こす生徒の気持ちが分からないことも多いようです。

それゆえに、それらの問題への対応に苦慮されることも頻発しています。

私は彼らの父親のような年齢です。

そして、彼らのまとめ役を学校という組織で任されてもいます。

最近も彼らからは生徒からの疑問に対して、どのように返答したらよいかがわからないので生徒指導に同席して欲しいというお願いを受けることも。

例えば、頭髪指導。

先日、ある男子生徒がツーシームにしてきました。

髪の上部は銀行員のような七三分け。

下部は坊主。

その境界はくっきりと分かれていて、マンガのコボちゃんの様なスタイル。

彼の異議申し立ては、

(1)   そのヘアースタイルに対して見知らぬ教員から突然受けた指導が気に入らないということ。

→それに対しては、関係性のある教員が該当生徒に指導した方が効果的であることには納得できるので、今回気分を害したことには申し訳なかったとの詫びをいれました。

今後は担任や学年の先生が指導することを約束しました。

(2)   先輩も自分と同じようなヘアースタイルにしているのに、なぜ自分だけしかられるのか?という疑問。

→これに対しては、交通違反と同じ。車を運転していて、速度超過をする人と警官との会話のやりとりの様だとの話をしました。学校ですから、他の学年の生徒も見つけたら徹底的に公平に指導することも約束しました。

(3)   校則には「高校生らしい髪型」とあるだけなので、自分はなっとくできないという主張でした。

→流行についていけずに、文言を曖昧にしていることを説明しました。

厳格に、物差しをもって2センチ以上の長い髪は校則違反という明確さも学校の中で生きづらさを感じるでしょうとも話をしました。

彼は納得できたかは不明です。

しかし、ツーシームを目立たなくするために美容院でその境界に手をいれてもらったそうです。

私が指導に同席する必要があったのかどうかは疑問ではありますが。

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工藤勇一『学校の「当たり前」をやめた。』を読んで

2019-01-08 07:07:07 | Weblog

・「学習計画表」 生徒たちはそこに、日ごとの学習時間(実績)を記入し、担任に提出します。担任教諭はそこに検印し、生徒に戻すというのが、具体的な使われ方でした。・・しかし、実社会において、自分の勤務時間を手帳に書き込み、「よく働いた」と満足感を得る人はあまり多くいないと思います。

→多くの面倒見の良さを標榜する学校では、このような家庭学習時間の管理も担任教諭が行うことを学校の売りとしています。

 

・筆者が校長をされている麹町中ではビジネス手帳を使用して生徒に時間管理をさせています。よって当然のことですが、手帳を回収して評価するようなことはしていないそうです。

→綺麗にまとめられた計画表作りを目的にしないのは賛同できますね。

 

・宿泊合宿では、他の私立中が行うような学習方法を指導したり、勉強させたりはしないそうです。そこでは感情をコントロールすることや、対話を繰り返し、合意形成を図ることが重要であることを学ぶそうです。

→中等教育と高等教育のつながりや連携においても、とても有益な学びであると思います。ただし、それらを指導できる教員がいて初めて可能になるイベントでもあるわけです。

 

・フォトコンフィールドワーク」という郊外学習。実施前には、プロカメラマンを本校に招き、上手な写真の撮り方についてレクチャーをしてもらっています。「建物を撮る時は、人を入れると大きさが分かりやすい」「人物を撮るときは、目線の高さを合わせると良い」

→パワポやキーノートなどを利用して写真入りのプレゼンする機会も多い生徒たちゆえに、写真の撮り方を学ぶことは間違いなく良い学びです。

 

・法律やルールが自治の仕組みとして存在することを、より深く理解するために、麹町中では毎年10月に模擬裁判を実施。・・日本大学法学部と日本法育学会が、専門的な側面から生徒たちを指導

・「ヤングアメリカン」は、計3日間を使って子供たちがミュージカルの公演に取り組む教育ワークショップを実施

・「麹町アフタースクール」では東大、上智、東京理科の研究室に相談して講座を開設。」・・「演劇サークル」「プログラミングサークル」「アナウンスサークル」など、新しい講座を次々に開設。講師はすべて、その分野で一流と呼ばれている専門家」

・麹町中では生徒たちが教室間を移動して授業を受ける「教科センター型」を採用

→私学以上のことが公立中学でも行われていることを知りました。中学時代に上記のようなことを経験している生徒が高校に入学してきていること前提に高校に魅力をつけていかねばならないと切に思った次第です。

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「木村誠『大学大崩壊』朝日新書」を読んで

2019-01-01 07:07:07 | Weblog

このブログのご購読に感謝いたします。

本年もどうぞ宜しくお願いします。

 

今年は大学広報に関連した論文投稿を仕上げるつもりです。

そのような状況の中で下記の本に出会ったので参考にさせていただくつもりです。

その本は、木村誠『大学大崩壊』朝日新書 です。

それでは、印象に残ったことを書き留めて置きたいと思います。

・日本経済新聞が、2017年11月に報じた大学の地域貢献調査分野は、大きく分けて、(1)学内における地域貢献の推進組織や制度(2)住民向け講座や学生の地元就職など(3)自治体・企業との連携(4)留学生数や地域の国際化支援の4分野である。 

→(私見)特に地方大学の生き残りは地域との結びつきが、その鍵となりそうです。静岡では有名な常葉大学の静岡県出身者は92.7%だそうです。

 

・入学辞退者が多い国立大学のナンバーワンは北見工業大学です。2017年の入学辞退率は39.4%.

→(私見)筆者は「北海道の地元の地域経済力低下によって4年後の就活に不安を感じた合格者が辞退するケースに思える」と推測されています。或いは合格しても進学する意図はないのに国立大学に合格したという記念受験をしている生徒もいるのではないかとも思われます。

 

・大学院修了者の進路

博士課程修了者の進路

 人文科学20.1%

  社会科学36.5%

  理学41.4%

  工学58.3%

  保健68.1%

 

→(私見)上記の割合は博士課程修了後の就職、つまり研究所や大学の先生になった人たちの割合です。人文、社会の低さからも、その進路の厳しさが伺えます。博士号を取得してもワーキングプアーになる人の率が高いのです。

 

・非常勤教員の比率は国立大学が34.1%、公立大学が50.7%、私立大学が56.8%となっている。 

→(私見)大学は多くの非常勤講師がいるからこそ、成り立っていることがこれらの比率から理解できます。

 

・日本学生支援機構(旧日本育英会)も含めて、何らかの奨学金を支給されている大学生は2015年に全体の35%。 

・奨学金受給者は115万人、総額495億円が貸与された。そのうち74億円が返還対象なのに返済率は55%という。 

→(私見)高校に在籍中は大学に進学することを前提に予約奨学生という制度が存在します。

返済率の低さに驚かされます。

 

・大学初任給は1970年が3万7400円で、45年後の2015年は20万2000円となっており、5.4倍の上昇。

・国立大学は1970年に1万2000円だったが、2015年は53万5800円で、実に44.65倍。

→(私見)初任給の上昇に比べて、いかに大学授業料が上昇しているかがわかります。

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