ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

男の美学と世界

2006-07-09 21:40:03 | 雑談
今回も様々なドラマを生んだドイツ・W杯。
個人的に応援していたドイツが負けたのが残念ですが、今回決勝では年齢が近いジダンのいるフランスを応援したいと思います。
ジダンやナカタなどの引退をめぐり、世論では「男の引き際」に対する賛否両論が激しい…。
こんな言い方は失礼だが、ジダンとナカタを、同次元で語るのが間違っている。
別にナカタを悪く言ってるのではない。
ただ、サッカーにおけるレベルで、ナカタとジダンを同じレベルで語るべきではない。
ナカタは日本、いやアジアが世界に誇れる選手だった。
一方のジダンに関しては、サッカーと言うスポーツのレベルを左右する、正に歴史に名を残す偉大な選手なのである。
野球において、未だに「長島・王」と言う二大カリスマがいる様に、サッカーにおいてもそれは同じだ。
ナカタの引退は確かに早過ぎると思う、彼に己が“スター選手”と言う自覚があれば、日本だけでなくアジアのサッカーの為にも、次の南ア・W杯まで現役でいるべきだった。
ジダンは前回の日韓・W杯において、予選敗退をした“A級戦犯”として、フランス国民から糾弾された。
そんなジダンが今決勝に向かおうとしている、フランス国民はそのジダンに「有終の美」を飾って欲しいと願っている。
理不尽な気持ちもあるが、結果が全てのスポーツの世界ではこれは当然の事である。
“引き際”。
第一線で活躍する、一流の選手にしか判らない事も多いのだろう。
今日、3位決定戦に、あのオリバー・カーンが初めてピッチに上がった。
ある意味、ドイツの精神的支柱とも言える選手だし、ドイツの国民的英雄である。
そんなカーンは控えに甘んじながら、腐る事なく、最後の最後に大きな仕事を果たした。
個人的には霊長類最強のキーパー、そして今年37歳のカーン、大好きな選手である。
人に夢を与えるスター選手なら、己の生き様・言動に責任を持って欲しい。
ナカタは己の信念を貫いた、それは決して悪い事とは思わない。
「まだ出来る」と周囲に思われながら、第一線から外れるのは確かに美しい。
でも…今日のカーンの姿を見ていると、複雑な気持ちになってしまう…。
そんな事を思いながら、今宵も晩御飯を作った。
今宵は僕の大好物である、“麻婆豆腐”であった。
インスタントのソースを使わず、味噌と豆板醤で作る特製麻婆豆腐である。
麻婆豆腐嫌いのヨメも、コレなら美味しいと食べてくれる。
「ルパン3世」ではないが、正に“男には自分の世界がある…”としか言えない。
何はともあれ、ジダン、そしてフランス頑張れ!!


DEHUMANIZER

2006-07-09 15:59:16 | 音楽
今、ヨメはLED ZEPPELINにハマりにハマっいる。
キッカケは、先日某衛星放送で、全盛期の彼らのLIVEを観たからだ。
特にVOのロバート“王子”プラントに魅了されている様だ(笑)。
つい先日までWHITESNAKEを愛聴していた事を思うと、ヨメなりに“発見”が多いらしい…僕にしてみれば「何を今更?!」って感じもする(苦笑)。
そんな訳で我が家は今常にZepが流れており、暇さえあればヨメはDVDを観ている。

かく言う僕も今、あるアーティストにハマっている。
その人こそ、HR/HM界最強のヴォーカリスト、ロニー・ジェイムズ・ディオ様である。
今年で推定年齢64歳(!)ながら、今も衰える事を知らない圧倒的な歌唱力を誇る、メタル界きっての魔神と呼ぶに相応しい人物だ。
でも今ハマって聴いているのは、いわゆるロニーのキャリアの黄金期とは違う。
正しいファンに言わせると、最も忌み嫌う90年代における「ロニーの迷走(低迷)期」と呼ばれる音源ばかりだからだ。
俗に言う「モダン・ヘヴィネス3部作」が好きなのだ。
再結成BLACK SABBTHによる『DEHUMANIZER』、DIOの『Strange Highway』、そして『Angry Machines』である。
勿論、80年代のBLACK SABBTH~DIOが“様式美”していた頃からロニーが大好きだ。
ロニーの今のキャリアの礎である、リッチーとのRAINBOW時代も大好きだ。
でも、今何故か90年代のロニーが大好きなのだ。
ファンにとって悪名高い「モダン・ヘヴィネス3部作」ではあるが、最も完成度が高いのが再結成BLACK SABBTHによる『DEHUMANIZER』だ…と個人的には感じている。

