ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

さらば、ジャック・スパロウ!?

2006-07-16 18:36:30 | 映画
ってな訳で、『パイレーツ・オブ・カリビアン~デッドマンズ・チェスト』。
本作の感想に入る前に、軽~く前作の印象を語りたいと思います。
ハッキリ言って『パイレーツ~』には、何にも期待してませんでした(笑)。
その理由は、まず製作・配給が天下のディズニーである事、そしてプロデューサーが、他ならぬジェリー・ブラッカイマーであった事が大きく影響してます。
ジェリー・ブラッカイマー、ハリウッドきってのスーパー・プロデューサー。
そして中身が空っぽの、おバカなアクション超大作の数々を送り出した偉人であります。
個人的には嫌いではないのですが、あの『パール・ハーバー』以降、手掛ける作品の方向性が変わりました。
辛辣なファンからの「ブラッカイマー=バカ映画」と言う評価を、自ら明らかに路線変更に打って出ました。
その第一弾と言っても良いのが、この『パイレーツ~』だった訳です。
これに偶然手を貸す事になったのが、人気スターであるジョニー・デップでした。
デップは鬼才ティム・バートンとのコンビでも判るように、ブラッカイマーが手掛ける様な典型的ハリウッド産アクション超大作に出演するのを拒絶し続けた人でした。
今まで沢山アクション超大作のオファーを蹴り続け、個性的な監督の作品に出演し続けてました。
ブラッカイマーからのオファーも、当然断るかと思いきや…受けてしまったんですね~。
本人曰わく「作品が『パイレーツ~』だった事」、そして何より「海賊の役を演ってみたかった」と、これまた素直な理由に、デップと言う俳優の“らしさ”を感じました。
そして完成した『パイレーツ~』。
舐めてかかっていた僕はビックリしました! もう単純に「面白い」としか言えない作品だったからでした!!
時は疑似クンフーとワイヤーで雁字搦めになってました、そこに純粋な「冒険活劇」路線の本作は、観る者にとって新鮮でした。
予想通り、作品はメガ・ヒットを記録し、早々とシリーズが決定しました。
ところが第二弾となる『デッドマンズ~』が完成するまで、思いのほか時間が掛かってしまったと言う印象を受けました。
まず何より超売れっ子であったデップだけでなく、本作をキッカケに大ブレイクしたオーランド“レゴラス王子”ブルーム、そしてキーラ“アミダラの影武者”ナイトレイの、スケジュール調整が非常に困難になったのは予想出来ます。
あとブラッカイマー自身、本作のストーリー作りに非常に慎重になっていた筈です。
それ故に、早い段階から「2と3作目は同時に撮影する」と発表したのも、これらの要因が重なった結果だと思われる。
さて、そんな経緯を経て完成した待望の『デッドマンズ・チェスト』。
今回も子供から大人まで楽しめる、冒険活劇映画の傑作でした!!
何かと過去に謎と因縁を持つジャック・スパロウ船長の、今回の敵となるのが“深海の悪霊”と呼ばれるディヴィ・ジョーンズと「さまえよる幽霊船」であります。
この敵役であるディヴィ・ジョーンズと海の悪霊が、本作において秀逸で観る者に強烈なインパクトを与えます。
これがまんま、あのラヴクラフトの「クトゥール神話」に出てくる邪神や怪物を彷彿とさせます。
この辺りはシリーズの脚本を手掛ける、テッド・エリオット&テリー・ロッシオの名コンビが、確信犯的に仕込んだマニアックな“遊び”だと思われる。
もうドリフのコント状態のドタバタ・ギャグの連打と華麗なアクションを効果的にはさみ、作品にそれとなく毒を加える、ブラックかつ鬼畜な笑いは相変わらずなのも嬉しいです。
それにジャックとウィル、そしてエリザベスの微妙な三角関係(?)も、物語の展開に華を添えます。


