つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

サンダーソニア

2013-07-18 15:35:51 | ジャズ


 南アフリカ原産の花で、発見者サンダーソンにちなんで名前がつけられた。温かみのある黄色い小さなランタンのような花が

 細い花柄(かへい)の先に揺れている姿が愛らしく、ひと目でこの花だと分かる個性を持っている。日本ではまだ歴史の浅い花だけど、

 あかぬけた雰囲気で人気が高まり、最近はよく見かけるようになった。フラワーアレンジメントでも人気のある花材・・・


  ユリ科

  英名:CHRISTMAS BELLES

  花言葉:望郷


  今日聴いたジャズ・・・


  福田重男 & 布川俊樹・・・「CHILDHOOD’S DREAM」



  本作は、ジャズ・ピアニスト 福田重男とギタリスト布川俊樹のデュオアルバム。

  大地震で真の価値を考えらせるような今、子供の頃の純粋な夢や心を忘れない50歳を過ぎた二人が日本への愛をこめて綴る
  初のコラボレーション・アルバム。

  これまでも、お互いのセッションで一緒にプレー&レコーディングしたり、JAZZLIFEの「月刊スタンダード」の講師として一緒に
  執筆したりと30年に亘る仲らしい。

  全10曲、布川俊樹のオリジナル4曲(1、3、5、8)福田重男のオリジナル3曲(2、4、6)、それと3曲のスタンダードで
  構成されている。


  タイトルチューンは、福田重男の曲で、子供の頃の夢を思い出すかのような、また、子供の心を持ち続ける彼の想いがよく表れて
  いる。”BITTER SWEET”は確か、学生時代に書いた曲だったと思う。ロマンティックな曲で、他のアルバムでも演奏されている。

  布川俊樹の「HOPE IN THE CAVE」「MISSION COMPLETE」、前者は、かつてのチリ炭坑事件で閉じ込められた人たちの不屈の精神力に
  インスパイアされて書いた曲で、後者は大震災に遭われた方々に少しでも元気と喜びを送りたい、との想いで書いた曲だという。


  オリジナルの中に混じって演奏されているスタンダードもまたいい。二人の息がぴったり合ってステキな曲に仕上がっている。
  真夏の昼下がり、寛いでいるひとときに、聴きたい一枚。



1・HOPE IN THE CAVE・・・2・BITTER SWEET・・・3・MISSION COMPLETE・・・4・THANKS・・・5・和音の記憶・・・
6・CHILDHOOD’S DREAM・・・7・HOW DEEP IS THE OCEAN・・・8・CHATURANGA・・・9・THE PEACOCKS・・・10・WRAP YOUR
  TROUBLES IN DREAMS・・・



   福田重男(p)
   布川俊樹(g)・・・

なつつばき(夏椿)

2013-07-15 15:23:48 | ジャズ


  10~15メートルになる高木で、夏になると青葉の間に清らかな白い花を咲かせる。

  つばきにくらべると花びらが薄いので、軽く涼しげに見える。清浄なイメージであることから、仏教上の聖樹、沙羅双樹にちなんで

  しゃらのきという別名で呼ぶこともあるけれど、ほんとうのしゃらの木はフタバガキ科で、なつつばきとはまったくの別種・・・


   ツバキ科

   英名:JAPANESE STEWARTIA
   別名:しゃらのき

   花言葉:愛らしさ


   今日聴いたジャズ・・・


   石井彰トリオ・・・「SYNCHRONICITY」


   本作は、日本のジャズ・ピアニストを代表する一人、石井彰のリーダー・アルバム。

   俵山昌之(b)、江藤良人(ds)とのトリオ作品。

   全9曲、石井彰のオリジナル4曲、「SUBLIMATION」「EVERYTHING I KNOW」「SYNCHRONIZED STEP」「WALK BY MY OWN」、
   江藤良人のオリジナル1曲、「THE RAINY DAY」、俵山昌之のオリジナル1曲、「RION’S SOUND OF LOVE」、他は、
   MICHAEL LEONARD、イヴァン・リンス、JULE STYNEらの曲で構成されている。

   それぞれの曲で、一音いちおんに魂がこめられていて、シンプルなフレージングを心がけている、という石井彰の信念が貫かれている。
   
   #3「I’M ALL SMILE」は、あまり知られていないけれど、ビル・エヴァンスのレパートリーの一曲で、軽快な優しさに溢れた
   ワルツ。つづく#4「SAIDO DE MIM」は石井彰が大好きなイヴァン・リンスの曲、以前、リンスが来日した時に、自分のアルバムを
   手渡して大いに喜ばれたらしい。#8「JUST IN TIME」は、あえてメロディを出さずに演奏されていて、スウィング感のある曲に
   仕上がっている。


