深く潜れ(Dive Deep)! キネシオロジー&クラニオセイクラル・ワーク(クラニオ)の蒼穹堂治療室

「ココロとカラダ」再生研究所、蒼穹堂治療室が送る、マニアックなまでに深く濃い、極私的治療論とお役立ち(?)情報の数々。

2022年秋アニメの感想と評価 3

2023-01-07 11:42:42 | 症例から考える

2022年秋アニメのうち、全5話の『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』と、途中で切った4本については「1」、年内に完結した作品については「2」に述べたので、今回は年を越えて放送が続く作品についてネタバレなしで感想と評価を。

ここに挙げた作品はまだ放送中なので、評価は暫定的なものだが、AからEの5段階。

ちなみに私の場合、アニメの評価では何より物語が面白いことが重要で、作品全体の評価の少なくとも半分はそれで決まる。逆に萌えやエロといった要素にはさほど興味はないし、作画崩壊も(目に余るほどヒドくなければ)問題にはしない。

以下、並びは50音順。

『アークナイツ 黎明前奏』

原因不明の天災に見舞われ、それが元で発生した不治の病、鉱石病がはびこる荒廃した世界。激しい差別と迫害にさらされた鉱石病感染者たちは武装組織、レユニオンを立ち上げ、各地で暴動を起こしていた。そんな状況の中、鉱石病の治療法を研究しているロドスはメンバを派遣して感染者たちを救おうとするが…。
Yosterのスマートフォン向けゲームの関連作品。これまでゲーム原作のアニメは大抵、失敗してきた。第1話でいきなり大量のキャラが登場して、ゲーム・プレイヤーでない一般の視聴者が話についていけなくなる上、各主要キャラクタにはプレイヤーがいるので勝手にキャラを殺したりできず、物語の自由度が大幅に損なわれるためだ。けれどこの作品では、そうした部分が上手く回避できていると思う。後者はともかく前者に関しては、ドクターと呼ばれる主人公は記憶を失っているという設定で、視聴者はそのドクターとともにゼロから物語に入っていくことができるようになっているから。また普通、9月初旬から始まる秋アニメの中で、この作品だけは放送開始が10月末と遅かったが、その分、アニメーションは完成度が高く、見応えのある絵になっている。
反対に残念なのがストーリーだ。語られる物語はどこかで見たことのあるような話で、正直、見ていてもドキドキもワクワクもハラハラもズキズキもしない。この『アークナイツ』はもちろんフィクションだが、新型コロナ・パンデミックを経験し、ロシアによるウクライナ侵攻が続く現実に生きる我々には、ここで語られる物語は「今」という時代から見て薄っぺらな絵空事にしか感じられない。もちろん「アニメはエンターテインメントなんだから、分かりやすいスト-リーとカッコよくてセクシーな美少女キャラがいれば、それでいいんだ」という人もいるだろう。ただ私は「『なぜ今その作品か?』を常に問え」ということを思ってしまうのだ。
現在第8話まで放送されている。新聞のテレビ欄には(終)マークはついていなかったが、まだこの「黎明前奏」が続くのかどうか公式サイトを見ても分からない。ただ、これの続編となる「冬隠帰路」の制作が決定したとか。
評価はC~C+。

『異世界おじさん』

2022年夏アニメとして放送されるはずだったが、スタッフが新型コロナに感染するなどして第7話までで中断。改めて今期、第1話から放送された。ところが公式サイトによると、中国での新型コロナ感染拡大の影響で中国に外注していた部分の制作が間に合わず、第13話の放送がまたまた延期になった(現時点で放送日は未定)。
17歳の時にトラックにはねられて以来、ずっと昏睡状態だったおじさんが目覚めた。そのおじさんが甥のたかふみに語ったのは、昏睡状態だった間、ずっと異世界を旅していたという話だった。異世界の魔法を身につけたまま現世に目覚めたおじさんが語る、異世界での旅の顛末とは?
おじさんは事故に遭う前、セガ・マニアのゲームおたくだった、という設定なので、ゲーム関係に詳しければもっと楽しめたとも思うが、私のようにゲームのことはからっきし、という視聴者でも十分楽しめる(その辺りは『ハイスコアガール』にも通じる)。極端な老け顔ゆえ、美男美女揃いの異世界ではオークと間違われてひどい扱いを受けたり、女心が全く分からず、好意を寄せてきたキャラに敵意を向けられたと勘違いして場をメチャクチャにしたり、と(ややワンパターンではあるが)語られるエピソードが面白いし、それを聞いているたかふみも、実は相当ヤバいヤツだったり…。ww 設定がちゃんと物語の中で生きていて、ギャグアニメとしても振り切るところは思いっきり振り切ってみせるところがいい。
評価はB~B+。