※以下、モロにネタバレ。



本作では様々な謎とその伏線が、これでもかって位に観る者に提示されます。
何か謎めいたウィルの父の死とジャックとの関連、そしてジャックとディヴィ・ジョーンズとの「血の契約」の真意とは? そして裏で暗躍する東インド貿易会社のベケット卿の狙いは?!
円満そうに見えたウィルとエリザベスの関係も、終盤後に影を落としそうな事態となり、ラストには怪物クラーケンとの一騎打ちとなりジャックは生死不明のまま、アッと驚く人物の復活によりエンディングを迎えます。
もう別の意味で「金返せ!」否、「早く完結編を観たい」と思うのは間違いなしです(笑)。
でも、コレってまんま『スター・ウォーズ』トリロジーだよね。
つまり本作は『SW』における『帝国の逆襲』であり、そう思うと次回作の展開が読めてくるかも?!
次回作の悪役は、何とチョウ・ユンファ!!
完結編で見事に失速した、某『マ○リックス』の様にならないとは思いますが、今から次回作の完成が楽しみではあります。
P・S:本作を観る前に、1作目をしっかりと復習した方が、絶対に更に楽しめます。

『日本沈没』

2006-07-16 02:18:12 | 映画
今日は午後から会議。
その後、ヨメと一緒に『日本沈没』と、『パイレーツ・オブ・カリビアン~デッドマンズ・チェスト』を観てきた。
まず、待望の『日本沈没』を観た感想から…。
個人的には、ネット等で酷評される程、酷い内容とは思わなかった。
だからと言って、手放しで絶賛出来る作品かと言うと、コレまた非常に微妙なのは事実だ(苦笑)。
オリジナルの本質を、理解していない作り手が作った安易なリメイク版ではなかった。
でも、『日本沈没』と言うタイトルを掲げる、新たなSF映画として難点が多い。
多分、オリジナル版を観ていない人にとって、本作は“感動超大作”として、充分に楽しめる筈だ。
だが、オリジナル版をこよなく愛する者にとっては、正直厳しいモノがあったのも事実だ。

※以下、強烈にネタバレしまくり。




今回のリメイク版と、オリジナル版とで、決定的に違うのは、ラストで日本が「沈没」しない事(!!)に尽きるだろう。
「全く新しい解釈を加える」と言っていたが、物語のオチそのものが、根底から変えられていては、もはやリメイク版は別の作品だと言える。
監督の樋口真嗣が、良くも悪くもハリウッド・フォロアーである事を思うと、まるで『アルマゲドン』や『デイ・アフター・トゥモロー』等のSF/パニック映画のパクリと言われても仕方ない気もする。
あと、本作にはオリジナル版にあった、歪んだ暗さ毒、圧倒的なまでに絶望的な悲壮感を全く感じない。
確かに特撮技術は素晴らしかったが、何か淡々と破壊描写を見せられても、逆にインパクトは弱まると実感した。
ぶっちゃけた話、グロ・残酷描写が全く無かったのだ(苦笑)。
オリジナル版には、観た者にトラウマを残しそうな描写が満載されていた。
首都壊滅の火炎地獄の中、山積みとなった炭化した逃げ遅れた被災者の遺体。
空から降り注ぐガラスが突き刺さり、洪水により家ごと流される家族等…オリジナル版にはそんな描写が一杯あった。
オリジナル版にあった「地獄絵図」と呼ぶに相応しい、壮絶な“滅亡”の描写がリメイク版には欠けている。
リメイク版は「ラブ・ストーリー」をメインにした展開故に、意図的にその類の描写は控えたのかもしれないが…個人的には「違うだろ!」と言いたい。
あと、肝心のラブ・ストーリーだが…これも何か今一つだ。
あの極限状態の中、玲子(柴咲コウ)に「抱いて…」と言われているのに、それを「出来ない」と拒否する主人公・小野寺(草なぎ君)は男ではないっ!!(怒)。
あそこでしっかりと2人の“絆”を描いていれば、特攻に向かう小野寺と玲子の最期の別れも、より感動的になっていた筈だと思う。
あと、前半の展開も良くない。
どうしても序盤に状況説明をする必要があり、テンポが悪くなるのは仕方ないが、トヨエツの田所博士の狂気も中途半端なのも痛い。
後半から各キャラクターが生きてきて、物語的にも躍動感がますので、前半の低調ぶりは致命的だ。
何か文句ばかり言っているが、リメイク版にも良い点もある。
何だかんだ言ったが、ベタベタな演出が恥ずかしいが、やはり小野寺と玲子の別れのシーンは泣けた(苦笑)。
あと本作において、最も“美味しい所”を持っていたのが、大地真央演じる鷹森危機管理大臣だ。
実質、本作における真の主人公が彼女だったと断言しても良いだろう。
あと、オリジナル版へのオマージュとも言える、セリフや映像には、マニアックな笑いを浮かべられる。
本作は2時間15分だったが、もう少しドラマ部分を充実させ、2時間30分の長尺にしても良かったと思う。
この辺りはDVD化された時のお楽しみか?!
とにかく、終盤劇場内は号泣の嵐だった。
さて、樋口監督。
本作は幅広い層にウケ、間違いなく大ヒットするだろう。
「次」は何をやらかしてくれるかが楽しみだ。
P・S:『パイレーツ~』の感想は、また後日アップします。