80年代終盤、人気の失墜に歯止めが利かなくなっていたDIO…。
ロニーは自分が「過去の遺物」となるのを避ける為に、遂に自らのバンドであるDIOの解散に踏み切ります。
そしてロニーが画策したのが、当時若手バンドの多くがその影響とリスペクトを表明していた、BLACK SABBTHへの再加入でした。
当時のBLACK SABBTHには後に“都合の良い男”と呼ばれる、トニー・マーティンと言う実力派VOが在籍していました。
そして、ドラムには今は亡きコジー・パウエルまでいました。
当時のSABBTHの音楽性は、傑作『Heaven And Hell』的なメロディアスな様式美HM路線でした。
オジー&ロニーが在籍した頃の全盛期程ではないにしろ、ファンには「今のBLACK SABBTH」として高い評価を受けていました。
ロニーのSABBTHへの復帰にはビッグ・ビジネスの絡みもあり、マーティンをあっさり解雇して思いの外スンナリ進むかと思えました…。
しかし問題となったのがロニーとコジーの確執でした。
かつてのRAINBOW時代からの軋轢が、再結成BLACK SABBTHの思わぬ障害となりました。
ファンにしてみれば、ビッグな2人の共演は更なる話題となる筈でした。
先行きが怪しくなった途端、コジーが落馬事故によりバンドを脱退する事態に発展。
結果ドラムにはDIO時代からの盟友ヴィニー・アピスが起用され、Bにはギーザー・バトラーまでも復帰し、本当に黄金のラインナップになりました。
肝心な事を忘れてましたが、BLACK SABBTHはそもそもトニー・アイオミ(G)のバンドであります(笑)。
オジー、ロニー、イアン・ギラン(『Born Again』は名作)、グレン・ヒューズ等の凄いVOを起用し、BLACK SABBTHを活動させ続けたのはアイオミ本人です。
でも、あのロニーの復帰でSABBTHの音楽的な実権を握っていたのは、紛れもなくロニーとギーザーでした。
当然、世界中のファンやマスコミは『Heaven And Hell』の再現を期待していました…特に日本のファン・マスコミは。
でも実際に完成したアルバム『DEHUMANIZER』は、それまでのSABBTHのキャリアの中で最もモダンでヘヴィーなアルバムとなりました。
コレに世界中のファン・マスコミは戸惑い、特に当時絶大な影響力を持っていた日本の某B!誌はこのアルバムを「流行りを意識し過ぎだ」と酷評しました。
そんな様々な複雑な経緯を経て完成した『DEHUMANIZER』。
再結成BLACK SABBTHはこのアルバムを引っ提げてツアーに出ますが…今回の再結成は非常に短命に終わります。
当時“引退”を表明したオジーのサヨナラ・コンサートに、BLACK SABBTHが“ゲスト”としての出演を依頼されます。
「私は誰の前座もしない!」とロニーはこれを拒否するも、何と他の3人は出演を快諾(!)と言う非常事態に陥りました。
そしてSABBTHはゲストVOに、あのロブ・ハルフォードを迎えてオジーの引退コンサートに出演してしまいました…。
コレに激怒したロニーは当然SABBTHを脱退、ヴィニーと共に遂にDIOの再始動に入ります。
当のSABBTH(アイオミ)は、マーティンとコジーを呼び戻して、あっさり活動を再開しました。

今も“失敗作”と言う烙印を押される『DEHUMANIZER』。
今、聴き直すと決してそんな事はない事に気付きます。
確かにヘヴィーではありますが、いわゆる“モダン”な感覚では全くありません。
パワフルなヴィニーのドラム、凶悪かつ金属的に歪みまくったアイオミのG、重低音で暴れまくるギーザーのB、そして今までのキャリアの中で最もアグレッシヴな雄叫びをあげるロニーのVO…全てがハイレベルです。
楽曲もよく練られており、ギーザーより「ファンタジー厳禁令」が出たため、SF/現実的なシリアルな歌詞と相俟って、ダークなHMアルバムの傑作だとも言えます。
当時、某B!誌がマーティンのいるBLACK SABBTHを擁護し、その奥に未だにRAINBOWの影がチラつき、正当な評価を下していない事が腹立たしくもあります。
あれから10年以上の歳月が流れました。
そろそろ『DEHUMANIZER』を再評価しても良いと思います。
今ならNEVERMORE辺りの、ダークな正統派メタル・バンドに匹敵するアルバムだと個人的には感じてます。

ロニーとDIOに関しては、最近その某B!誌において、かつて在籍したメンバー達による、金銭絡みのトラブルをゴシップ的に取り上げられて話題になりました(苦笑)。
今もHR/HMの最前線にて現役であり続けるロニー。
ファンから忌み嫌われるモダン・ヘヴィネス路線を脱却したものの、この『DEHUMANIZER』程のインパクトを持つアルバムは発表されていません。
近年のDIOで良いと思えたアルバムは『Magica』、そしてダグ・アルドリッチのGが冴え渡った『Killing The Dragon』だけ…ってのはあまりに寂しいです。
栄光をもう一度!って願うなら、ロニーにもやらねばならない事が判る筈ですが…。
何はともあれ、『DEHUMANIZER』は傑作です! 聴かず嫌いしてるメタル・ファンは絶対に損だよ!!
P・S:明日はロニーの誕生日です(笑)。