『うる星やつら』第1クール

感想は既に「アニメ『うる星やつら』への小うるさい意見と感想」で、書きたいことは書いてしまったので、ここでは省略。
評価はD~D+だが、第11話「面堂兄妹!!面倒邸新年怪」だけはC+を付けたい。

『陰の実力者になりたくて』第1クール

タイトル通り、幼い頃から陰の実力者になることを目指してきた主人公の物語。その第1話はかなりトリッキーな作りで、例えるなら『無能なナナ』や『処刑少女の生きる道』の第1話のような、見る者の予想を裏切るような展開になっていて目を見張ったが、その後はただの“異世界なろう作品”になってしまった。
とはいえ、主人公はヒーローではなく「陰の実力者」を目指しているので、表側ではとにかくモブに徹しようとしていて、そのことで、この手のヒーローもののテンプレ展開を解体してみせてしまうところなどは、この作品の特筆すべき点だろう。主人公が中二病全開で、やたらとイキってみせるところも、見ていて楽しい。
評価はC+~B-。

『不滅のあなたへ』2期第1クール

死を超越した不死の存在であるフシと、謎の敵、ノッカーとの戦いを描いた作品。
正直なところ、1期はあの衝撃的な第1話を除くと、あまり面白いとは思えなかった。だが、この2期を見て、1期は全て2期のためのプロローグだったのかと思うと合点がいった(それでもボンが出てきた時は、「あぁ、またここでグダグダになるのかぁ」と思ったが)。
それと1期を見ていた時、この作品のテーマは「アイデンティティ」だと思っていたが、2期を見ていると「人は限りある人生をいかに生きるか」ということを問うている作品だと分かる。とはいえ、いまだ作品が本当に目指すところは見えてこない。
評価は1期だけならD+~C-だったが、上記のような理由でB-~B。

『ブルーロック』第1クール

サッカー・ワールドカップで日本チームが優勝するためには、今あるチーム力に加えて卓越したストライカーが必要だ。そして世界一のストライカーとは、世界一のエゴイストでなければならない──ということで、その世界一のエゴイストを選抜するために作られたブルーロック(青い監獄)に集められた、若きプレイヤーたちの闘いを描く。
FIFAワールドカップ・カタール大会に合わせて放送を時期を決めたのだろうが、それが日本チームの快進撃もあって、見事に当たったと言えるかもしれない。原作では日本選手の実名を挙げてディスってる、という話もあって、放送前はアンチが騒いでいたらしいが、実際に放送された物を見る限り、別にディスってるワケじゃなく、今の日本チームをちゃんと評価した上で、足りないものは何かを冷静に分析していた。
物語はデスゲーム的な要素で見せる部分もあって、ややクレイジーなところもあるものの、(サッカーのことをほとんど何も知らない私が言うのも何だが)描かれる内容はかなり真っ当なものだと思う。そして主人公、潔世一(いさぎ よいち)の気づきが、前クールまで放送されていたサッカーアニメ『アオアシ』で主人公、青井葦人(あしと)の気づきと全く同じものである点も興味深い(ちなみに『ブルーロック』と『アオアシ』は、新聞広告で原作者同士がエールを送り合っていた)。
細かい部分に突っ込みたくなるところもあるものの、物語として純粋に面白いので、評価はB+~A-。

 


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