“D計画”発動、前夜

2006-07-14 21:33:43 | 映画
明日、遂にリメイク版『日本沈没』が公開される。
近年、その完成と公開を、こんなに心待ちにした作品は、多分他には無いだろうと思えるほどに、本作に対する思いが強い。
既にメディア・ネット等では、今回のリメイク版に対する、評価が挙がっているが…どれも芳しくない評価ばかりだ(苦笑)。
僕は’73年版のオリジナルが大好きだ。
オリジナルの持つ、凄まじい破壊力と、痛烈なメッセージ性は、今観直しても全く色褪せる事なく強烈だ。
リメイク版の監督である樋口真嗣は、オリジナル版に絶大な影響を受け、自らフェイバリット・ムービーとして挙げている。
今回のリメイク版は、オリジナル版とは全く異なる作品だと言う。
樋口自身、物語を“変える”事を了承させた上で、このリメイク版の監督を引き受けたと言う。
賛否両論あるが、個人的には樋口真嗣と言う監督は、今の邦画内にあって「天才」だと思う。
そんな樋口本人が手掛けたリメイク版が、どんな作品になるかが興味深い。
樋口はオリジナル版へのリスペクトを込めて、あの実写版『ドラゴン・ヘッド』に参加した。
あの作品自体、オリジナル版『日本沈没』や『ノストラダムスの大予言』に対する、愛とリスペクトに溢れていた。
今の邦画界にあって、かつてのオリジナル版が持っていた様な、破壊力や爆発力を持った作品になるか楽しみだ。

「このまま、何もせん方がええ…。」


ひぐらしが鳴く頃に

2006-07-12 21:48:51 | アニメ・コミック
とある人から。
「コレは絶対に面白いから観て下さい!」と、猛烈にオススメされたアニメがあります。
それが『ひぐらしが鳴く頃に』(タイトル当たってるかな?)です。
「僕好みだ」と言われました、観てみて納得しました。
この『ひぐらし~』、簡単に言うとグロ系サスペンス・ホラーです。
この『ひぐらし~』の凄い所は、俗に言う“萌え”系の美少女キャラが、次々とエグい事をやらかすのです(笑)。
まだ観始めたばっからなんで、物語の詳細は掴めないが、やっている事はかなり王道のホラーだ。
最近の日本産ホラーでも珍しくなった、土着的な風土と閉鎖的な雰囲気が漂っている。
まぁ~個人的な好みがあるかとは思うが、やっぱり等身の狂った平面的な、今風のアニメには今一つ馴染めない…。
これがもう少しリアルなアニメ、もしくは実写だったなら、作品の持つエグさと怖さが更に際立った筈だ。
何はともあれ「面白い」とは思う。
事件の真相が本当に明らかになるのか? 正直微妙だとは思うが、最後まで観てみようかと思う。
こんな猟奇的なアニメを、深夜枠とは言え、今時オンエアをする姿勢を高く評価したい。

