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曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

LOHASと「投資家の視点」と都市経営と

2005-11-03 08:26:05 | アーツマネジメント
今年1月に金沢に行ったときに、ホテルで手にとった地元のミニコミ誌に結構大きくロハスのことが紹介されていた。
そのとき私はまだロハスという言葉を知らなかったので、雑誌のどこかに当然説明があるものと思ってあちこち探してみたのだが、なかなか見つからず、「ひょっとして、説明の必要もないくらい当たり前の言葉なのか」と思ったりもした。ようやく、「LOHAS = Life of Health and Sustainability」 という小さな説明書きを見つけたときには、なるほど、と思うと同時に、これ、みんなわかって使ってつかっているだろうのか、と疑問に思ったことを覚えている。

その後、ロハスという言葉を日常の中で見聞きすることがだんだん増えてきた。
私も授業(「芸術文化とNPO」)の中で「スローライフ」にふれることがあるので、そのときに「最近ではロハスという生活スタイルが注目されています」というと、「ああ、聞いたことある」という感じでうなづく学生もいる。

今日の朝日新聞別冊(be Extra)はロハス特集で、タイトルも「ロハス的生活のススメ」。

その中に、『いきいきロハスライフ!』の著者イデトシカズさんの言葉が紹介されている。それによると、ロハスは米国で生まれたマーケティングの造語で、ココロとカラダと地球にやさしいライフスタイルのこと。
ロハスには3つの視点があり、第一はオーガニックフーズを買うなどの消費者の視点。第二はヨガを好むなど健康的な生活者の視点。第三が投資家の視点。省エネ効果の高い製品を買う、環境問題に熱心な企業に投資するなど、地球環境や社会を持続可能なものにしていくというために行動するのがロハス的生き方、であるという。

いきいきロハスライフ!LOHAS-ココロとカラダと地球にやさしい生き方
イデトシカズ著
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ふぅむ、なるほど。
ロハスもマーケティングの言葉だったとは、という意外性もある。
いま、ふと思いついたのだが、これって、先日書いたマーケティングと経済学の融合という現象を説明するのに使えるのではないかと思う。
というのも、ここでは、企業や投資家による競争(マーケティング、経営学の考え方)が最終的に社会全体の調和をもたらす(経済学の考え方)、というマジックが実現することが想定されているわけだから。

→ マネジメントと経済学 (2005/10/29)

ここでアートに視点を移してみると、アートの事業化や産業化も、当然、消費者と生活者と投資家のそれぞれに益するものであることが求められるし、それはマーケティングであると同時に社会全体の便益を増すものであることが求められる。

それは、具体的にはどのような施策によって可能となるだろうか。
「創造都市論」はその魅力的なあらわれのひとつだろう。「創造都市」とは、そこに住む人たちの生活と環境を向上させるような創造性を持つ都市が投資を誘発する、という都市の未来像である。
そして、漠然と未来はそうなるだろう、と考えているだけではなく、いちはやく現実にその実現のための政策課題に取り組むことがこれからの都市経営の要諦であるに違いない。
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