   オリジナルに関しては、#6「THE RAINY DAY」#「RION’S SOUND OF LOVE」が印象深い。前者は、美しいバラードで雨の日の
   しっとりと水分を含んだ静かで想いの深い物語を聴いているかのようなサウンドが3人のプレイから醸し出されている。

   後者は、俵山昌之が娘さんに捧げた曲で、これもまた素晴らしい。無償の愛情を淡々と、想いをこめて演奏されている。

   ラストの「WALK BY MY OWN」は、スティーヴ・スワロウとデュオで録音したアルバム、「ザット・アーリー・セプテンバー」にも
   収められた曲で、トリオではまた異なる味わいがあり、豊かな色彩を放っている。


1・SUBLIMATION・・・2・EVERYTHING I KNOW・・・3・I’M ALL SMILES・・・4・SAINDO DE MIM・・・5・SYNCHORONIZED STEP・
6・THE RAINY DAY・・・7・RION’S SOUND OF LOVE・・・8・JUST IN TIME・・・9・WALK BY MY OWN・・・



    石井彰(p)
    俵山昌之(b)
    江藤良人(ds)



    2002年4月30日、5月3日、6月21、23日録音・・・

   

ペチュニア

2013-07-14 14:59:39 | ジャズ


  夏になると家々の庭で必ず見かけるのがこのペチュニア。鮮やかな色彩、小さなパラソルのような愛らしい花型の人気者。

  どんどん茎を伸ばして枝を広げるので、ハンギングバスケットやつり鉢植えにすると、鉢から花がたれてみごとに咲き広がる。

  花は赤やピンク、白、青紫色などの単色咲きのもののほか、覆輪(ふくりん)咲き、絞り咲きなどさまざまある・・・


  ナス科

  英名:COMMON GARDEN PETUNIA
  別名:つくばねあさがお


  花言葉:心の平安



   今日聴いたジャズ・・・


   HOUSTON PERSON・・・「SOFT LIGHTS」


 
   本作は、1934年11月10日、サウスカロライナ州フローレンス生まれ、アメリカ合衆国のジャズ・テナーサックス奏者、
   音楽プロデューサーでもあるヒューストン・パーソンのリーダー・アルバム。

   メンバーに、ラッセル・マローン(g)、リチャード・ワイアンズ(p)、レイ・ドラモンド(b)、グラディ・テイト(ds)、
   パーソンのアルバムではお馴染みのアーティストを迎えた、クインテット編成。

  ※ ヒューストン・パーソンは、スウィングやハードバップのジャンルで演奏しているものが多く、特にソウルジャズにおいてよく
   知られている。

   これまで聴いてきた彼のアルバム同様、気心の知れた仲間と共に伸び伸びと、リラックスして楽しんで演奏している姿が目に浮かぶ
   ような作品に仕上がっている。それぞれが持ち味を生かしているし、とくにラッセル・マローンがメンバーにいると、アルバム全体が
   ぐっと魅力的なものになる、不思議なギタリストだと思う。そういえば、ダイアナ・クラールのアルバムでも同じことがいえる。

   全10曲、スローテンポで展開されていて、ともすればうるさくなりがちな曲も、このメンバーでは寛いで聴ける。
   
   昨夜、偶然にもペーター・ノーダール・トリオの「THE NIGHT WE CALLED IT A DAY」を聴いていたら、本作にも同曲が入って
   いた。トリオとはまた違ったよさがある。

   ラストのヒューストン・パーソンとラッセル・マローンのデュオ「IF」がまたとてもいい。二人によって綴られるこの曲は繰り返し
   聴きたくなる・・・そんなステキな一曲♪


1・HERE’S THAT RAINY DAY・・・2・I ONLY HAVE EYES FOR YOU・・・3・IT MIGHT AS WELL BE SPRING・・・
4・DO NOTHING TILL YOU HEAR FROM ME・・・5・AT LAST・・・6・THE NIGHT WE CALLED IT A DAY・・・7・IT SHOULD’T
  HAPPEN TO A DREAM・・・8・I’LL BE AROUND・・・9・HEY THERE!・・・10・IF・・・



     HOUSTON PERSON(ts)
     RUSSELL MALONE(g)
     RICHARD WYANDS(p)
     RAY DRUMMOND(b)
     GRADY TATE(ds)



      1999年4月27日録音・・・
 

やまゆり(山百合)