「これから毎年人が死ぬのよ…。」

男の美学と世界

2006-07-09 21:40:03 | 雑談
今回も様々なドラマを生んだドイツ・W杯。
個人的に応援していたドイツが負けたのが残念ですが、今回決勝では年齢が近いジダンのいるフランスを応援したいと思います。
ジダンやナカタなどの引退をめぐり、世論では「男の引き際」に対する賛否両論が激しい…。
こんな言い方は失礼だが、ジダンとナカタを、同次元で語るのが間違っている。
別にナカタを悪く言ってるのではない。
ただ、サッカーにおけるレベルで、ナカタとジダンを同じレベルで語るべきではない。
ナカタは日本、いやアジアが世界に誇れる選手だった。
一方のジダンに関しては、サッカーと言うスポーツのレベルを左右する、正に歴史に名を残す偉大な選手なのである。
野球において、未だに「長島・王」と言う二大カリスマがいる様に、サッカーにおいてもそれは同じだ。
ナカタの引退は確かに早過ぎると思う、彼に己が“スター選手”と言う自覚があれば、日本だけでなくアジアのサッカーの為にも、次の南ア・W杯まで現役でいるべきだった。
ジダンは前回の日韓・W杯において、予選敗退をした“A級戦犯”として、フランス国民から糾弾された。
そんなジダンが今決勝に向かおうとしている、フランス国民はそのジダンに「有終の美」を飾って欲しいと願っている。
理不尽な気持ちもあるが、結果が全てのスポーツの世界ではこれは当然の事である。
“引き際”。
第一線で活躍する、一流の選手にしか判らない事も多いのだろう。
今日、3位決定戦に、あのオリバー・カーンが初めてピッチに上がった。
ある意味、ドイツの精神的支柱とも言える選手だし、ドイツの国民的英雄である。
そんなカーンは控えに甘んじながら、腐る事なく、最後の最後に大きな仕事を果たした。
個人的には霊長類最強のキーパー、そして今年37歳のカーン、大好きな選手である。
人に夢を与えるスター選手なら、己の生き様・言動に責任を持って欲しい。
ナカタは己の信念を貫いた、それは決して悪い事とは思わない。
「まだ出来る」と周囲に思われながら、第一線から外れるのは確かに美しい。
でも…今日のカーンの姿を見ていると、複雑な気持ちになってしまう…。
そんな事を思いながら、今宵も晩御飯を作った。
今宵は僕の大好物である、“麻婆豆腐”であった。
インスタントのソースを使わず、味噌と豆板醤で作る特製麻婆豆腐である。
麻婆豆腐嫌いのヨメも、コレなら美味しいと食べてくれる。
「ルパン3世」ではないが、正に“男には自分の世界がある…”としか言えない。
何はともあれ、ジダン、そしてフランス頑張れ!!


DEHUMANIZER

2006-07-09 15:59:16 | 音楽
今、ヨメはLED ZEPPELINにハマりにハマっいる。
キッカケは、先日某衛星放送で、全盛期の彼らのLIVEを観たからだ。
特にVOのロバート“王子”プラントに魅了されている様だ(笑)。
つい先日までWHITESNAKEを愛聴していた事を思うと、ヨメなりに“発見”が多いらしい…僕にしてみれば「何を今更?!」って感じもする(苦笑)。
そんな訳で我が家は今常にZepが流れており、暇さえあればヨメはDVDを観ている。

かく言う僕も今、あるアーティストにハマっている。
その人こそ、HR/HM界最強のヴォーカリスト、ロニー・ジェイムズ・ディオ様である。
今年で推定年齢64歳(!)ながら、今も衰える事を知らない圧倒的な歌唱力を誇る、メタル界きっての魔神と呼ぶに相応しい人物だ。
でも今ハマって聴いているのは、いわゆるロニーのキャリアの黄金期とは違う。
正しいファンに言わせると、最も忌み嫌う90年代における「ロニーの迷走(低迷)期」と呼ばれる音源ばかりだからだ。
俗に言う「モダン・ヘヴィネス3部作」が好きなのだ。
再結成BLACK SABBTHによる『DEHUMANIZER』、DIOの『Strange Highway』、そして『Angry Machines』である。
勿論、80年代のBLACK SABBTH~DIOが“様式美”していた頃からロニーが大好きだ。
ロニーの今のキャリアの礎である、リッチーとのRAINBOW時代も大好きだ。
でも、今何故か90年代のロニーが大好きなのだ。
ファンにとって悪名高い「モダン・ヘヴィネス3部作」ではあるが、最も完成度が高いのが再結成BLACK SABBTHによる『DEHUMANIZER』だ…と個人的には感じている。

