『場所から問う若者文化』(晃洋書房)と『「趣味に生きる」の文化論』(ナカニシヤ出版)のオンライン合同出版イベントに参加させていただきました。
今回のイベントを通じて、「場所」や「若者」をキーワードに趣味を再考する必要があると思いました。
高校生、大学生のいわゆる若者の時から継続している趣味はその当時の仲間たちの影響をかなり受けていることが予想されます。
逆に、若者時代に経験できなかったからこそ余った時間を自由に使って自分にとって楽しいことをしたいという理由で趣味をおこなっている人もいると思われます。
まず、考えたいのは若者時代に仲間からの影響を受けて趣味をする場合です。
高校生時代、大学生時代の仲間からの影響を受けて趣味に没頭する場合だけを考えた場合には今回の新型コロナウイルスによる影響はすこぶる大です。
殆どの授業がオンラインでは仲間、サークル活動でも集まれない日々が1年以上続いていると友人や知人がなかなかできないという切実な卒業生からの多数の声(悲鳴)も聞いています。
孤独になりたくない彼らは高校生の時の友人たちとの集まりの回数を増して、その結びつきを従来のものよりも強くするしかないのです。
よって大学内において様々な地域の多彩な人々と知り合う機会が減っているのです。
加えて、かつては北海道から沖縄までの多くの若者たちが大都会の大学に進学してきていました。
しかしながら、首都圏に暮らす生徒は首都圏の大学へ進学し、近畿圏に暮らす生徒は近畿圏内での大学進学をまず考えているようです。
生まれ故郷に通学可能な私立大学があれば、そこに進学する傾向も強くなっているようです。
地方 → 都会
の流れは
地方 → 地方。
コロナの影響でこの流れも大きくなってきているとも聞いています。
狭い世界でクラス人々による、狭い世界で行われる趣味活動。
いったいどうなっていくのでしょうか?
悲観的に考えてしまう私でした。