2013-07-13 15:22:25 | ジャズ


  百合咲くや 汗もこぼさぬ 身だしなみ(有井諸九)

  
  夏の暑さのなかでも、汗をかいた気配のないきりりとした婦人、やまゆりにはたしかに端然としたイメージがある。

  直径15~20センチメートルもある大輪の花で、白い花びらの内側に黄色いすじ、赤い斑点という華やかな色彩、

  むせかえるような芳香は、他の花を圧倒するほど。神奈川県の県花としても知られている・・・


  ユリ科

  英名:JAPAN LILY

  花言葉:荘厳


  今日聴いたジャズ・・・


  MAL WALDRON TRIO・・・「NO MORE TEARS」(FOR LADY DAY)



  本作は、1926年8月16日生まれ、アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク出身、ジャズ・ピアニストで作曲家、
  ハード・バップ、ソウル・ジャズ奏者として知られるマル・ウォルドロンのリーダー・アルバム。

  タイトルからも分かるように、ビリー・ホリディに捧げたアルバムのように思われる。

  全9曲中、マル・ウォルドロンのオリジナル3曲(2、3、6)他は、デューク・エリントンの曲を含むスタンダードで編成されている。

  どの曲も穏やかで、ピアノばかりが際立っていることもなく、ここでは、PAULO CAEDOSOのベースが一役かっている趣が感じられる。

  マル・ウォルドロンの「NO MORE TEARS」「MELANCHOLY WALTZ」「ALL NIGHT THROUGH」の3曲に関して言えば、彼独特の”悲しみ”

  がよく表現されている。多くのアルバムを残しているけれど、全作品がよい(心に響く?)わけではなく、ハズレで手放した作品も多々

  ある。前回書いた「オール・アローン」は気に入っているし、本作もフェイバリットの中の一枚。


1・YESTERDAYS・・・2・NO MORE TEARS・・・3・MELANCHLY WALTZ・・・4・SOLITUDE・・・5・LOVE ME OR LEAVE ME・・・
6・ALL NIGHT THROUGH・・・7・AS TIME GOES BY・・・8・SMOKE GETS IN YOUR EYES・・・9・ALONE TOGETHER・・・




    MAL WALDRON(p)
    PAULO CARDOSO(b)
    JOHN BETSCH(ds)


   1988年11月1、2、3日録音・・・

ジンジャー

2013-07-10 15:51:39 | ジャズ


  インド原産で、チョウを連想させる白や淡黄色のエキゾチックな花を咲かせる。芳香がねっとりと糸を引くような、官能的な雰囲気。

  葉や根茎がしょうがによく似ているのが名前の由来といわれている。

  日本には江戸時代に伝わってきて、縮砂(しゅくしゃ)という名で風流人にひじょうに珍重されていた。最近は、カクテルなどに添える

  エディブルフラワーとして人気がある・・・


  ショウガ科

  英名:GINGER LILY
  別名:はなしゅくしゃ

  花言葉:むだなこと



  今日聴いたジャズ・・・


  STEFANO BOLLANI TRIO・・・「GLEDA」


  本作は、イタリアのジャズ・ピアニスト、ステファノ・ボラーニのリーダー・アルバム。


  このトリオでは2作目にあたる作品。

  一作目はエンリコ・ラヴァのJAZZPAR賞、受賞に伴ってのセッション的意味合いが強かったのに対して、本作は、練りに練ったトリオ・
  サウンドとなってより充実した内容になっている。

  曲はすべて新旧スウェーデンの曲を題材としているもので、企画モノなどというものとは全く違う。それどころか、このアルバムの演奏
  の数々は、このアルバムの為にボラーニが殆どアレンジしたものでもある。

  しかも、ボラーニはあえて、その原曲を聴くことを拒否しJESPARにコードのみが書かれたスコアをリクエストしたとのこと。
  つまり3人の為に3人の演奏と作品を目指したもの。
  本当に、メロディアスな美しい世界を表現できる人なんだと思う。


1・ALDRIG SOM ALDRIG・・・2・DEN ALLERSIDSTE DANS・・・3・MODER、JEG ER TRAET、NU VIL JEG SOVE・・・4・ARMBAND・・
5・DANSEN OG VALSEN・・・6・MORGENLYS OVER・・・7・KIMER I KLOKKER・・・8・GLEMMER DU・・・9・GLEDA・・・



   STEFANO BOLLANI(p)
   JESPER BODILSEN(b)
   MORTEN LUND(ds)



    2004年11月1日、デンマークにて録音・・・