80年代終盤、人気の失墜に歯止めが利かなくなっていたDIO…。
ロニーは自分が「過去の遺物」となるのを避ける為に、遂に自らのバンドであるDIOの解散に踏み切ります。
そしてロニーが画策したのが、当時若手バンドの多くがその影響とリスペクトを表明していた、BLACK SABBTHへの再加入でした。
当時のBLACK SABBTHには後に“都合の良い男”と呼ばれる、トニー・マーティンと言う実力派VOが在籍していました。
そして、ドラムには今は亡きコジー・パウエルまでいました。
当時のSABBTHの音楽性は、傑作『Heaven And Hell』的なメロディアスな様式美HM路線でした。
オジー&ロニーが在籍した頃の全盛期程ではないにしろ、ファンには「今のBLACK SABBTH」として高い評価を受けていました。
ロニーのSABBTHへの復帰にはビッグ・ビジネスの絡みもあり、マーティンをあっさり解雇して思いの外スンナリ進むかと思えました…。
しかし問題となったのがロニーとコジーの確執でした。
かつてのRAINBOW時代からの軋轢が、再結成BLACK SABBTHの思わぬ障害となりました。
ファンにしてみれば、ビッグな2人の共演は更なる話題となる筈でした。
先行きが怪しくなった途端、コジーが落馬事故によりバンドを脱退する事態に発展。
結果ドラムにはDIO時代からの盟友ヴィニー・アピスが起用され、Bにはギーザー・バトラーまでも復帰し、本当に黄金のラインナップになりました。
肝心な事を忘れてましたが、BLACK SABBTHはそもそもトニー・アイオミ(G)のバンドであります(笑)。
オジー、ロニー、イアン・ギラン(『Born Again』は名作)、グレン・ヒューズ等の凄いVOを起用し、BLACK SABBTHを活動させ続けたのはアイオミ本人です。
でも、あのロニーの復帰でSABBTHの音楽的な実権を握っていたのは、紛れもなくロニーとギーザーでした。
当然、世界中のファンやマスコミは『Heaven And Hell』の再現を期待していました…特に日本のファン・マスコミは。
でも実際に完成したアルバム『DEHUMANIZER』は、それまでのSABBTHのキャリアの中で最もモダンでヘヴィーなアルバムとなりました。
コレに世界中のファン・マスコミは戸惑い、特に当時絶大な影響力を持っていた日本の某B!誌はこのアルバムを「流行りを意識し過ぎだ」と酷評しました。
そんな様々な複雑な経緯を経て完成した『DEHUMANIZER』。
再結成BLACK SABBTHはこのアルバムを引っ提げてツアーに出ますが…今回の再結成は非常に短命に終わります。
当時“引退”を表明したオジーのサヨナラ・コンサートに、BLACK SABBTHが“ゲスト”としての出演を依頼されます。
「私は誰の前座もしない!」とロニーはこれを拒否するも、何と他の3人は出演を快諾(!)と言う非常事態に陥りました。
そしてSABBTHはゲストVOに、あのロブ・ハルフォードを迎えてオジーの引退コンサートに出演してしまいました…。
コレに激怒したロニーは当然SABBTHを脱退、ヴィニーと共に遂にDIOの再始動に入ります。
当のSABBTH(アイオミ)は、マーティンとコジーを呼び戻して、あっさり活動を再開しました。

今も“失敗作”と言う烙印を押される『DEHUMANIZER』。
今、聴き直すと決してそんな事はない事に気付きます。
確かにヘヴィーではありますが、いわゆる“モダン”な感覚では全くありません。
パワフルなヴィニーのドラム、凶悪かつ金属的に歪みまくったアイオミのG、重低音で暴れまくるギーザーのB、そして今までのキャリアの中で最もアグレッシヴな雄叫びをあげるロニーのVO…全てがハイレベルです。
楽曲もよく練られており、ギーザーより「ファンタジー厳禁令」が出たため、SF/現実的なシリアルな歌詞と相俟って、ダークなHMアルバムの傑作だとも言えます。
当時、某B!誌がマーティンのいるBLACK SABBTHを擁護し、その奥に未だにRAINBOWの影がチラつき、正当な評価を下していない事が腹立たしくもあります。
あれから10年以上の歳月が流れました。
そろそろ『DEHUMANIZER』を再評価しても良いと思います。
今ならNEVERMORE辺りの、ダークな正統派メタル・バンドに匹敵するアルバムだと個人的には感じてます。

ロニーとDIOに関しては、最近その某B!誌において、かつて在籍したメンバー達による、金銭絡みのトラブルをゴシップ的に取り上げられて話題になりました(苦笑)。
今もHR/HMの最前線にて現役であり続けるロニー。
ファンから忌み嫌われるモダン・ヘヴィネス路線を脱却したものの、この『DEHUMANIZER』程のインパクトを持つアルバムは発表されていません。
近年のDIOで良いと思えたアルバムは『Magica』、そしてダグ・アルドリッチのGが冴え渡った『Killing The Dragon』だけ…ってのはあまりに寂しいです。
栄光をもう一度!って願うなら、ロニーにもやらねばならない事が判る筈ですが…。
何はともあれ、『DEHUMANIZER』は傑作です! 聴かず嫌いしてるメタル・ファンは絶対に損だよ!!
P・S:明日はロニーの誕生日です(笑)。 

SILENT HILL

2006-07-08 16:25:46 | 映画
『サイレント・ヒル』を観た。
本作の原作は世界的に大人気のゲームだと言う、最初に白状すると僕は全くゲームに対する知識は無い(笑)。
僕が本作を観ようと思う最大の動機は、監督をしたのが他ならぬクリストフ・ガンズだったからだ。
ガンズと言えば、日本産コミックの映画化にあって隠れた傑作『クライング・フリーマン』でデビューを飾った人物だ。
日本のコミックが、海外で実写映画化されると、観るも無惨な作品になる事が多かった。
デビュー作の『クライング・フリーマン』において、原作のテイストを生かしつつ、香港ノワール風味で味付けした素晴らしい作品だった。
日本の“好き者マニア”にガンズと言う監督を一気に浸透させるキッカケになったのが、フランスの史実をベースにした『ジェヴォーダンの獣』である。
史実をベースにってのは建て前で、実際にはクンフー/怪獣映画の醍醐味を詰め込んだ、ごった煮映画の傑作であった。
そんなガンズが満を持してハリウッドに進出して、その記念すべき第1作目が本作なのである。
よく「ゲーム原作の映画に傑作は無し」と言われるが、本作はその固定概念をブチ壊す作品になりそうだ。
ゲーム云々抜きにして、本作は一本のホラー映画として、観ていて久々に「怖い」と思える作品でした。
理屈抜きに本作は、ホラー映画として立派な傑作です!!
本作の“肝”となるのが、スタイリッシュなガンズの映像美と演出。
以前は借り物のセンスだと言える要素もあったが、本作では今までの作品を咀嚼し、自らの個性に昇華した、ガンズ独特の映像美と演出が光っている。
特に劇中に登場する、何とも言えず不気味かつスタイリッシュなクリーチャーが、何ともフェティッシュかつ魅力的である。
あと脚本も良い。
さすが、あのタランティーノと共に『パルプフィクション』を書いたロジャー・エイヴァリーである。
暗さと歪んだ毒を含んだ物語の展開は見事だ。
本作は非常に宗教色が強いが、逆にそれを本作の“毒”にしているのもポイントだろう。
何故こんな事が起きたのか?
ヒロインは終盤にその真実を知る、だがその真実は実に陰惨なモノであった。
過度にして極端な信仰、そして児童虐待と言う憎むべき行為を正当化させる狂気…これは正にアメリカ社会が抱える“闇”である。
終盤からの展開に関して、観た者の解釈が違ってくるだろう。
ラストの凄惨極まる阿鼻叫喚な地獄絵図の果てに、訪れる静かな結末…近年のハリウッド映画では考えられない、アン・ハッピーな結末であるのも衝撃的だ。
本当に凄い映画だ。
ガンズ監督は次回作に『鬼武者』(ぴったりだ!)の実写映画化予定している様だが、個人的にはこの続きを観てみたいと思えて仕方ない。
本当に色んな意味で、久々に「怖い」と思える映画でした、文句なしの傑作です!!

「全ての子供にとって母親こそ神なのよ…。」


MILKY WAY

2006-07-07 21:12:55 | 雑談
今日は「七夕」である。
決まって「七夕」の夜は天気が悪い。
今年も雨こそ降ってはいないが、夜空にはぶ厚い雲があり、星を見る事は出来ない…。
情けない話だが、今日自分が取り返しのつかないミスを犯した事に気付いた。
結局は自分の性格がいかに大雑把であるか、これ程までに痛感する事は無かったくらい、このミスは本当に痛い。
資格を取る為に頑張って勉強してきた訳だが、このミスでそれが帳消しになる…と言っても後の祭り。
今日は己の間抜けさをただ呪うばかりだ。
今まで何とか無難に物事をこなして来た(つもり:苦笑)が、こうなると自分がいかに不器用であるかを思い知らされる…。
そんな時に仕事の帰り道で、見上げた夜空。
脳裏をよぎったのはLOUDNESSの『Milky Way』だった。
同じ過ちを繰り返しては、単なる本当の愚か者になってしまう。
今日と言う日は、自分にとって重い意味を持つ1日になった気がする…。

星の数は 数えきれぬ程
はかない人の祈り Milky Way

ミサイル、7発も撃ち込まれたんだよ…。

2006-07-06 00:10:55 | 多事争論
今日、北朝鮮が遂にやらかした。
単なる「脅し」ではなく、日本海沖に7発ものミサイルが撃ち込まれた。
ミサイル発射時、日本海の着水地点付近では、多くの漁船が普通に漁をしていたし、海洋学校の実習船も実習中だったそうだ。
もし、一歩間違えて、コレらの現場にミサイルが落ちていたら…考えただけでゾッとする。
今、極東方面はかなりの緊張状態だと言える。
自分の国の領海に7発ものミサイルが撃ち込まれたのだ、これは“宣戦布告”だと受け止めても良い事態だ。
国の首相は「これには次の首相が…」云々と弱腰で言ったが、アンタはまだ首相として在職中だろう? だったら日本のリーダーとして、しっかりと毅然な態度を見せろよ。
そんなんだから、北はこちらを完全に舐めきった暴挙に出るんだよ。
北は今、外と内で相当にヤバい状態なのかもしれない。
経済制裁でも何でもやって、今は北を国際社会の中で徹底的に孤立される必要がある。
比較的有効的だった、中国・韓国も今態度を急激に硬化させている。
近い将来、極東方面で何らかの紛争が勃発する危険性は高い。
ここは、日本政府に毅然とした態度で、北に対応する事を心から願う。
「何かが」起きてからでは遅いんだよ…。

男の“引き際”と“美学”

2006-07-04 22:22:34 | 料理
中田英寿選手が“現役引退”を表明しました。
中田は昔から“現役”に強い拘りを持つ選手ではなかったし、あのブラジル戦後の様子を見れば、今回の“引退”と言う結果も納得出来る。
スーパー・スターと言っても良いサッカー選手であるのと同時に、一人の“人間”である事を強く主張していたんですよね。
男として、これ以上ない形での、潔く、カッコ良い“引き際”だと思える。
これも一つの「美学」だ。
一人のサッカー選手の引退が、日本を騒がせる事態になったのも興味深い。
僕も一人の男として、彼の出した「決断」と「引き際」の持つ意味は、非常に重たく感じた。
そんな事を思いながら、仕事から帰ると晩御飯を作った(笑)。
今宵のディナーは“中華風豆腐あんかけ”。
ただヨメの為に晩ご飯を作り続ける、これも「男の美学」である筈だ‥。